・第一話 ー依頼ー
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
第4章
ーゴーストハントー
第1話
ー依頼ー
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
神凪のゴタゴタに巻き込まれたものの、何とか日本に腰を据えられる状況の整った八神一家は、ごく普通の一軒家に住み始めた。
だがしかし、落ち着いたからこそ避けられないこともあった。
ーーー父親からの聴取である(白目)。
*********
○八神家○
「さ、キリキリ吐けよお前ら」
目の前でタバコに火をつけた父親が、母親の隣で煙を吐き出す。
「うーん、まあちょうど能力増えたし、ちょうどいいと言えばいいかな?」
「そうやね」
俺とはやては頷く。
「増えた?」
「うん。特典が増えたんやで‼︎」
はやてがドヤ顔で答える。
「まずは私やな‼︎ 私の能力は"ウイルス開発能力"と"ランクSSSリンカーコア"‼︎ そして新しい能力は…"異空間倉庫"やで」
「被ってる被ってる」
「し、仕方ないやろ‼︎ それに被ってて不便てわけでもないわけやし」
「まあ確かに」
俺ははやての言葉にうんうんと頷く。なお、父親はすでに頭を抱えている。
「ウイルス開発能力はその名の通り、ウイルスを収集解析することでウイルスを改造したりワクチンを作ったり出来る能力やで」
「あ、ゾンビウイルスのワクチンできた?」
「もう少しウイルスが必要やから培養中やで。多分3ヶ月少しで出来るかってところやな」
「ok。ジルに伝えておく」
丁度昨日、ジルからワクチン開発の様子確認の連絡が来ていたのだ。
「もう一つはランクSSSリンカーコアやけど…」
「これは魔力製造器官ってことくらいしか分からないからなぁ」
つまるところ魔力の使い道がないのだ。
「成る程…まあ、はやての場合は俺の風の精霊の加護が受け継がれる可能性があるから、風術を使えるようになるかもしれないな」
「マジで?」
「マジだ」
「やふぅうう♪」
父親の言葉にはやてが小躍りしている。
「あ、あと異次元倉庫は別空間に倉庫を作って、好きに出し入れできる能力やで」
「俺も持ってる」
「ダブり能力やね」
「「言い方」」
父親と母親がツッコミを入れる。
「んじゃ俺」
俺はケータイを操作し、【妖精:ピクシー】を召喚する。
「俺の能力は"悪魔使いの能力"と"精霊王4柱との契約"、"異空間倉庫"に"完全声帯模倣"。そして新しく取得した"武術習得効率向上大"」
「にーに、5個もズルいんやけど」
「それだけ巻き込まれたってことだから」
「…それは嫌やね」
「だろ?」
俺とはやてはHAHAHAと笑い合う。
「あの回復魔法はどの特典でやった?」
「悪魔使いのチカラだね。悪魔の使う魔法を種族的制限がなければ使えるんだ」
父親の問いに正直に答える。
「他にどんな魔法がある?」
「神凪本家で見せた殺さない雷撃とか、神の炎とか、火と氷と雷と風の魔法と、石化魔法と、魅了魔法、格闘技に状態異常回復。各属性の耐性獲得に無効化反射とかかな?」
「「…」」
父親がタバコをぽろっとタバコを灰皿に落とす。
「まあ、魔法だから精霊術ほどコントロールできるわけじゃないし、死者の蘇生はできないしね」
そう、デビルサバイバーのチカラを使える俺であるが、神により蘇生魔法スキルの≪リーカム≫系は使用できないようにされている。つまり、死んだらそこまでなのだ。
まあ、神としても生命の生死の操作までは許可できなかったようである。
「そこまで出来たら逆にめんどくさくならない?」
「蘇生魔法スキル使えてたら不味かったかもな」
「「いや、もうアウトだから‼︎」」
父親と母親が思いっきりツッコミを入れる。
「で、新しい武術習得効率向上大は…まあなんとなく分かるが」
「まあ文字通り武術習得効率が向上するだけの能力だよ」
勘違いしそうになるが、俺はデビルサバイバー2のデータのおかげで肉体スペックは高いが、だからといって格闘戦が出来るわけではない。一撃の必殺とかであればスキルがあるが、相手が格闘家とかだとスキルを出す一瞬の隙を突かれかねない。
つまるところ、これでまた一つ俺の弱点がなくなる。
「我が家の子供達はどこに向かっているのか…」
父親が遠い目をする。それと同時に家の電話が鳴り響く。
「っと」
父親が慌てて電話に出る。
「もしもし…ああ…ああ…分かった」
父親が電話を切る。そして俺の方向に向き直す。
「総司お前に電話だ」
「ん?誰だろう?」
「出れば分かるって言ってたぞ」
「あー、うん分かった」
電話に出る。
「もしもし?」
『初めまして、八神 総司』
「…誰だお前?」
幼い。下手をしなくても俺と同い年くらいであろう幼い声が俺の名を告げる。俺はこの世界で同世代の友人がいないから、マジで誰だか分からない。
『私は【森下 礼子】。転生者No.02…あなたと同じ転生者よ』
「ほうほう。それはそれは…この出会いを喜ぶべきか、それとも電話番号を特定されていることに憤るべきかな?」
俺は茶化すように告げる。しかし、内心はこの電話の相手を"始末"するかどうかで考え込んでいた。
『無作法は謝罪する。しかし、私にも余裕がない』
「余裕がない?」
『…現在、私と私と双子の妹は危機的状況に陥っている。命の危機と言っても過言ではないわ』
「命でも狙われてるのか?」
『ある意味近い』
声を観察していると、少し焦った声であることがわかる。切羽詰まっているようだ。
『このままでは私達は確実に殺される。それだけならまだしも家族にも被害が出る可能性が高い。だから、同じ転生者である貴方に助力願いたい』
「…ふむ」
まだこの相手がどういう人間かは分からないが、相手の手の内がわからない上に電話番号を把握する調査能力…最悪でも面識は欲しい。
「助力することはやぶさかじゃないが、敵は何だ?俺とて対応しきれないものもあるぞ?」
『敵は君達の専門分野よ。精霊王と契約した貴方ならば、ものの数ではないでしょうね』
「相手は?」
俺は強い口調で敵の正体を問いただす。
『ーーー敵は"悪霊となった愛深き母親"よ』
*********
******
***
○数時間後○
○森下家邸宅前○
「ここか」
精霊の生み出した風に乗ってきた俺は、目的地であろう場所の前で地面に降りる。目の前には立派な家が建っている。
「なるほどなるほど…これはなかなか」
屋敷に潜む幽霊達が俺に視線を向けている。とても不快な視線だ。そう、俺をターゲットにした視線。
「…子供か」
その視線の主達はそのほぼ全てが俺よりも小さい少年少女の幽霊達だ。この家で死んだのだろう。
「可哀想だとは思うが、君らと同じになる気はさらさらないぞ」
俺はゆっくりと玄関へと歩き始める。
「ーーーさて、仕事の時間だ」
☆☆☆☆☆☆☆☆
○ゴーストハントside○
☆☆☆☆☆☆☆☆
心霊調査のため、依頼を受けて森下家にやって来ていた【渋谷サイキックリサーチ】の一行は、初っ端から心霊現象に遭いながらも調査を続けていた。
そして、どうやら森下家の次女【森下 礼美】の持つ人形である【ミニー】が怪しいとなり、結果的にミニー率いる子供の幽霊達に襲われた。
原因と思われるミニーを燃やすも燃えず…これからミニーに取り憑いた霊を祓おうとしていた時であった。
「礼子ちゃんが?」
報告を聞いた渋谷サイキックリサーチ所長【渋谷 一也】が、眉を顰める。それは森下家長女"森下 礼子"についてであった。
「うん、『これ以上の被害は看過できないから、裏の助っ人を頼む』って。だけど『彼は強力すぎるから、ことの解決は貴方達に任せたい』って」
渋谷サイキックリサーチの助手である【谷本 麻衣】は、礼子の言葉をそのまま伝える。
「相変わらず小学生とは思えない言葉遣いだな…彼とは?」
「分からないけど、【綾子】なら知ってるかもって礼子ちゃん言ってたよ」
「松崎さんなら?」
一也は近くに立つ【松崎 綾子】に顔を向ける。
「分かりますか?松崎さん」
「そんなの知るわけないじゃない」
腕を組んだ綾子がそっけなく一也に答える。
「うちの実家が医者だからそっちの関係者かしら?」
「え?綾子って医者の娘なの⁉︎」
「言ってなかったかしら?」
「言ってないよ‼︎」
ぎゃーぎゃー騒いでいると、ピンポーンっと呼び鈴が鳴る。
「…え?もう夜だけど?」
「こんな時間に客か?仕方ないな」
チャラそうな男【滝川 法生】が玄関を開けに向かう。
「あ、私も…」
麻衣も法生に続く。
「はいはいっと」
法生が玄関のドアを開ける。そこにいたのはパーカーにジーンズ姿の小学校低学年ほどの子供であった。
「…夜分遅くに失礼。私は森下 礼子さんの依頼を受けて参りました。八神 総司と申します」
少年はフードを取り自己紹介する。中性的な顔立ちで、どちらかと言えば女顔だろう。
「さあ、早く仕事にかかりましょう」
☆☆☆☆☆☆☆☆
○ゴーストハントsideEND○
☆☆☆☆☆☆☆☆
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
エンド
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
口調を少し修正しました。