平成の転生者(改訂版)   作:初任者

19 / 41
ついでにこの次の章は、某英国の旦那がでる作品にしようと考えております。


・第3話 ーあっけない終わりー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

第4章

ーゴーストハントー

第3話

ーあっけない終わりー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

結果から言えば、リビングの床は大きく破損したが、穏便…穏便?に除霊は終わった。

 

渋谷サイキックリサーチはヒトガタを霊の失った子供に見立てる事で、子供を取り戻したと思わせ、母親の霊を満足させて成仏させた。その成仏に連鎖し、囚われていた被害者の魂達も成仏した。

 

俺は父親に付き合って何度かこういう場に行ったが、その中で最も穏便な解決を迎えた。俺がやってたことなんて、霊が家から逃げないように結界を張っていただけだった…いるか?俺?

 

 

「しかし、あの偉そうな奴が陰陽術師だったとは…」

「彼には彼の事情がある。詮索しない方が双方のためでしょ」

「まあな」

 

 

安全になった家の庭で俺達は会話を交わす。既に渋谷サイキックリサーチは朝イチで撤退するための準備を終え、今は就寝中である。

 

 

「まあそれはそれとして…ちょっと疑問符はつくかもしれんが、依頼は完遂した。報酬をもらおうか?」

「"成果には相応の報酬を"…前世の父から教わった家訓よ」

 

 

礼子が俺に封筒を手渡す。中身を開けると幾らかの書類と写真が入っている。

 

 

「私の特典は電気を介した情報収集能力。そこから貴方の欲しがった情報をまとめたのがそれ」

「成る程。だから俺の家の電話番号も分かったのか」

「まあ、応用というところね」

 

 

俺は中身を読み込んでいく。

 

 

「ふむふむ…助かるぜ。実はいくつか原作があるだろう事件に巻き込まれてるが、その原作を知らなくてな。こういう情報はあればあるだけいい」

 

 

書類の中身は俺が巻き込まれた原作のリストと、簡単な内容。そして、"敵対可能性の高い敵"の情報であった。

 

 

「報酬は確かに受け取った…だがな」

 

 

俺は異空間倉庫から拳銃を取り出す。ラクーンシティで手に入れた一品で子供にも持ちやすいスモールサイズの拳銃だ。それ故に誰も持っていかなかったようだった。

 

 

「…なんの真似?」

 

 

拳銃の銃口は礼子に向けられていた。

 

 

「通常の転生者なら放置しても良かったが、お前の能力は野に放つには脅威だ」

「賭けに勝って、勝負は墓穴を掘ったってところ?」

「かもな」

 

 

俺たちは双方微笑を浮かべる。

 

 

「すぐに殺さないということは、何か他に手があると考えていい?」

「脅しみたいになるが、いや立派な脅しではあるが…ああ、もちろんあるとも」

 

 

殺さない選択肢もある。

 

 

「今現在ラクーンシティで助けた転生者が転生者のための組織作りを始めている」

「転生者のための、組織作り?」

「外側は"カラーギャング"だが、その首脳陣は転生者で占めるそうだ」

「カラーギャング、ね」

 

 

話を聞いた時は驚いたが、カラーギャングを隠れ蓑にするのは十分ありな話だ。さらに下の連中は手駒として使える。

 

 

「つまりだ。組織に入り、俺達の仲間となれ。それなら殺す必要はないからな」

「完全な脅しね」

「もっとスタイリッシュにやりたかったが、どうもこの手の交渉ごとは苦手なようでな」

 

 

俺は両肩をすくめる。

 

 

「さて、悪いが返答はこの場で頼むよ。最悪の場合後始末もしないといけないからな」

 

 

カチャリと銃を音を立てて構え直す。銃口はしっかりと礼子に向けて。

 

 

「武力的後ろ盾も欲しかったし、組織に入るのは構わないわ」

「のは?」

「ええ、入るのは構わないけど、入るのは脅されたからじゃなくて入りたかったから。そこははっきり言わせてもらうわ」

 

 

俺はポカーンとほうけた表情を浮かべる。そして、大爆笑する。

 

 

「あははははは‼︎ 面白い奴だなお前‼︎ いいぜ、気に入った。ようこそ我らが組織へ」

 

 

俺は異空間倉庫へと拳銃を放り投げる。

 

 

「後日その転生者から連絡を入れさせる」

「もう組織名は決まってるの?」

「ああ、ダラダラしたいから【ダラーズ】。イメージカラーは無色だそうだ」

 

 

礼子は少し驚いた表情を浮かべる。

 

 

「成る程、原作までに戦力を整える気か」

「…?どうかしたか?」

「いえ、なんでもない」

 

 

ひゅうっと冷たい風が吹く。

 

 

「寒くなってきたようだな。俺はこのまま帰宅させてもらうが」

「私はこのまま家に戻るわ。そろそろ母達が私がいないことに気づくだろうし」

「次会う時まで元気でな。早速の同胞が知り合って速攻で死ぬのは勘弁だ」

「さっきまで殺そうとしていた人間のセリフとは思えないわね」

 

 

礼子が肩をすくめる。

 

 

「昔の話だろ」

「いえ、今の話よおじいさん?」

「そうだったか?もう忘れちまったな」

 

 

俺は風を纏い、空へと浮かぶ。

 

 

「じゃあ、また会おうぜ」

「ええ、また今度電話するわ」

「そういえば電話番号知ってたな」

 

 

すっかり忘れていた。

 

俺は風の光学迷彩を纏い、空の闇へと消えていく。

 

なお、帰りが遅かったせいでコッテリと絞られた。ぴぇん。

 

 

*********

******

***

○数日後○

○自宅○

 

 

風呂上がりでパジャマ姿の俺は、家の固定電話の前で受話器片手に会話をしていた。

 

 

「こんなすぐにかけてくるとは思わなかったな」

『ええ、報告と依頼を兼ねてね』

「人使いが荒いお嬢様なことで」

 

 

俺は肩をすくめる。

 

 

『まず、ダラーズについては結成時期が"全員が中学生になってから"という事で決定したわ』

「さっさと結成しないのか?」

『ええ、提案者曰く現在同胞を捜索中とのことよ』

「悠長な事で…まあ、動くのはあいつだから俺は構わんがな」

『それと、彼からの伝言で戦闘系の能力者でない同胞に、悪魔召喚プログラムを貸して欲しいとのことよ』

「まあ、そうはなるだろうな…」

 

 

俺は頭をぽりぽりと指先でかく。正直言って戦闘系の能力者でない転生者は大変危険である。下手な一般人よりも能力目当て狙われる可能性が高いからだ。おまけに防御能力がない。

 

 

「レベル15までの悪魔なら構わないぞ。ただ契約してもらう必要があるから、俺とか戦闘能力があるやつが近くにいないと危ないぞ」

『それが私からの依頼よ。私の契約を成功させて』

「暇な日は?」

『2週間後の日曜日でどう?貴方の能力なら、寄り道しなければ20分もかからないでしょ?』

「戦闘可能な場所に連れていかないといかんだろ。家族と話はつけておけよ」

『…まさか、家族に転生者だと明かしたの?』

「ああ、問題なく受け入れてもらえたよ」

『私にはとても無理な話ね』

 

 

電話の向こうからため息の吐息が聞こえる。

 

 

「話してみればいいじゃないか」

『正直言って、私は人間の感情が怖いわ。何がきっかけに爆発するか分からないもの』

「まあ、それはあるな」

『つまり、私が生まれなければ生まれるはずだった子供を思って、私を拒絶する可能性もあるのよ?それでなくても自分達から離そうとするかもしれないじゃない』

「まあ、それは俺も思ったがな…能力を見せてしまった時点で引き下がれなかったしな」

『ああ、ラクーンシティの件ね。確かにあそこまで派手にやったなら仕方ないわね。

ーーーあ、そうそう報告し忘れてたわ』

「ん?なんだ?」

 

 

電話の向こう側からガサガサと紙を漁る音がする。

 

 

『あの事件の生存者にキリスト教。それもローマ・カトリック教会の信徒がいたのを知ってる?』

「あ?ローマ?カトリック?それがどうした…よ」

 

 

脳裏に記憶が走馬灯のように走る。あれ?もしかして俺…。

 

 

『探し回ってるみたいよ。"天使を使役し、死者たちがたむろする地獄から救ってくれる聖人"としてね』

「あががががががか」

 

 

や、やらかしてたァアアア⁉︎

 

 

『日本にも支部はあるから気をつける事ね。あ、2週間後私の家で合流ね』

 

 

電話が切れると同時に、俺は膝から崩れ落ちる。

 

 

「や、やらかしたァアアア‼︎」

 

 

その背後をはやてが通りかかる。

 

 

「にーにがやらかすなんて、いつものことやんか。気にしない方がええで」

 

 

…ぴぇん(白目)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

エンド

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。