・第1話 ーバトル・オブ・ブリテンー
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第5章
ーHELLSINGー
第1話
ーバトル・オブ・ブリテンー
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かつて栄光の限りを尽くした大英帝国。その首都であり、古くは霧の町と呼ばれた帝都ロンドンはーーー炎と残骸の街となっていた。
「いや、この流れ何回目だよ」
そんな地獄の様相の上空に飛ぶヘリの中で、俺は深いため息に吐き出す。その瞬間右耳に取り付けた通信機から声が流れる。
『ーーー既にロンドンは化け物となった旧ナチス党ドイツ武装親衛隊とウォーキングデッド共で溢れているわ。さらにロンドン郊外にカトリックの十字軍を確認したわ』
アメリカ英語とは少し違うイギリス英語が状況を知らせる。
「ウイルスか?」
『いいえ、ヴァンパイアの使役する【グール】よ。ラクーンのようにはならないわ…まあ、場合によってはそっちのせいになるかもしれないけど』
「ヴァンパイア?実在するのか?」
『我が国にはヴァンパイア討伐機関に飼われているヴァンパイアもいるそうよ』
「それはなんとも本末転倒なことで」
俺はヘリから身を乗り出す。
「さて、本来の依頼の代わりの緊急の依頼ではあるが、さっさとやるとしよう」
『助かるわ』
ヘリの後ろを見ると別のヘリが後ろからついて来ており、緑色のドレスを着た高校生くらいの少女が身を乗り出している。
『これより降下するわ。リードはお願いしてもいいかしら?』
「ダンスならお断りだが、戦場ならば任された」
『帰ったら我が国のダンスマナーを教えてあげるわ』
「それはそれは…長いマナー講習になりそうだ」
俺と少女は同時に飛び出す。
「やぁああはぁあああ‼︎」
俺の操る風がヘリから降下してくる人間"達"をサポートする。
「戦争と洒落込もうぜ‼︎」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
○ HELLSINGside○
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ナチスドイツの残党である吸血鬼化装甲擲弾兵達【ミレニアム】の第二アシカ作戦により、大損害を受けてグールが歩き回る地獄の街と化したロンドン。
しかし、そんな悲劇的状況であっても、死力を尽くして争う人間達がいた。
「死守しろ‼︎ ここを落とさせるわけにはいかない‼︎」
イギリス兵士達が銃火器片手に必死に武装親衛隊に抵抗する。ここは指揮所である。本営である。もしもここが占領されたのであれば、抵抗の芽が生まれたとしてもそれを生かすことができない。死守する必要があった。
「…」
その中で、爆弾の起爆装置を手にした太った男ーーー英国安全保障特別指導部本営司令官【シェルビー・M・ペンウッド】は逃げ出したい気持ちを必死に抑え込み、1人の英国紳士として、1人の英国軍人として、1人の男として…必死に職務を遂行していた。
本来の彼であればとっくに逃げ出しているだろう。しかし、彼には彼なりの誇りと信念があった。
「だ、ダメだ⁉︎ 突破される‼︎」
「死ねぇ‼︎ 」
バリケードを張った中に、化け物である武装親衛隊の兵が突入しようとしてくる。
ーーーしかし。
「死ぬのはテメェらだ。クソ妖魔」
風の刃が、刃の嵐が、武装親衛隊達を切り刻んでいく。
「な、なんだ?」「た、助かったのか?」
そこに1人の少女が入ってくる。
「ペンウッド卿はいますか?」
「あ、貴方様は⁉︎」
ペンウッド卿は少女に駆け寄る。
「お久しぶりですね、ペンウッド卿」
「だ、第三王女【ヴィリアン】殿下」
その少女は、大英帝国の第三王女ヴィリアン。正真正銘のイギリス王室の人間であった。
「うわー、すげーやられてるな」
その背後から次々とヴィリアンの護衛達が突入し、さらにその背後から東洋人の子供が現れる。
「これより私は術式を発動します。貴方は作戦通りに」
「了解した」
子供がその場から立ち去る。
「ペンウッド卿。ロンドン中に放送をすることはできますね?特に此処ならば」
「あ、はい…できます」
「なら放送を。ロンドン中に放送を。私の声をロンドン中に届けなさい」
「す、すぐに‼︎」
ヴィリアンに護衛が近づく。
「殿下。こちらを」
「ええ、ありがとう」
ヴィリアンが護衛から"ユニオンジャック"を受け取る。
「さあ、一世一代の…もしかしたら人生最後の大舞台へと行きましょう」
「「「はっ‼︎ 全ては姫様の為に‼︎」」」
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○ロンドンの街中○
ロンドンの戦況は混沌を極めていた。
ーーーナチスドイツ残党、吸血鬼化装甲擲弾兵団【ミレニアム】。
ーーーローマ・カトリック教会、【第九次空中機動十字軍】。
ーーー英国、王立国教騎士団【ヘルシング機関】。
その戦乱の中。さらなる混乱が訪れようとしていた。
『ーーー全英国市民に告げます』
始まりは静かなしかし大きな少女の放送であった。
『私は大英帝国第三王女ヴィリアンです』
その声に生き残っていた英国市民達が顔を上げる。
『全ロンドン市民に伝えます。現在ロンドンは化け物と狂った十字軍の攻撃を受けています。ロンドンは壊滅的被害を受けています』
それは信じたくない真実であった。
『私はロンドンにいます。抗うために此処にいます』
それはつまり、前線に最前線にいるということである。
『私は、大英帝国第三王女は、この場において宣言し実行します。
ーーー"ユニオンジャックよ命じる‼︎ 4文化から構成される連合王国を利用して集められたたる莫大なチカラよ‼︎ その全てを解放し今一度イギリス国民へ平等に再分配せよ‼︎"』
空から光が降り注ぐ。その光はイギリス国民一人一人の手に落ちてくる。
『ロンドンの市民に第三王女ヴィリアンが告げる。この大惨事の開始から何が何んだかわからないまま逃げ惑う者達も多いでしょう。しかし、今現在ユニオンジャックに集められたチカラを解放することにより、全英国市民にこの大惨事に抗うチカラが与えられました。それはただ一夜の奇跡。
ーーー世界に冠たる我が大英帝国の市民達よ。悲劇に抗いなさい。敵意に抗いなさい。殺意に抗いなさい。化け物に十字軍に抗いなさい』
生き残りの市民達の体の奥から、チカラの奔流が流れ出す。そして理解する。ヴィリアンの言う通りに戦うチカラを抗うチカラを得たことに。
『さあ‼︎ 群雄割拠たるバトル・オブ・ブリテンのはじまりです‼︎』
第二のバトル・オブ・ブリテンが始まった。
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○ロンドン中心街○
「な、何だこれは⁉︎」
「う、撃て撃て‼︎」
武装親衛隊の兵士達がロンドン市民の生き残り達に銃撃する。しかし、市民達はそれを回避し、エネルギーの塊を宿したキックやパンチで武装親衛隊の命を刈り取る。
「英国紳士を舐めるなよクソナチ共‼︎」
「王女殿下万歳‼︎」
「祖先が守り切ったこの国を守るんだ‼︎」
その攻撃は十字軍にも及ぶ。
「に、人間が空を飛んでる⁉︎」
「んなバカな⁉︎」
「吹き飛べ火事場泥棒ども‼︎」
「俺達の国から出ていきやがれ‼︎」
十字軍のヘリ達が次々と撃ち落とされる。
「あははははは‼︎ やるじゃないか‼︎ イギリス王室のお嬢さんも‼︎ラ○ミー共も‼︎」
「し、市民達が、我が吸血鬼化装甲擲弾兵を、十字軍をく、駆逐してるですと⁉︎」
ミレニアム指揮官である【少佐】は、笑みを浮かべながらその光景を見る。
「なんだ、何なんだこれはぁッ⁉︎」
十字軍司令官【エンリコ・マクスウェル】はあまりの光景に絶叫する。
「…さて、作戦開始としよう」
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○ HELLSINGsideEND○
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エンド
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