平成の転生者(改訂版)   作:初任者

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やっと書けました。
…この後どうしよう。


・第2話 ーエンジェル・レギオンー

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第5章

ーHELLSINGー

第2話

ーエンジェル・レギオンー

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*********

○ロンドン○

○上空○

 

 

「派手にやってるなぁ」

 

 

俺は空の上で風に乗ったまま、地上を見下す。地上ではロンドン市民達による必死の抵抗が行われている。

 

 

「【とある魔術と禁書目録】のイギリス王室専用術式か…ぴったりの特典だな王女様」

 

 

俺はケータイを操作する。周囲に召喚の光が集まる。

 

 

「作戦開始だ」

 

 

周囲に天使達が次々と現れる。その数は低レベルの天使であるエンジェルであるが、10.20ではなく、100はいるであろう数である。さらにメタトロンも現れる。

 

 

「進軍せよ」

 

 

天使達が次々と降下していく。

 

 

「ナチスも十字軍も皆殺しにしろ」

 

 

俺もそれに続いて、急降下を始める。

 

 

「さて、ナチスはともかくとして、キリスト教を柱とした十字軍は、天使の攻撃に耐えられるかな?」

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

○ HELLSINGside○

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

戦況が混沌を極める中。ロンドンより離れた場所にて、ロンドン中に流された放送を聴いていた者達がいた。それはロンドンを封鎖するのが限界であったイギリス軍であった。

 

 

「ゔ、ヴィリアン様がロンドンの中にッ⁉︎」

 

 

指揮所の中で、スーツ姿の英国紳士が悲鳴のような声をあげる。

 

 

「【アイランズ】…どうやら我々にもチカラは分配されたようだぞ」

 

 

軍服姿の老将校が、タバコを咥えたままニヤリと笑う。

 

 

「行くのか?我が友よ」

「ああ、行くともさ。あそこには俺達の友達が必死に抗っている」

「ふっ、言うまでもなかったな。もちろん私も行かせてもらおう。姫様も救い出さねばなるまい。貴族として1人の英国紳士として」

 

 

その瞬間慌てた様子で伝令の兵士が指揮所に入ってくる。

 

 

「ほ、報告します‼︎ ロンドン上空に"天使の軍勢"を確認‼︎ 敵軍に攻撃を開始しました‼︎」

 

 

2人の男は顔を見合わせる。

 

 

「どうやら我らが姫様は勝利の女神だったようだな」

「女王陛下が卒倒されておられるかもしれないな」

 

 

*********

○ロンドンの街中○

 

 

「て、天使よ‼︎ 神の御使である貴方達が何故⁉︎ なぜ我らを⁉︎」

 

 

悲鳴に似た声を上げた十字軍の兵士の腹に、天使:パワーの武器である槍が刺さる。血が吹き出し、兵士がその場に倒れ伏す。

 

 

「う、撃て‼︎ あれは天使の姿をした悪魔である‼︎」

「し、しかし…」

 

 

信仰心と戦場の判断が交錯し、まともな反撃をできない十字軍は、大きな被害にもかかわらずまともな反撃を行えていなかった。

 

 

「く、クソッ⁉︎」

 

 

それに対して、反撃をしていた武装親衛隊の兵士達も苦戦を強いられていた。

 

 

「じゅ、銃撃が効かない⁉︎」

「ぎゃあッ⁉︎」

 

 

効果があまりない攻撃を跳ね返しながら、天使の軍勢が殺戮を続ける。もはや形勢は逆転していた。十字軍にも武装親衛隊にも、勝てる見込みはなかった。

 

 

「ーーーさっきまでの攻防戦が何だったのかと疑いたくなる光景だな」

 

 

王立国教騎士団【ヘルシング機関】の団長にして円卓会議の1人である【インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング】が、葉巻をふかしながら言葉をこぼす。

 

 

「ヘルシング卿、私の近くでタバコは…まあいいです」

 

 

その隣でヴィリアンが葉巻の煙に顔を顰め、しかしロンドンから上がる黒い煙にため息を吐きながら、注意の声かけを諦める。

 

 

「しかし、ヴィリアン王女殿下…これは一体?」

「それは貴方や国民に流れるチカラのことですか?それともこの天使達についてですか?」

「両方お伺いしたいところですな」

「天使については、実に簡単な話ですよヘルシング卿。近年ヨーロッパ各地で起きている吸血鬼事件。その調査のために海外から専門家の傭兵を呼び寄せただけということです。そして、その傭兵の戦力こそこの天使達ということですよ」

 

 

護衛に立つ天使:パワー達に視線を向けながら、ヴィリアンは答える。

 

 

「ではこのチカラは?」

「それについては正確に返答出来かねますねヘルシング卿。それは国家機密に近い機密事項に類するものですから。

ーーー故に、これは最終兵器となり得るのですが」

 

 

その効果は絶大であった。強化されたロンドン市民達と包囲していたイギリス軍の反撃により、戦況は大きく大英帝国側に傾きつつあった。

 

 

「そんな事よりも、ヘルシング卿。ここで最後の一撃を加えて優勢を確かなものとしたい。ヘルシング機関のヴァンパイアを投入してもらえますか?」

「…ヴィリアン王女殿下。それこそ国家機密だったはずなのですが?」

「"我が同胞"には情報収集に大変長けた者がいまして…」

 

 

その瞬間、ヴィリアンの目の前に日本人の少年…総司が空から着地する。

 

 

「予定通り、戦闘に向かないロンドン市民達の避難用ルートは確保した。お前の連れてきた兵士もそこに配置してる」

「流石ラクーンの英雄にして我らが同胞で最もチカラのある者だ」

「褒めても敵の死体が増えるだけだぞ」

 

 

総司が苦笑しながら答える。

 

 

「で?これからどうする?このまま殲滅してもいいが、かなり時間がかかる上に、術式の制限時間がある」

「避難ルートから市民を避難させてください。ここからは我が国の軍隊とヘルシング機関が対応します」

「相当な人数になると思うが…分かった」

 

 

総司が上空に消えると、ヴィリアンがインテグラに視線を向ける。

 

 

「やれますね?ヘルシング卿」

「…お任せください、ヴィリアン王女殿下」

 

 

その瞬間、戦場に赤いコートを着た男が戦場に降り立った。

 

 

「ーーーオーダーだ‼︎ 【アーカード】‼︎」

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

○ HELLSINGsideEND○

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「うーん、ラクーンより酷い光景だぞこれ」

 

 

俺は上空から、地上に溢れ流れる死者の津波を見下ろす。死者の津波は、十字軍ナチス関係なく飲み込んでゆく。

 

 

「しかしこれがこの世界の吸血鬼か。デビルサバイバーの【邪鬼:クドラク】とは格が違うな」

 

 

圧倒的な死の濁流。避難が僅かにでも遅れていたら、ロンドン市民達は全滅していただろう。

 

 

「英断だな」

 

 

ヴィリアンの判断に称賛を送りながら、風を走らせて情報を収集する。

 

 

「あれで生き残りがいるのか…嘘だろ?」

 

 

風は生存者を捕捉していた。十字軍とナチス双方にである。

 

 

「十字軍の残党部隊は殆ど敗走中、ナチスの残党部隊は徹底抗戦か。中々しぶとい」

 

 

俺はケータイを操作する。

 

 

「ナチスはヘルシングに任せるとして…俺は十字軍にトドメを刺すとしよう」

 

 

召喚の光が集まり、悪魔の形を作り出す。

 

 

「さあ、すり潰せ。魔王:ベルゼブブ」

 

 

地上に降り立った蠅の魔王が、満身創痍同然の十字軍に襲いかかる。

 

 

「なっ⁉︎」「蝿の王だと⁉︎」「天使様の次は悪魔…もう何なんだ⁉︎」

 

ーーー≪メギドラオン≫。

 

 

神の炎が十字軍の兵士達を焼き払う。悲鳴すら上げられないまま、多くの兵士達が絶命し、その身体すら消し炭にされる。

 

 

「えぇええええいめぇええええん‼︎」

 

 

その瞬間、銃剣を構えた神父が、魔王:ベルゼブブに斬りかかる。

 

 

「残念だが、ベルゼブブには≪物理無効≫のスキルが…ん?」

 

 

ケータイを確認するとダメージが入っていた。え?何で?

 

 

「そうか‼︎ その銃剣‼︎ 洗礼済みか‼︎」

 

 

つまり、物理だけではなく聖のチカラが付与されているのだ。おまけに、ゲームで存在しなかったその属性は、デビルサバイバー2の悪魔達に対して耐性の無い攻撃となる。

 

 

「(レベル差で押し切れるとは思うが、今後はそっちにも対応が必要か)」

 

 

不意をつかれたとはいえ、ダメージ自体は少ない。十分押し切れる戦力差である。

 

 

「ベルゼブブ‼︎」

 

 

ベルゼブブが≪メギドラオン≫の攻撃用意にかかり、周囲を天使達が護衛する。

 

 

「もはや、十字軍の失敗は確定的だァ。敗走せざるおえない。

ーーーだがァ、それで悪魔を見逃す理由にはならない‼︎ えぇえええいめぇえええん‼︎」

「思い出したッ‼︎ お前アンデルセン神父か‼︎」

 

 

そう、注意されていた要注意人物。そうか、生き残っていたのか。

 

 

「成る程。それならばこの死の濁流を生き抜いたことにも納得がいく‼︎

ーーーだがしかし‼︎」

 

 

そう、だがしかしなのだ。だかがそれだけの攻撃で、悪魔達が大ダメージを負う筈もない。

 

 

「ファイエル‼︎」

 

 

≪メギドラオン≫の一撃がロンドンの街並みごと、十字軍を吹き飛ばす。

 

 

「…避けられた」

 

 

風が探知したのは、右腕を消し炭にされながらも生きながらえているアンデルセン神父であった。

 

 

「転生者以外にもいるものだな、人のまま人外の域に足を踏み入れた人間というものは」

 

 

内心どことなく慢心があった。認めよう、それは俺の失敗だ。

 

 

「だか勝利したのはこちらだ」

 

 

俺の先程の一撃で、十字軍は完全に崩壊した。もはや統制は取れておらず、先陣が到着し始めたイギリス軍に掃討され始めている。

 

 

「さて、俺も撤収を始めるか」

 

 

悪魔や天使達を消し、ヴィリアンのところへと向かう。

 

 

「あ?また人が増えてるぞ」

 

 

ヴィリアンの周囲には兵士や貴族風の男達がいた。何やら怒鳴り声も聞こえる。

 

 

「ーーーヴィリアン様‼︎ 独断でこのようなことをされては困ります‼︎」

「いや、しかしですね」

「しかしもへちまもありません‼︎ 今すぐ女王陛下のところへ向かっていただきます‼︎ ただでさえ危険な場所に、自国の王族を置いておくアホは我が国にはおりませんぞ‼︎」

 

 

大激怒及び説教である。ヴィリアンはその気迫にたじろいでいる。

 

 

「ヴィリアン、ざまあないな」

「総司‼︎ 十字軍はどうしたのですか⁉︎」

「致命的一撃を与えてきたから、もう問題ないだろ。これ以上は報酬以上の仕事だ」

「くっ、仕方ありません。母上がもう少しお小遣いを増やしてくれれば…」

 

 

ヴィリアンがトドメをさせなかったと憤っている。

 

 

「君は?」

「ただの傭兵ですよ。ヴィリアンの雇ったね」

 

 

俺は改めてヴィリアンに顔を向ける。

 

 

「んじゃ、俺は帰るからな。報酬は事前の話し合いの通りに頼む」

「分かったわ」

 

 

ーーーこの後、帰ることはできなかった。

 

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エンド

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