・第一話 GS試験
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第7章
ーGS美神ー
第1話
ーGS試験ー
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超能力などのオカルト的存在が世界的に認知され、それなりの年月が過ぎた。
アメリカではICPOの中に超常犯罪課…通称【オカルトGメン】が発足し、世界各国でも民間人能力者達の雇用や認可制度の制定が行われていた。
さて、そんな中で、渦中の中と言っていい日本は、オカルト能力者達の登録作業などをかなり初期から行なっていた。
そして、その中でも、対霊対妖怪対妖魔のオカルト対応国家試験…【ゴーストスイーパー試験】は実力知識才能を問われる試験であった。
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○GS試験場○
「ふぁ〜…眠い」
広いグラウンドのど真ん中で、俺こと総司は欠伸をしていた。何せ開始時間まで暇だからだ。
「相変わらず、性格は和麻似ね」
「あ、綾乃さん」
神凪家次期宗主であり、父の親戚である神凪 綾乃が俺に声をかけてくる。昔のような若さゆえの危うさはない。次期宗主らしい落ち着きがある。
「久しぶりね総司君。元気そうで何よりだわ」
「まあお陰様でというやつですね。今日はどうしてここに?」
普通に挨拶を交わしながら、俺は綾乃がここにいる理由を問う。綾乃さんは高校在学中に、既にゴーストスイーパー試験に合格し、上位ランクの資格を取得している(確か、Sランクだったか?忘れた)。
まあ、流石神凪家宗家である。
「身内の試験を見に来ただけよ?甥っ子のね」
「はぁ…そうですか」
綾乃の年代の神凪家は、中々俺達八神家に肯定的だ。それは精霊の属性は違うとはいえ、圧倒的な実力差を知ったからだ。彼ら彼女らは八神家を身内とする派閥だ。
逆に歳を重ねた高齢層は、八神家アンチと言っていいほどの反八神派だ。彼ら彼女らからすると、炎を使えぬ血族など血族ではないとのことだ。
その両派閥にとって、台風の目なのが俺である。炎を使い、神凪の血も混ざっている。何なら言ってないがコントラクターである。
結果として、俺だけはどの派閥も肯定的に接してくれている。何なら反八神派の老人達も、俺を養子にしようと画策している動きもあったそうだ…まあ、綾乃が潰したらしいが。
んで、何が言いたいかといえば、ほのかな恋愛感情を俺の父親に抱いている綾乃が、周囲の反対なく八神家と接触するなら、俺をダシにするのが一番波風立たないのだ。
うーん、政治の世界である。いや、密謀の世界か?
「それよりも、総司君もようやくモグリから正式にGSになるのね。冷や冷やしてたから安心できるわ」
「いやぁ、そろそろ本格的にとらないと不味いですからね」
今年からゴーストスイーパーの資格を持たないモグリの能力者が、依頼をこなして対価を得た場合、ゴーストスイーパー法をもとに法的に罰せられる事になったのだ。まあ、罰せられると言っても、相当悪事を働かなければ、罰金刑程度でしかも安い。しかし、どうせやるならば、合法のほうが安全である。
という訳で、このたび俺も本格的に資格を得に来たという訳である。
「和麻は?」
「あー、父親なら今日は夜まで仕事らしいですよ?お前なら問題ないって事で」
「はぁ…アイツってやつは…自分の子供でしょうに…」
綾乃が頭を抱えている。
「えっと、鈴さんは?」
「お弁当作ってから、はやて連れて遅れてきます」
「なるほどね」
うんうんと綾乃が頷く。
「なら、試験終わったらディナーでもどう?もちろん家族も一緒によ」
「いいですね。モチベーションが上がります」
「好物の生魚の美味しい店がいいかしら?それともお肉?」
「はやてが魚あまり好きじゃないので、お肉でお願いできますか?」
「ええもちろん。それじゃあ、いい結果を期待してるわ」
綾乃が立ち去る。
「さて、と」
俺は軽くストレッチを始める。しかしその視線は周囲のライバルにむけている。
「(不幸中の幸いにも、ここの会場には同胞である転生者はいない様子。なら圧倒するまで)」
とはいえ、父親には油断するなどの忠告をもらってる。相手をよく観察し、そして何より全力で戦うべきだろう。
「手応えある敵がいればいいがな」
ーーー第一次試験【内在霊力魔力測定テスト】。
「…ふむ」
俺の手の中で、霊力測定のための呪符が燃え盛っている。どうやら霊力の許容量を超えてしまったようだ。
「これは、やらかしたか?」
この空気、間違いなくやりすぎたようだ。
「(まあ、実力を勘違いされて、変な奴らに絡まれるよりマシか)」
目指せSランク資格である。
「す、凄いわねアンタ」
「あ?」
振り返るとそこには美少女と言っていい女がいた。参加者のようで呪符を手にしている。
「まあな」
「私は【美神 令子】。名前を聞いても?」
「八神 総司だ。ん?美神というと、あの美神か?」
「ええ、まあそうよ」
美神。それはGS法に初期から関わってきた一族であり、オカルトGメンの長官もいるオカルト一族の名門である。
…まあ、神凪などの一族と違って、対応可能なのは悪霊などのレベルであり、強力な妖魔を滅せるほどの能力はないと聞いてるがな。
「そういう八神といえば、オカルト傭兵の八神 総司で合ってる?イギリスとかで大暴れした」
「まあ、間違いではないな」
「へぇ、見た目に似合わずなのね」
俺は肩をすくめる。
「初戦で当たらない事を祈るよ。初戦で倒しちまうと、十分な実力があっても資格がもらえなくなるからな」
「言うじゃない」
「俺より強いと吠えるなら、試験を勝ち抜く事だな」
挑発を終えた俺は、その場を立ち去る。
「(少しは面白くなるといいが…)」
ーーーこの時の俺は知らなかった。
ーーーギャグ時空に巻き込まれるなど。
ーーー知らなかったのである。
ーーー第二次試験【バトルロイヤル】。
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○第一試合○
「うぉおおお‼︎≪霊力ガトリング≫」
「ふーん」
対戦相手の魔力の弾丸を風で弾きながら、相手を観察する。
「(霊力と言ってるが、気を混ぜ込んでるな。霊力と気の量はさほど無いが、その扱いが上手い。こういう手合いもまだ残ってるのか)」
おまけに、気を混ぜ込んでいるせいか、多少の目標への追尾機能がある。技名に騙されると痛い目を見るだろう。
「(だが、それだけだな)
ーーー≪風遊び・鎌鼬≫」
「ぐぅッ⁉︎ぎゃあああ⁉︎」
風の刃を受けた対戦相手が吹き飛んでいく。
「まずは一つ」
俺はフィールドを立ち去り、通路を歩く。
「ん?」
「あらぁん?」
すれ違ったドレス姿の女に振り返る。見覚えがある顔だ…確か。
「和麻の子供じゃありませんか。試験かしら?」
「ええ、試験です。【キャサリン・マクドナルド】さん…でしたか?お久しぶりです」
アメリカ合衆国の炎術師の名門マクドナルド家。その娘であるキャサリン・マクドナルドであった。
実は神凪家の一件があった後、綾乃さんに決闘を挑み惨敗したのがキャサリンである。
その後大金を支払い、父親をコーチ役にリベンジマッチを挑むが、接戦の上で惨敗。その際に父親に惚れたとのこと。
…いや、人の旦那ってか父親なんですが?
「おーほっほっほ‼︎お久しぶりですわね‼︎
…ところで、和麻はいないのかしら?」
「仕事中でして、今日は来ませんよ」
「残念ですわ。まあ、わたくしも仕事ですので人の事言えませんが」
「仕事ですか?」
「ええ、何でも何人か強力な霊能力者が試験を受けにくるって事で、対処要員ですわ」
悪くない情報を手に入れた。つまり、大暴れしても問題ないかもしれないってことだ。
「その話を聞いて少し楽しみになってきました」
「貴方…あまりやりすぎないでくださいまし?貴重な霊能力者を再起不能にされては困りますわ」
「ええ、気をつけますよ…」
キャサリンと別れて、観戦席へと向かう。次の試合までゆっくりできるはずだからだ。
「面白い試合があるといいんだが」
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エンドら