平成の転生者(改訂版)   作:初任者

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・第3話 ー未来の英雄譚ー

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第8章

ー特別編その1・ダンまち編ー

第3話

ー未来の英雄譚ー

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直接支援しないことを決めた俺達だが、全く支援を行わないわけではない。

 

*********

******

***

○オラリオ○

○アパートの屋上○

 

 

「ーーーやるか」

 

 

俺の前に立つブルータスが、ボソリと呟く。

 

 

「これで面白くなるにゃー♪」

「原作を歪めるとしよう」

 

 

ブルータスの足元に魔法陣が現れる。

 

 

「見せてやろう。未来の英雄譚を。人々に希望を与える物語を。我らが白兎の英雄譚を。今こそ我が特典を行使する‼︎

ーーー≪原作キャラガチャ≫発動‼︎」

 

 

世界に英雄達が解き放たれた。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りside○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

転生者は歪めた。過去と未来の原作を。時間という境界線を。本来会うはずのない者達が出会い、別れた筈の者達が再開する。

 

それは未来と過去の物語。神々ですら未知の物語。

 

ーーー【クロスオーバー・レコード】。

 

 

*********

******

***

○ギルド○

○会議室○

 

 

「初めまして、<勇者(プレイバー)>。俺が精霊器の鍛治師、<武器乱舞(ウエポンパーティー)>ソウジ ヤガミです」

「初めまして、<武器乱舞(ウエポンパーティー)>」

 

 

ソウジがフィンと握手を交わす。

 

 

「それで、精霊器を提供してくれるということだけど」

「ええ、ですがその前に…どうぞ、お入りください」

「入るよ‼︎」

 

 

ドアを開けて、1人の少女…否、女神が入ってくる。

 

 

「はぁ⁉︎なんでどチビがここにおんねん⁉︎」

 

 

黙って様子を見ていた女神【ロキ】が叫びを上げる。

 

 

「相変わらずだね君も…」

「【ヘスティア】…?」

 

 

同席していたヘファイストスも驚いた表情で、女神ヘスティアを見る。それもそのはずで、まだ地上に降りてきていないと思っていた女神だからだ。

 

 

「貴方いつから地上に?」

「いやぁ、それが…」

 

 

困った顔で説明を始めようとしたヘスティアを、ソウジが止める。

 

 

「女神ヘスティアは現代の神ではありません。はるか先の未来からお呼びさせていただきました」

「み、未来?」

「俺の力だ」

 

 

ドアからさらにブルータスが現れる。

 

 

「<紙師>⁉︎」

「我が力。未来のオラリオから特定の人物を呼び出す能力だ」

「何やねん⁉︎その超特定条件の能力⁉︎」

「ヘスティア・ファミリアはその構成員のほぼ全てが呼び出し可能。よって可能な限り呼び出してもらった。増援としてな」

 

 

ロキが細い目を少し開き、ソウジに問う。

 

 

「その条件って何や?」

「それは秘密です」

 

 

ソウジがニヤリと笑みを浮かべる。

 

 

「さて、女神ヘスティア殿。事前の話し合いの通り、冒険者側に助力するという事でかまいませんか?」

「色々分からないこともあるけど…いいぜ‼︎」

 

 

ヘスティアが親指を立てる。

 

 

「どチビのファミリアやろ?大した冒険者おらんやろ?良くて二級冒険者か?」

「ふふん‼︎残念だねロキ‼︎僕の子供達はーーー」

「代表的な人物は…女神【フレイヤ】に伴侶(オーズ)と見込まれ、数々の修羅場を潜り抜け、僅か半年足らずでレベル5に至ったレコードホルダー。ヘスティア・ファミリア団長<白兎の(ラビット・)(フッド)【ベル・クラネル】」

「「「はぁッ⁉︎」」」

 

 

全員がベル・クラネルの説明に絶句する。

 

 

「しかも、多数のファミリアの連合であるオラリオ連合とはいえ、ロキ・ファミリアの協力無しにフレイヤ・ファミリアを下したのは流石というべきだな」

「はぁ⁉︎あの色ボケを下したんか⁉︎」

 

 

ロキが絶叫する。

 

 

「君、過去の人間なのによく知ってるなぁ…」

「まあ色々ある」

 

 

ブルータスが目を閉じる。そこにライニーが耳打ちする。

 

 

「にゃははは♪ブルータス、そこは隠す必要ないんじゃないかにゃ?」

「…言うのか?まだ終わってないが?」

「言っておくべきにゃ」

「本人に言ってからの方がいいだろう。本人すら知らない情報なんだぞ」

「うーん、それもそうにゃね。顔合わせの時に伝えるにゃ」

 

 

2人が離れる。

 

 

「ところで、僕ヘファイストスのところでしばらく世話になったり、アルバイトしたりしてた筈なのに、眷属である君のことを知らないんだけど」

 

 

ヘスティアが俺に指を刺す。

 

 

「未来とは言いましたが、正確には最も近い未来の世界です。そこは私が存在しないか、死んでいるのでしょう」

「何かこんがらがってきたなぁ…」

 

 

ソウジが説明を終えると、全員を見渡す。

 

 

「すでに未来の冒険者達は戦場に向かっている。まあ、知ってる顔もあるだろうから、聞きたい事があれば聞けばいい」

 

 

ブルータスはそう告げると、その場を離れる。

 

 

「女神ヘスティア殿。一先ず拠点にご案内させていただきます。ライニー」

「任せるにゃ」

 

 

ライニーの案内でヘスティアが立ち去る。

 

 

「さて、精霊器ですが…」

「どのくらいの数があるんだい?」

 

 

冷静さを保つフィンがソウジに問いかける。

 

 

「30ほどの短剣を用意させてもらいました。魔剣と遜色ない威力で使えます」

「思ったより少ないね」

「良くも悪くも黒竜討伐で吐き出しましたからね」

 

 

フィンがロキを見ると、ロキは頷く。嘘はない。

 

 

「(まあ、そもそもそんなに作ってなかったからな。それと)」

 

 

ソウジが持ってきた木箱を机の上に乗せる。蓋を開けると、そこにあったのは杖と槍であった。

 

 

「精霊器【九連魔樹】と【白銀旗槍】です。それと現在斧型の【蛮族戦斧】を製作中です」

「成程…これは僕とリベェリアが使うべきかな?」

「の、方が良さそうやな」

 

 

ロキが頷く。

 

 

「いい武器だね…それはそれとして、色々聞きたいんだけど」

「はっきり言いましょう。我々はこの世界の人間ではない」

 

 

ソウジがはっきりとフィンに断言する。

 

 

「そこではこの世界は物語に過ぎなかった。この時代からすれば未来の時代が舞台の物語です」

「君らからすれば、僕らは創作の、それも過去の人物ってことかい?」

「その通りです」

 

 

フィンに見られたロキは、嘘ではないと頷く。

 

 

「物語はそう…英雄譚でした」

「英雄譚か。この時代の僕らからすると、それは希望なのかい?」

 

 

ふっと、ソウジは鼻を鳴らす。

 

 

「それは未来を歪める行為のため、あまり言えませんが…一つ言っておきましょう」

 

 

ソウジはニヤリと笑みを浮かべる。

 

 

「その物語の名はーーー

ーーー"ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?"です」

 

 

ロキは大爆笑した。その他の人々も苦笑を浮かべた。

 

 

*********

******

***

○オラリオのとある場所○

 

 

「楽しそうだにゃ〜♪アルフィア♪」

「…ライニー」

 

 

突如として現れたライニーに、アルフィアが警戒する。

 

 

「何しに来た?私と戦う気か?」

 

 

アルフィアが眉を顰める。ライニーは前線タイプではなく、どちらかといえば後方支援や補助担当であり、アルフィアに単体で勝利することは不可能であった。

 

しかし、ライニーはニヤニヤと笑みを浮かべる。実に楽しそうに。

 

 

「にゃははは♪大丈夫にゃ♪私は手を出さないにゃ♪

ーーー今日は見届け人にゃ」

 

 

その瞬間、アルフィアに誰かが襲いかかる。アルフィアはすぐに相手の実力が高レベルの冒険者だと察する。しかし、顔を確認した瞬間。自分の予想したどの相手でもないと理解する。

 

そう、その相手は。

 

 

「ッ⁉︎貴様は⁉︎」

「はぁあああ‼︎」

 

 

アルフィアと戦っていた周囲の人間達も、乱入したその人物に驚く。

 

 

「さあ‼︎英雄譚を始めよう‼︎」

 

 

戦場の中。ライニーは物語の始まりを告げた。

 

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