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第8章
ー特別編その1・ダンまち編ー
第3話
ー未来の英雄譚ー
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直接支援しないことを決めた俺達だが、全く支援を行わないわけではない。
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○オラリオ○
○アパートの屋上○
「ーーーやるか」
俺の前に立つブルータスが、ボソリと呟く。
「これで面白くなるにゃー♪」
「原作を歪めるとしよう」
ブルータスの足元に魔法陣が現れる。
「見せてやろう。未来の英雄譚を。人々に希望を与える物語を。我らが白兎の英雄譚を。今こそ我が特典を行使する‼︎
ーーー≪原作キャラガチャ≫発動‼︎」
世界に英雄達が解き放たれた。
☆☆☆☆☆☆☆☆
○語りside○
☆☆☆☆☆☆☆☆
転生者は歪めた。過去と未来の原作を。時間という境界線を。本来会うはずのない者達が出会い、別れた筈の者達が再開する。
それは未来と過去の物語。神々ですら未知の物語。
ーーー【クロスオーバー・レコード】。
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○ギルド○
○会議室○
「初めまして、<
「初めまして、<
ソウジがフィンと握手を交わす。
「それで、精霊器を提供してくれるということだけど」
「ええ、ですがその前に…どうぞ、お入りください」
「入るよ‼︎」
ドアを開けて、1人の少女…否、女神が入ってくる。
「はぁ⁉︎なんでどチビがここにおんねん⁉︎」
黙って様子を見ていた女神【ロキ】が叫びを上げる。
「相変わらずだね君も…」
「【ヘスティア】…?」
同席していたヘファイストスも驚いた表情で、女神ヘスティアを見る。それもそのはずで、まだ地上に降りてきていないと思っていた女神だからだ。
「貴方いつから地上に?」
「いやぁ、それが…」
困った顔で説明を始めようとしたヘスティアを、ソウジが止める。
「女神ヘスティアは現代の神ではありません。はるか先の未来からお呼びさせていただきました」
「み、未来?」
「俺の力だ」
ドアからさらにブルータスが現れる。
「<紙師>⁉︎」
「我が力。未来のオラリオから特定の人物を呼び出す能力だ」
「何やねん⁉︎その超特定条件の能力⁉︎」
「ヘスティア・ファミリアはその構成員のほぼ全てが呼び出し可能。よって可能な限り呼び出してもらった。増援としてな」
ロキが細い目を少し開き、ソウジに問う。
「その条件って何や?」
「それは秘密です」
ソウジがニヤリと笑みを浮かべる。
「さて、女神ヘスティア殿。事前の話し合いの通り、冒険者側に助力するという事でかまいませんか?」
「色々分からないこともあるけど…いいぜ‼︎」
ヘスティアが親指を立てる。
「どチビのファミリアやろ?大した冒険者おらんやろ?良くて二級冒険者か?」
「ふふん‼︎残念だねロキ‼︎僕の子供達はーーー」
「代表的な人物は…女神【フレイヤ】に
「「「はぁッ⁉︎」」」
全員がベル・クラネルの説明に絶句する。
「しかも、多数のファミリアの連合であるオラリオ連合とはいえ、ロキ・ファミリアの協力無しにフレイヤ・ファミリアを下したのは流石というべきだな」
「はぁ⁉︎あの色ボケを下したんか⁉︎」
ロキが絶叫する。
「君、過去の人間なのによく知ってるなぁ…」
「まあ色々ある」
ブルータスが目を閉じる。そこにライニーが耳打ちする。
「にゃははは♪ブルータス、そこは隠す必要ないんじゃないかにゃ?」
「…言うのか?まだ終わってないが?」
「言っておくべきにゃ」
「本人に言ってからの方がいいだろう。本人すら知らない情報なんだぞ」
「うーん、それもそうにゃね。顔合わせの時に伝えるにゃ」
2人が離れる。
「ところで、僕ヘファイストスのところでしばらく世話になったり、アルバイトしたりしてた筈なのに、眷属である君のことを知らないんだけど」
ヘスティアが俺に指を刺す。
「未来とは言いましたが、正確には最も近い未来の世界です。そこは私が存在しないか、死んでいるのでしょう」
「何かこんがらがってきたなぁ…」
ソウジが説明を終えると、全員を見渡す。
「すでに未来の冒険者達は戦場に向かっている。まあ、知ってる顔もあるだろうから、聞きたい事があれば聞けばいい」
ブルータスはそう告げると、その場を離れる。
「女神ヘスティア殿。一先ず拠点にご案内させていただきます。ライニー」
「任せるにゃ」
ライニーの案内でヘスティアが立ち去る。
「さて、精霊器ですが…」
「どのくらいの数があるんだい?」
冷静さを保つフィンがソウジに問いかける。
「30ほどの短剣を用意させてもらいました。魔剣と遜色ない威力で使えます」
「思ったより少ないね」
「良くも悪くも黒竜討伐で吐き出しましたからね」
フィンがロキを見ると、ロキは頷く。嘘はない。
「(まあ、そもそもそんなに作ってなかったからな。それと)」
ソウジが持ってきた木箱を机の上に乗せる。蓋を開けると、そこにあったのは杖と槍であった。
「精霊器【九連魔樹】と【白銀旗槍】です。それと現在斧型の【蛮族戦斧】を製作中です」
「成程…これは僕とリベェリアが使うべきかな?」
「の、方が良さそうやな」
ロキが頷く。
「いい武器だね…それはそれとして、色々聞きたいんだけど」
「はっきり言いましょう。我々はこの世界の人間ではない」
ソウジがはっきりとフィンに断言する。
「そこではこの世界は物語に過ぎなかった。この時代からすれば未来の時代が舞台の物語です」
「君らからすれば、僕らは創作の、それも過去の人物ってことかい?」
「その通りです」
フィンに見られたロキは、嘘ではないと頷く。
「物語はそう…英雄譚でした」
「英雄譚か。この時代の僕らからすると、それは希望なのかい?」
ふっと、ソウジは鼻を鳴らす。
「それは未来を歪める行為のため、あまり言えませんが…一つ言っておきましょう」
ソウジはニヤリと笑みを浮かべる。
「その物語の名はーーー
ーーー"ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?"です」
ロキは大爆笑した。その他の人々も苦笑を浮かべた。
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○オラリオのとある場所○
「楽しそうだにゃ〜♪アルフィア♪」
「…ライニー」
突如として現れたライニーに、アルフィアが警戒する。
「何しに来た?私と戦う気か?」
アルフィアが眉を顰める。ライニーは前線タイプではなく、どちらかといえば後方支援や補助担当であり、アルフィアに単体で勝利することは不可能であった。
しかし、ライニーはニヤニヤと笑みを浮かべる。実に楽しそうに。
「にゃははは♪大丈夫にゃ♪私は手を出さないにゃ♪
ーーー今日は見届け人にゃ」
その瞬間、アルフィアに誰かが襲いかかる。アルフィアはすぐに相手の実力が高レベルの冒険者だと察する。しかし、顔を確認した瞬間。自分の予想したどの相手でもないと理解する。
そう、その相手は。
「ッ⁉︎貴様は⁉︎」
「はぁあああ‼︎」
アルフィアと戦っていた周囲の人間達も、乱入したその人物に驚く。
「さあ‼︎英雄譚を始めよう‼︎」
戦場の中。ライニーは物語の始まりを告げた。
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