平成の転生者(改訂版)   作:初任者

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大変お待たせしました‼︎



・第四話 ー疾風怒濤ー

第8章

ー特別編その1・ダンまち編ー

第4話

ー疾風怒涛ー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りside○

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

ベル・クラネル。ダンまちの主人公である彼を想う存在は多い。その中で因縁とポテンシャルを持ちながら、その性質が故に、その運命が故に、その過去が故に、ポンコツと揶揄されるヒロインがいる。

 

その名をーーー。

 

 

「<疾風>⁉︎」

 

 

乱入者の名前は<疾風>【リュー・リオン】。正義のファミリアに所属するはずの冒険者。

 

 

「<静寂>…いや、アルフィア。私が貴方をここでとめる」

 

 

リューが武器を構える。

 

 

「馬鹿な…何故貴様がこれほどの力を?そこまでのレベルではなかったはずだが?それにその髪色は…」

「私はこの時代の人間ではない。<紙師>とやらに未来から連れてこられた、この時代からすれば未来の私だ」

「なん、だと?」

 

 

あまりの説明に、アルフィアだけでなく周囲の冒険者達も絶句する。

 

 

「ーーーここで倒れろ<静寂>。お前にはそれがお似合いだ」

 

 

リューの猛攻が始まる。その猛攻を拾った剣でアルフィアが防御する。

 

 

「ぐっ⁉︎これが貴様の行き着いた先かッ⁉︎」

「そうだ。これが私の行き着いた先ーーー愛だ‼︎」

「何故ここで愛⁉︎」

 

 

アルフィアがリューの斬撃で吹き飛ばされる。

 

 

「(こいつ、ふざけた言動こそしているが、私に迫る強さ…ということは、私のこの行動も無駄ではないということか)」

「そして、ここに来ているのは私だけではない」

「ーーーッ⁉︎」

 

 

瞬間。一線が走る。

 

 

「貴様ッ⁉︎」

「どうだい?<静寂>。レベル7になった僕の一撃は?」

 

 

一撃を放ったのは<勇者(プレイバー)>フィン・ディムナ。しかし、その一撃はこの時代の彼の実力に到底見合わぬ一撃。つまり。

 

 

「貴様も未来の…ッ‼︎」

「ああ、そうとも」

「ーーー我が名はアールブ。≪フィンブルヴェトル≫

 

 

更なる攻撃がアルフィアに襲いかかる。それは<九魔姫(ナイン・ヘル)>リヴェリア・リヨス・アールブの魔法攻撃。

 

アルフィアはそれを無効化する。

 

 

「わ、私が2人…?」

「引導を渡しに来たぞ。アルフィア」

「<九魔姫(ナイン・ヘル)>…‼︎」

 

 

未来の冒険者達とアルフィアが睨み合い、この時代の冒険者達がそれを呆然と見つめる。

 

 

「この力…なったのか。レベル7に」

「ああ、私とフィンもレベル7になった」

 

 

リヴェリアが淡々と答える。

 

 

「チッ、ここは一度退かせてもらおう」

「させると?」

 

 

フィンが武器を構えると同時に、未来の冒険者達もアルフィアに武器を構える。

 

 

「どうかにゃ?アルフィア。未来の英傑を集めてみたにゃ」

「ライニー…ッ‼︎貴様ぁ‼︎」

 

 

アルフィアはライニーを睨みつける。

 

 

「アルフィア。彼ら彼女らは【ベル・クラネル】を導いた英傑達にゃ。故に見せてみろにゃ。約束した通りにゃ」

「何だと?」

 

 

ライニーの言葉に、アルフィアが呆けた表情を向ける。そしてさらに睨みつける。

 

 

「何故ベルが…ベルが出てくる」

「…?<静寂>。何故貴方がベルのことを知っている?」

 

 

リューは不思議そうにアルフィアに問いかける。それもそのはずであり、この時代では未だ子供で、オラリオにも来ていないベル・クラネルを、普通ならばアルフィアが知っているはずが無いからである。

 

しかし、アルフィアはベル・クラネルの叔母に当たる存在である。その名を敵が気軽に呼んだのならば。

 

 

「貴様ッ‼︎あの子の名を気安く呼ぶなッ‼︎

ーーー≪福音(ゴスペル)≫‼︎」

 

 

アルフィアの魔法が放たれるが、リューはそれを回避する。

 

 

「…成程、これが<呪術師>の言っていた、ベル・クラネルに関わる重要事項、ですか」

「その通りにゃ‼︎頑張るにゃ〜。殺さず捕えれば、諸君のベル・クラネルはさらに幸せな未来を手に入れられるにゃ」

 

 

リューは改めて武器を構える。

 

 

「…いいだろう。ならば教えてやろう。英雄の作法を‼︎」

 

 

アルフィアと未来の冒険者達がぶつかる。

 

 

ーーーその頃。ザルドも別の敵と戦っていた。

 

 

「くっ」

「この程度か?ザルド」

 

 

ザルドに立ち塞がるのは、未来でオラリオ最強と呼ばれる冒険者<猛者>【オッタル】。しかも執事服姿であった。

 

 

「坊主がよくもまあ強くなったじゃねぇか。妙な格好は置いておくとしてだがな」

「ーーーそれは彼もまた、未来においてベル・クラネルを導き、ベル・クラネルに導かれた者故に」

 

 

ザルドが声のした方を見ると、そこにいたのはブルータスであった。

 

 

「ベル・クラネルか。あの時の言葉が現実になってしまうとはな」

「…?何故あいつのことを知っている?」

「戦場に関係ないことさ」

 

 

ザルドが改めて剣を構える。

 

 

「見せてやらねぇとな‼︎古き英雄達の力を‼︎立ち塞がってやらねぇとな‼︎俺たち古き英雄が‼︎」

「フレイヤ様の御命令だ。ここで倒れろザルド。お前にはそれがお似合いだ」

「はっはっは‼︎愉快な姿で愉快なことを言うな‼︎坊主‼︎」

 

 

ザルドとオッタルがぶつかる中。本陣にいるフィンは優勢に傾きつつある戦況に、安堵の息を吐いていた。

 

 

「未来の僕らによって戦線の立て直しは成った」

「…」

 

 

戦略を考え続けるフィンに、ソウジが内心でため息を吐き出す。

 

 

「(だーめだこりゃ。完全に未来の冒険者達に頼り切ってやがる。自分の時代は自分で守る気概がねぇ)」

 

 

フィンは強敵相手に未来の冒険者達を配した。それはつまり、強敵は未来の冒険者に託したということだ。

 

 

「(赤点だぜ<勇者(プレイバー)>。勇者を謳うお前さんなら、もう少し気概を見せると思ったんだがな)」

 

 

戦略だけを見るなら悪くない戦法だし、そもそも未来ならば過去に戦った相手も知っている。対応はしやすい。しかし、ソウジには気に入らなかった。

 

ーーーこの時代を守るならば、この時代の人間が1番頑張らないとならないだろう。それがソウジの考えであった。

 

 

「(一先ずこの騒動がひと段落したら、元の世界に帰るか。んで飯でも)」

「<静寂>と<暴食>が撤退した?」

「ん?」

 

 

ソウジが気になる話を耳にしたため振り返ると、既にフィンが考え込んでいた。

 

 

「未来の僕らは?」

「それが、闇派閥の奴らに妨害されて…」

「そうか…逃がした魚は大きいね」

 

 

フィンはさらに考え込む。

 

 

「(面倒になってきたな。この世界でも元の世界の力を出せれば、さっさと解決できるんだがなぁ)」

 

 

完全にやる気を失ったソウジは、もはや介入する気を失いつつあった。さっさと終わらせたいとすら考えていた。

 

 

「(しかも、俺だけ居残りだし。せめて主人公の活躍でも見ようと思ったら、雑魚共が邪魔して、主人公が主戦場にいけないし)」

 

 

ソウジは立ち上がりその場を立ち去ろうとする。

 

 

「どこに行くんだい?」

「鍛治師の行くところなんて、鍛冶場に決まってるだろう?」

「まだ戦いのすぐ後だ。気をつけて向かってくれ」

「了解」

 

 

ソウジはその場を離れ、戦場の傷跡が残る街へ向かった。

 

 

*********

*********

○とある戦場○

 

 

アルフィア達を撤退に追い込んだ未来のリューは、かつて失った仲間達と合流していた。

 

 

「リオン⁉︎貴方どうしたの⁉︎」

「…」

 

 

髪を染め、雰囲気も少々変わってしまったリューに、仲間達は驚いていた。しかし、リューはそれに答えられなかった。

 

 

「申し訳ないにゃー。未来の冒険者達には過去にあまり影響を与えすぎないように、未来のことを話さないようお願いしてるにゃー」

「成程…」

 

 

ライニーが答えられない理由を答える。

 

 

「ところで、リュー。そろそろ愛しの<白兎の(ラビット・)(フッド)>が到着する頃だけど、身なりを整えなくていいにゃか?」

「なっ⁉︎」

 

 

リュー・リオンの顔が真っ赤に染まる。その様子をライニーがニタニタと見ている。

 

 

「ふふっ、私は知ってるにゃーよ?ダンジョンの中で起きたあれやこれやとかにゃ」

「なっ…なっ…」

 

 

リューは顔を真っ赤に染めたまま、口をぱくぱくとさせている。その光景を見たライニーがさらにニタニタと笑う。そしてなんとなく察した【アストレア・ファミリア】の仲間達がニタニタと笑いながら、リューをいじり始める。

 

 

「何々?リオンにも春が来たのかしら?」

「ほう、ポンコツエルフになぁ…」

「「ポンコツではない‼︎」」

 

 

過去と未来のリューは叫んだ。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

○語りsideEND○

☆☆☆☆☆☆☆

 

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