・第一話 「集結命令」
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第9章
ーデュラララ編ー
第1話
ー集結命令ー
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ーーー盟主よりダラーズ理事会に第一号命令発令中。
ーーーダラーズは他組織との抗争を開始。
ーーー理事会構成員<傭兵><迷宮主><武器屋>は部隊を率い池袋に集結。
ーーー敵対組織【黄巾賊】の鎮圧を開始してください。
ーーー繰り返し申し上げます。
ーーー盟主よりダラーズ理事会に第一号命令発令中。
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○池袋○
○とある建築現場○
「まったく、黄巾賊だったか?たかが一地方のカラーギャングが我々ダラーズに喧嘩を売るとは思わなかった」
俺はダラーズの掲示板をスマホで確認しつつ、珈琲店でテイクアウトしたカフェラテを飲む。
「総司さん。兵隊かき集めてきました。いつでも戦えます」
「泉井か」
カラーギャング【ブルースクウェア】の元リーダー【泉井 蘭】が、背後に控える不良達を示し、俺に声をかける。
「どのくらい集まった?」
「黄巾賊に仕方なく吸収された連中は放置したんで、俺の指示に従う奴ら30くらいっすかね」
「まあ、他の部隊と合わせれば十分やれるか」
カフェラテの入れ物がぼっ‼︎と燃え上がり、チリすら残らず焼失する。
「ルールは伝えてあるな?」
「うっす。きっちり共有してあります」
「今回はロアナプラからも兵隊が送り込まれてる。しっかりと働けよ」
「「「「「うっす‼︎」」」」」
不良達が次々と車やバイクに乗り込んでゆく。
「全員掲示板を確認しろ‼︎襲撃の情報が上がってるぞ‼︎」
「「「「「うっす‼︎」」」」」」
不良達が池袋の街に解き放たれてゆく。
「さて、ようやく盟主の物語の始まりだな。どこまでやるのか…まあ、楽しみにしておこうか?」
俺は空へと飛んだ。
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○語りside○
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ダラーズには2つの組織が存在する。1つはもちろん転生者達による転生者達のためのダラーズ理事会。そしてもう1つが、池袋を中心にネットで広がるダラーズという無秩序な集団である。
そこら辺のサラリーマンや学生など、一見カラーギャングに見えない人間も広く加入しているのがダラーズであった。
そんな時である。烏合の衆たるダラーズに抗争する力がない事に、理事会の構成員が気がついたのは。
そこでダラーズ理事会は無秩序なるダラーズに所属する不良を、転生者達の代表者の元に何グループか作り、無秩序なるダラーズの戦闘部隊とした。
そしてこの日。黄巾賊と呼ばれるカラーギャング相手にその戦闘部隊の暴力が振るわれようとしていた。
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○とあるヤクザの事務所○
【粟楠会】というヤクザの組は、池袋に強い地盤を持つ指定暴力団である。その事務所に、日本のヤクザには似合わぬロシア人の少女がいた。
「ようこそ、ホテルモスクワの皆さん。本日はどのようなご用件で?」
粟楠会幹部【赤林 海月】が少女とその背後のスーツ姿のロシア人達に問いかける。
「(ホテルモスクワ。少し前に引き起こした【鷲峰組】との一件はまだ記憶に新しいが、この少女はどうしてここに来た?)」
「…」
少女は隣に座るサラリーマン風の日本人の男に耳打ちする。
「通訳さん…確か【ロック】と呼ばれてましたね。ロックさん、お嬢さんはなんと?」
「はい、今回は挨拶と謝罪に来たと。ただし、ホテルモスクワとしてとではなくカラーギャング集団ダラーズ理事会の構成員として」
「ダラーズ?ああ、そういえば、黄巾賊ってカラーギャングと抗争状態でしたね。というより、海外の大規模マフィアにまで浸透してるとは…」
赤林はダラーズの危険度の認識を上げる。
「イエヴァさんは構成員として参戦を求められているという事で、多少そちらの縄張りを騒がしくするので、挨拶とその謝罪に先に来たと」
「成程、聞いてたよりはだいぶ気遣いの出来る方々のようですね。しかし、流石に海外マフィアに縄張りを荒らし回られたのでは、我々としても面子の問題があります。どうにかなりませんかね?」
確かに、ホテルモスクワは粟楠会よりも巨大な組織である。とはいえ、相手が巨大だからといって、己の庭を荒らされてはヤクザの面子丸潰れである。
「…我々以上が来ても問題ないか?と」
「以上?」
「真の戦闘部隊。アフリカの地で殺し合いをしている傭兵部隊を呼ぶことになりかねない、と」
「傭兵部隊をですかい?たかがチンピラのカラーギャング相手に」
「上層部はそれを執行しかねないと」
赤林は内心で冷や汗を流す。その規模になればもはや裏世界がとかの話では済まない。表世界も大きく巻き込む話になる。
「それと我々は主導部隊ではないので、積極的に戦闘は行わないと。あくまでダラーズの通常カラーギャングを使うとのことです」
「それはありがたい話ですがね」
赤林もダラーズに登録しており、掲示板は確認できている。すでにいくつかの黄巾賊との交戦報告が上がっていた。
「…上には話を通しておきますが、流石に何も無しでは難しいですね」
「ホテルモスクワは日本への進出を諦めたわけではない。今回の抗争は絶好の機会であったが、ダラーズはホテルモスクワとは別組織。そう言って介入させない方針だ。
ーーー我々は譲歩をしている。そもそも庭の管理もできてないそちらにも問題があるのでは?」
「…」
ホテルモスクワの戦闘力。いや、破壊力は先の事件で日本ヤクザ界に知れ渡っていた。なるべく介入は許したくない。
「こちらの監視員は付けさせていただきますが、それでもいいですか?」
「勿論。貴方ご自身でも構わないと」
「お誘いはもっと情熱的にお願いしたいんですがねぇ」
赤林が肩をすくめる。
「分かりました。上にはそれで説得します。期間はどのくらいのご予定で?」
「半月はかけないそうです」
「流石、ホテルモスクワ。いや、この場合はダラーズ上層部ですか?」
「貴方が思っている以上に、ダラーズは闇深い。ゆめゆめ忘れぬようにとの事です」
「肝に銘じておきます」
こうして、粟楠会との話し合いは無事に終わるのであった。
「(何で私がこんな立場に⁉︎家帰ってボルシチ食べたい‼︎)」
なお、その対価はイエヴァの心労であるのは、言うまでもないことであろう。
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○語りsideEND○
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