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第9章
ーデュラララ編ー
第2話
ー抗争の最中ー
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○語りside○
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ダラーズという組織は2層ある。コインの裏と表とも表せるものだ。
その片方。表にあたるカラーギャング部分のダラーズは正に烏合の衆と言っていい。
個々が独立した存在であり、個人的交流サイトとして使う一般人もいれば、犯罪者グループの温床ともなる。そこに連帯意識や協力という言葉はない。そこにあるのは、ただ席を置いているだけ。利用しているだけ。そんなものでしかない。
よって、ダラーズの仲間が襲われたところで他人事の構成員が多かった。何せ他人事なのだから。
しかし、表はそうであっても、裏側…転生者達からすれば話は変わる。
「隠れ蓑を壊されるわけにはいかん」
ダラーズの表部分はあくまでカモフラージュ。偽りの仮面にすぎない。
それ故に、荒らされることに腹を立てる転生者は少なくなかったのである。
それが故に、ダラーズ表部隊の組織化は即座に可決されたのだった。
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○池袋○
「オラ‼︎」
「ぐふっ‼︎」
ダラーズの表部分で、不本意ながらも顔役となってしまっている【門田 京平】は、一般的ダラーズ構成員を襲撃していた黄巾賊と戦闘を行っていた。
「くそ、数が多いな」
「お前ら、そこまでだ」
「紀田?」
そこに黄巾賊リーダーの【紀田 正臣】が仲裁に入る。だがしかし。
「ーーー随分と手こずってるじゃねぇか。なあ?かぁ〜どぉ〜たぁ〜」
「「なっ⁉︎」」
彼ら2人の前に、過去の因縁の相手。元ブルースクウェアのリーダー泉井 蘭が現れる。勿論多数のダラーズ構成員を引き連れてである。
「「泉井⁉︎」」
「おうよ。ひっさしぶりなのに、随分としけたつらしてやがるぜ。ギャンブルにでも大負けしたか?もしかして、その憂さ晴らししてたか?それは悪いことしたかぁ?ギャハハ‼︎」
「「「「「ギャハハ‼︎」」」」」
泉井の部下達がゲラゲラと笑う。
「久しぶりに見たら、随分と綺麗な顔になったじゃねぇか。悠馬崎の奴にイカしたモン入れられたんじゃなかったか?勿体無いぜ」
「アヒャヒャヒャ‼︎あれも良かったんだけどよ‼︎自動的に治っちまうようになっちまってな」
門田の挑発に、泉井がニタニタと笑みを浮かべている。
「泉井ぃいい‼︎」
「紀田のガキンチョも元気そうじゃねぇか。少し前まで半ば引退してたってのによぉ‼︎ギャハハ‼︎」
涙がちょちょ切れると泉井が爆笑する。
「んで、テメェはさっさと消えな」
「え?あ、はい」
襲撃を受けていたはずの一般的ダラーズ構成員の女子中学生達が逃げ出す。その声かけをしたのが泉井であり、泉井の性格を知る門田と紀田は目を剥く。
「塀の向こうで更生でもしたか?」
「バァアアアアカ‼︎俺がそんなタマに見えるかよぉ‼︎お仕事だよお仕事」
泉井が懐からハンマーを取り出す。本気で振り下ろせば、人間の頭など簡単にかち割れるものだ。
「これでも今はダラーズの1人だからな。同じ構成員は守らないとならねぇ」
「なっ、ダラーズだと⁉︎」
「ああ、今はダラーズの怖い怖い御仁の忠実なる部下だよ‼︎」
泉井がハンマーを紀田に振り下ろす。しかし、紀田は素早くそれを回避する。そして怒りのままに、地面に落ちていたバットで泉井の顔面を叩きつける。
「あっ…」
しかし、バットには多数の釘が刺されており、その釘が泉井の両目に刺さり、両目から出血していた。
「いっっっってぇな‼︎」
両目を押さえながら、泉井が叫びを上げる。確実に失明レベルの怪我に対して、恨みを持つ紀田も顔が青ざめる。
「泉井ッ⁉︎」
「ーーーなんつってな」
泉井が潰れた両目を晒すと、瞬時に眼球が蠢き、元の目の形に戻っていく。
「「「「「なっ⁉︎」」」」」
それは科学世界にはあり得ぬ回復力であった。
「やっぱりこいつは最高だぜ‼︎一定以上のダメージじゃなきゃすぐに再生する‼︎ダラーズが俺に与えた能力にして、俺が選ばれし者の証‼︎」
実際、ある意味ではその通りであった。一定の肉体ダメージ以下であればすぐに肉体が再生する。適合者でなければ拒絶反応で身体機能に悪影響が出る。
ーーーそれは新型ウイルス【Jウイルス】。Tウイルスを発展開発させた生物兵器。
ーーー有象無象の歩く死体を生み出すのではなく、純粋に個々の兵士の性能を引き上げる生物兵器。
ーーー泉井はそれに適合した適合者であった。
「最高だぜ‼︎力が溢れてくる‼︎最高にハイってやつだ‼︎ーーー俺は不死身だ‼︎」
泉井がゲラゲラと笑う。
「まあ、その代わり逆らえない人間ができちまったが、それはそれでいい。最高にハイってやつだからな」
「【セルティ】と同類か?」
門田が構えを取る。
「セルティがどんな奴か知らねぇが、同類なら愉快な奴なんだろうなぁ。
ーーーまあ、あのお方が動く以上は皆殺しだがなぁ‼︎」
本格的に黄巾賊とダラーズがぶつかり合った。
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○新宿○
「【折原 臨也】さんですね?」
「ん?」
街を歩いていた臨也は声をかけられて振り返る。そこにいたのは中学生と思われる少女。文学系美少女と言われれば確かにと頷くほどの美貌であった。
「私は確信をもって話していますので応答は不要です。私はダラーズ理事会より派遣されました」
「ああ、彼の部下かな?おかしいな。僕の掴んだ情報だと彼はダラーズ内で立場を明らかにしてないはずだけど?そもそも理事会とか聞いたこともない」
「盟主【竜ヶ峰 帝人】殿は貴方に今は動いてほしくないとお思いです。故に貴方にはしばらく静かにしていただきたい」
臨也の問いかけを無視し、少女は用件を告げる。
「僕は彼とは友好的なはずなんだけど?」
「ハハッ‼︎どの口がおっしゃられるのか」
真顔のまま少女は笑う。
「で、どうする気だい?僕をどこかに閉じ込める気かな?」
「いえいえ。盟主殿のご伝言をお伝えしましょう」
ーーー臨也さんと敵対する気はないですが、貴方という人間はそれでは気が済まないでしょう?
ーーー貴方という人間は黙っていられない筈だ。
ーーー故に、貴方には人間という存在を超越した、真の人外の力をお見せすることにしました。
ーーー【平和島 静雄】などとはまるで違う。別ベクトルの力をお楽しみ下さい。
ーーーああ、後払いとなりますが、生き残れれば和解のための報酬もありますので、頑張って生き残ってください。
「しずちゃんとは違う?」
臨也が訝しんでいると、少女の体が青く光り、周囲からカサカサと音がする。
「…は?」
「理事会が私に与えた名は<恐怖公>。不名誉ではありますが、こういった能力を持った以上は致し方ありません。
ーーー食い尽くしなさい。我が眷属達」
「ちょっ、それは勘弁‼︎」
臨也は逃げ出した。大小様々なGから。
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