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第9章
ーデュラララ編ー
第3話
ーテロリズムー
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○語りside○
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Jウイルスはどこまでも純粋に肉体強化と超再生に振り切ったウイルスである。特に回復能力に関してはもはや怪物であり、腕がもがれようとも、10秒も立たずに回復してしまう。
そんなウイルスを注入された泉井は、もはや怪我を恐れることは無くなった。恐れるのはウイルスの操作主と回復能力を容易く越える武力の証のみ。
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○池袋○
「ヒャハハハ‼︎」
「クソッ‼︎」
ハンマーでアスファルトが破壊される。本来そこにいたはずの紀田は回避に成功していた。
「(スピードはさほどないが、一撃が重い。食らったら動けないってレベルじゃないぞ‼︎)」
「オメェら‼︎何ぼさっとしてやがる⁉︎あのお方を怒らせる気か⁉︎理事会を怒らせてタダで済むと思うのか⁉︎」
「「「「「う、うっす‼︎」」」」」
泉井の連れてきたダラーズ構成員達も黄巾賊との戦闘に突入する。
「理事会?」
「ダラーズの創始者グループさ。どいつもこいつも化け物揃いでな。ああ、そういえば…
ーーーお前のお友達もその1人だったなぁ」
「…何?」
紀田が目を見開く。
「まあ、多分お前の過去と今の状態なんてしらねぇだろうからぁ。黄巾賊との戦闘に指示出ししてるんだろうけどよぉ。残念だったなぁ紀田ァ…長年の幼馴染が敵グループの創始者の1人なんてよぉ‼︎」
「い、泉井ぃいいい‼︎」
紀田が泉井に殴りかかるが、あえて受けた泉井が手を取りそのまま地面に叩きつける。
「かっ、は」
「たく、これだからガキは…簡単に挑発に乗りやがる」
泉井がため息を吐き出す。
「一つ忠告してやる。ダラーズはまだ本気の戦時体制になってねぇ。まだ小競り合い程度の認識だ。一度幼馴染と話し合ったらどうだ?」
「なん、だと?」
泉井のあまりに常識的忠告に、紀田はまじまじと泉井の顔を見る。
「上の連中は本腰を入れるのに忌避感はねぇ。今はまだ準備が整ってねぇって話だ。今ならまだなんとかなるぜ?」
「俺は…」
「ん?どうやらこっちも終わった見てぇだな」
黄巾賊の構成員達が地面に倒れていた。ダラーズ側も数人が怪我をしている様子であった。
「よぅし。んじゃ、撤収だ。ダラーズメンバーも逃げ切れたみたいだしな」
「泉井…」
「あ、そうそう。お前の彼女の件だがな」
泉井がタバコに火をつける。
「うちの上司がそこら辺の筋は通すべきって言ってな。そろそろ完治してるはずだぜ」
「なっ…⁉︎」
居場所がバレていることなどなど。様々な想定が紀田の頭の中を流れてゆく。
「さて、んじゃ筋は通したぜ。俺らは帰る。
ーーー最後に一つ注意だ。さっさと終わらせねぇと、ガキの喧嘩じゃあ終わらなくなるぜ」
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○とある裏道○
「あーあーあー。やっぱりかよ」
ため息を吐き出す総司は、地面に倒れている不良達を一瞥すると正面に向き直し、両手から黄金の炎を燃え上がらせる。
「たく、池袋のど真ん中でオカルトテロとか。舐めた真似を…」
総司の前には多数のゴブリンの群れ。ただし、ゴブリン達は無言であり、どこか様子がおかしい。
「(この匂い…間違いなく腐敗臭。まさかだが)」
そう、ゴブリン達の肉は腐り始めていた。腐り始めた体が動いていた。
「おいおいおい。まさかだが…ダブルテロかよ⁉︎」
オカルトテロとバイオテロのダブルテロ。最も合わせて欲しくないテロの組み合わせだと、総司は内心で吐き捨てる。
「だが、たかがゾンビ。浄化の炎には耐えられん‼︎」
放たれた炎がゾンビゴブリン達を燃やす。ゾンビゴブリンの体が燃え上がり、その形を崩してゆく。
「ふん。たわいない…な」
建物の影から次々とゾンビゴブリンが現れ始める。
「ちっ、これは罠に嵌められたか?」
明らかなキリングゾーン。いや、この場合はモンスターゾーン。明らかに作戦による罠。
「俺をターゲットにしたか。それとも黄巾賊か。まあいい」
総司の体から炎が噴き出す。黄金の炎が全てを包み込む。
「舐めるなよテロリスト。これだけの戦力で、この俺様の命を狙おうなんて万年早いんだよ‼︎」
炎の津波がゾンビゴブリン達に押し寄せる。その津波はゾンビゴブリンを巻き込みながら、邪悪なもののみを燃やし尽くした。
ーーーこの後。とあるニュースが流れた。
ーーー街中を突如として炎が包むも、死傷者どころか燃えたはずの建物等にも被害なし。
ーーー専門家は「薬品による何らかの反応ではないか?」との説を唱えており。
ーーー軍事評論家は「テロリストによる予行演習かデモンストレーションではないか?」との意見を。
ーーー周辺住民からは、「周辺のゴミとかがなくなった。なんか綺麗になった」との証言が。
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○とある組織の地下拠点○
「ちっ。ゾンビゴブリンが全滅したぞ」
ローブ服姿の男が隣の老婆に声をかける。老婆が忌々しそうに呟く。
「神凪の炎…妖魔だってだけでも不味いけど、炎ってのはゾンビによく効く。相性最悪だよ全く」
「使える駒は?」
自衛隊の将校用軍服姿の男が問いかける。その問いかけに慌てた様子でローブの男が答える。
「まだ我々にはゾンビ兵共が山のようにいる‼︎数で押し込めば問題ない‼︎」
「それに神凪の奴らがいないところでやればいい。今回は運悪く神凪を巻き込んでしまったが、次はうまくやるさ」
「ふん。今は信じよう」
自衛隊の将校用軍服を着た男が、背後に堂々と広げられた旗を見る。
「我々が新たな世界を築き上げるのだ」
「科学と」
「オカルトと」
「「「我らの野望のために」」」
「「「そして
ーーー我らが新世界のために」」」
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○特殊資料整理室○
「ーーー流石、オカルト傭兵と呼ばれる総司君ね。オカルトテロを被害なしで完全に鎮圧するなんて」
「犯行声明を出した組織は【ジェネシス】。前々から調査を進めていた過激思想の組織です」
特殊資料整理室所属の警察官達が話し合っている。
「人員は?」
「はい。GSを20名を追加で手配しました。本当でしたら八神 総司にも参加して欲しかったのですが…」
「カラーギャングダラーズ。そういうタイプの子には見えなかったのだけど…まあ、後々の調査は必要ね」
カラーギャングダラーズ。近年急成長したカラーギャング集団であり、表向きは加入しやすさとネットという環境から幅広すぎる構成員を持つことが特徴の組織である。あとはカラーギャングなのにカラーがない。もしくは透明ということだろうか?
ーーーしかし裏は違う。
海外傭兵組織、世界的マフィア、大富豪、そしてオカルト能力者達。通常ならば集結しないであろう人材が構成員となっていた。まさに魔女の窯とも言うべき魑魅魍魎の組織であった。
「一先ず、ダラーズと総司君には池袋で遊んでてもらいましょう。その間にジェネシスを潰します」
「はっ‼︎」
こうして、ダラーズvs黄巾賊との抗争中でありながら、新たに警察vsテロリスト組織という新たな抗争が池袋で行われようとしていた。
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○語りsideEND○
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