平成の転生者(改訂版)   作:初任者

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・第五話 ー死に顔動画ニカイアー

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第1章

ーデビルサバイバー2ー

第5話

ー死に顔動画ニカイアー

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*********

○東京○

○新宿○

 

 

メグルス撃破の翌日。俺は新宿にいた。

 

 

「…いない、か」

 

 

JP'sの黒い幹部用の制服を着た俺は、はぁとため息を吐き出す。

 

 

「なんだかんだであれから何日も過ぎてるしな」

 

 

そう、忘れそうになっているかもしれないが、俺は今現在家族からはぐれて迷子状態なのである。JP'sに保護されている状態とはいえ、やはり家族と合流する必要がある。

 

 

「合流予定の場所には誰もいない。当たり前ではあるな」

 

 

俺は肩をすくめる。

 

 

「八神君、そろそろ戻りましょう」

 

 

俺の背後に現れた女性JP's局員が声をかけてくる。

 

 

「…はい」

 

 

俺はその声に応える。何せ既に昼時にしても遅いくらいである。俺の護衛兼監視役のJP's局員達をこれ以上付き合わせるのも酷であろう。

 

 

「(…勝てば、勝てばすべて元に戻る。たとえ家族に何があろうとも問題ない…そうだ、問題なんて)」

 

 

理論ではそうでも心が納得しない…というところだろうか?

 

 

「(クソっ、非情にはなりきれないな)」

 

 

俺は車へと乗り込もうとする。

ーーープルルルル♪

 

 

「ん?電話?…もしもし」

『八神君‼︎ 車に乗っているならすぐに降りて‼︎ 早く‼︎』

 

 

その声は新田 維緒の声であった。しかし、車だと?

 

 

「何かあっーーー」

「うぁっ⁉︎」

 

 

瞬間、車が吹き飛ばされ、爆発炎上する。

 

 

「…は?」

 

 

振り返るとそこにいたのは…悪魔の群れであった。

 

 

「ッ…⁉︎ 総員戦闘配置‼︎ 野良悪魔だ‼︎」

 

 

俺と無事だったJP's局員2人が悪魔の召喚を始める。

 

 

「召喚‼︎ デカラビア‼︎ パズス‼︎」

 

 

召喚した悪魔達をそのまま悪魔の群れにぶつける。

 

 

「新田さん、一度電話を切りますよ‼︎」

『八ーーー』

 

 

電話を切った俺は、悪魔の群れへ体を向ける。

 

 

「さあ、来い悪魔の野郎ども‼︎」

 

 

とはいえ、攻撃してくるのはレベルの低い低レベル悪魔の群れである。数は確かに脅威であるが、全く問題ないレベル差がある。俺が生身で戦っても勝てるほどだ。

 

ーーーだが、その数が問題だ。

 

 

「1匹たりとも逃すものか‼︎」

 

 

逃せば間違いなく民間人に被害が出る。ゆえに、確実に、ここで、撃滅する必要がある。

 

 

「行きなさい【鬼神:ウベルリ】」

「行け【邪鬼:モコイ】‼︎ 支援しろ【妖精:ピクシー】【堕天使:ガキソン】‼︎」

 

 

JP's局員達も戦闘を始めるが…強いていうなら弱い。この場にいる群れの悪魔より少し強いくらいの悪魔達だ。

 

 

「(…仕方ない。少しガチで行くか)」

 

 

俺は秘匿していた悪魔の召喚を開始する。

 

 

「お前達のチカラを見せてやれ‼︎ 【英雄:フロストファイブ】‼︎」

 

 

黒い光が集まり、俺の目の前に5体の悪魔が召喚される。こいつらは5体1組の悪魔であるが、その分弱いというわけでもなく、間違いなくこの場で最強の悪魔だ。

 

…まあ、フロストシリーズなのでかなり見た目が可愛らしいのが問題といえば問題だが。

 

 

『『『『『ヒーホー‼︎』』』』』

 

 

フロストファイブが次々と悪魔達を虐殺していく。

 

 

「ちっ、100近くいるんじゃないか?」

「そんなことより集中なさい‼︎」

 

 

JP's局員達も、うまく連携して悪魔達を倒していく。

 

 

「くっ、広いところならメタトロンで一気に焼き尽くすところだが…」

 

 

新宿の道が狭過ぎてメタトロンが召喚できないのだ。他の高レベル悪魔も大き過ぎて召喚できないパターンが多い。

 

 

「(今度もう少し悪魔を調達しておくか。幸い保有数は特典のおかげで上限がない)」

 

 

そう、俺の悪魔召喚プログラムは神様お手製の特別製である。それ故に、元こそゲームでの悪魔召喚プログラムではあるが、様々な制限が解除されている。その一つが悪魔保有総数の上限であった。

 

つまり、俺はいくらでも悪魔を保有できるのだ。

 

 

「ん?」

 

 

その瞬間、悪魔たちが逃走を開始する。

 

 

「逃すものかよ‼︎ フロストファイブ‼︎ デカラビア‼︎ パズス‼︎」

 

 

俺は追撃を開始する。倒しきれないにしても、なんとかしてここで出来るだけ数を減らさなければ…‼︎

 

 

「うっ…」

「おいしっかりしろ‼︎」

 

 

背後を見ると車から放り出されたらしいJP's局員が呻いていた。腹に車の部品が刺さっていて、血が止まらないようだ。

 

 

「…ちっ」

 

 

デカラビアを残して悪魔を戻し、負傷したJP's局員に駆け寄る。

 

 

「しっかり意識を保て‼︎ 死んだら治せるものも治せなくなるぞ‼︎」

 

 

俺は両手を負傷したJP's局員に向ける。

 

 

「≪常世の祈り≫」

 

 

治療系魔法スキルが発動し、負傷したJP's局員を癒していく。

 

 

「あ、ああ…」

 

 

部品が抜け、傷口が塞がっていく。

 

 

「足を確保してください。JP'sに戻ります」

「は、はい」

 

 

俺はケータイを見る。

 

 

「(あのタイミングの良すぎる電話…それにまるで予言のような的確な指示…まさか)」

 

 

俺は≪火炎無効≫をセットしていない。スキルを持っていてもセットできなければ効果を発動できない以上、車の炎上で死んでいた可能性は限りなく高い。

 

つまり、それは…。

 

 

「俺の、死に顔動画が、届いていた?」

 

 

それは死の予告。死に際の映像。死に顔動画ニカイアから送られてくる予言動画である。

 

 

「死んでいたかもしれない…俺が?」

 

 

ならあの新田さんの慌て具合も理解できる。

 

 

「そうだ、新田さん」

 

 

俺は新田さんに電話をかける。

 

 

『八神君⁉︎ 大丈夫⁉︎』

 

 

新田さんには珍しく、大声で俺の無事を確認する。

 

 

「ええ、車は見事に吹き飛ばされて炎上してますが、この場にいる全員なんとか生きてます」

『よ、よかった〜』

 

 

新田さんの気の抜けた声がケータイ越しに聞こえてくる。

 

 

「…もしかしてですけど、死に顔動画ニカイアですか?」

『あ、うん…車が爆発して燃え上がって…』

「…了解しました。徒歩で戻ります。電話ありがとうございました」

 

 

電話を切る。車で死ぬ予告をされている以上は車での移動は危険だ。

 

 

「…はぁ」

 

 

思わずため息が漏れた。

 

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エンド

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