見たこともないイナズマイレブンのゲームを見つけたのでやってみることにする   作:アギト

3 / 3
四ヶ月ぶりですね!!!!!
急に筆が乗り、キリのいいところまで書けたので投稿します。その内こっそり誤字修正してます。



>>3

 

 

 

 

 「ずっと、聞きたかった事があるんだが」

 

 練習を終え、ユニフォームから私服に着替えていると、行きも絶え絶えだった源田がふとといった様子で不動に話しかけてきた。

 まさか源田から話してくるとは思わず、不動は「は?」と目を見開く。源田はスポーツドリンクを全て飲み干した後、乱暴に口元を拭いでから不動に向き直った。

 

 「不動は何処か悪いのか?」

 

 「てめぇ本当に頭がイカれたか?」

 

 いや、この場合は目か。眼科を進めようか。

 何処をどう見たらそんな判断をするのか。今までサッカーをしてきたというのにどうしてそんな発想に至るのか。これが天然か、と不動は戦慄した。二度と関わりたくない。

 そんな不動の面倒臭がりように気にも留めない源田は「いや」と至極真面目に話を続けた。

 

 「だって不動、よく病院に出入りしているじゃないか」

 

 「…………」

 

 そう言われて、不動はぐっと喉に詰まる。

 源田の言う通り、不動は船が止まる度にある病院に頻繁に足を運んでいる。たとえ過酷な特訓が終えた後でも、不動は病院に通う足を止めない。その姿を源田はたまたま見て、そして気になったのだろう。

 急に口を開かなくなった不動を、源田は不安そうに見つめた。もし本当に病気ならば、止めなければならない。このままサッカーを続けたら命に関わるだろう。

 しかしそんな源田の不安を他所に、不動はハッ、と鼻で笑った。

 

 「ンなこと関係ねぇよ、テメェには。もう話しかけてくんな」

 

 「だが……」

 

 「うっせぇんだよ!」

 

 それでも尚めげずに声をかけてくる源田を一蹴し、不動は荒々しく部屋を出ていく。

 遠慮なく足音を鳴らしながら歩く不動を、すれ違うチームメイトが訝しげに睨む。元々雷門中を潰す為に結成されたチームだ、仲の良し悪しも関係ない。だからチームメイト達が睨んできても、不動は全く傷つかない。

 

 「おい、何処へ行く」

 

 誰もが不動と関わらない中、不動の目の前に立ったのは最近チームに入った佐久間だった。

 佐久間は不機嫌さを隠さずに不動の行く道を阻む。それは不動からして見れば煽るようにしか見えず、不動は目を細めた。

 

 「テメェには関係ねぇだろ」

 

 「病院か」

 

 「……」

 

 何でテメェも知ってんだよと言いかけたが、そういえば彼はよく源田と行動を共にしている。となれば、源田が見たものは佐久間も見ていると同義と思った方がいいだろう。

 堪らず舌打ちを零し、佐久間の問いに返答せずに彼の横を通り過ぎる。佐久間の肩にぶつかるのも忘れない。

 

 船は物資調達の為に何回か停まる事になっている。今回も物資調達の為に、近くの港に船を停めていた。

 見張りらしき者達に一言二言伝えてから不動は船を降りる。この時期は夕方の時間帯はこ寒く、半袖シャツの不動にとっては少し辛いが、今更船に戻って羽織るものを持ってくるのも面倒なので、寒いまま行くことにした。

 もう見慣れた道を歩き続けてやって来たのは、この街に建てられている総合病院だ。人も疎らな中、不動は病院内に足を進める。

 病院に入り受付に向かうと、顔馴染みのナースが不動の姿を収めて「いらっしゃい」とにこやかに笑った。それに不動は何も反応せず、一瞥しただけで受付を通り過ぎる。

 エレベーターを使い三階まで一気に上がる。到着し、途中車椅子の老人とそれを押している看護婦と入れ替わり、彼は澱みなく足を進めた。

 やがて彼はとある病室に足を止めた。プレートには「303」そして、その下には病室にいる入院患者の名前がプレートに彫られている。

 

 「……」

 

 ノックもせずに不動は引き戸を横に押した。

 部屋に入ると窓が空いているのか、凪いた風が不動の頬を撫でる。カーテンが風邪によってはためき、テーブルに乗っている生け花はゆらゆらと揺れている。

 そして、それら全ての傍には介護ベッドがあり、そこには一人の少年が、人工呼吸器と点滴に繋がれて眠っていた。

 伸び切った茶髪に雪のように真っ白な肌。目を開けると宝石のように輝く銀色の瞳が印象的な──何処か、不動と顔立ちが似ている少年の姿が。

 

 「……」

 

 前回来た時と全く変わっていない光景に、不動は何度目か分からない溜め息を吐く。

 そして彼は、また希望を抱くのだ。大丈夫だ。アイツらに、雷門中に勝てれば、この人は目覚めるのだから。

 だからこんな虚しい気持ちになるのも、もう終わる。そう信じて。

 

 介護ベッドの上で死んだように眠る少年の名は、「不動晄斗(あぎと)」。

 二年前、突然の交通事故により昏睡状態となった──不動明王の実の兄である。

 

 

 

 

 

 

369:名無しの配信者です

つまり纏めると

 

ママンと明王が夜逃げしたあと、父親と晄斗兄ちゃんの共同生活が始まる。

暫くは冷戦状態だったが、ある日父親が女を連れてきて「再婚する」と言う。それに晄斗兄ちゃんブチ切れ。さらに険悪な雰囲気に。

ある日学校から帰る途中に、晄斗兄ちゃんが昏睡状態にもなる大事故に巻き込まれる。轢いたのは父確定の模様。

それら全てを挟んで不動明王編(真・帝国学園編)が始まる←イマココ!

 

ってことやな

 

370:名無しの配信者です

父親のクソっぷりに笑いも起きませんでしたねぇ!

 

371:名無しの配信者です

さすがのイッチもドン引きしてた

 

372:名無しの配信者です

イッチにも人の心があったんやな……

 

373:名無しの配信者です

イッチが「なんだこのクソ親父」と言いながら操作を選択肢から入力画面に即座に変えたの好き

 

374:名無しの配信者です

自分の言葉で伝えたかったんやな、いいね

 

375:名無しの配信者です

というか主人公が死んだとか紛らわしい言い方しないでよ……慌てたじゃん……

 

376:名無しの配信者です

>>375

まぁ結果的に死んでるも同然だから気にしなくていいんじゃない?

 

377:名無しの配信者です

笑えないんじゃ……

 

378:名無しの配信者です

なんで父親が晄斗兄ちゃん轢いたのかはまだ分かってないんだっけ?

 

379:名無しの配信者です

>>378

分かってない

 

380:名無しの配信者です

でもろくでもない理由なんだろうなぁとは思ってる

 

381:名無しの配信者です

息子を平気で殺しにかかる父親だから絶対クソな理由だゾ、間違いない

 

382:名無しの配信者です

不動明王編ってことは、今ゲームってどんな感じなん?

明王ちゃんを操作してる感じ?

 

383:名無しの配信者です

>>382

操作はしてるっちゃしてるけど、殆ど指定されたところに移動してるだけで、正直操作って言われるとうーんって唸るレベル

 

384:名無しの配信者です

>>382

待望のマップ移動も直ぐ終わったしな

基本はマップ上にある場所に移動するだけ。モブに話しかけることも、他の場所に行くことも出来ないそう

今のところ病院しか行けない

これゲームかぁ!?!?

 

385:名無しの配信者です

じょ、徐々に解放されていくんやろ……色々……我知っとるぞ……

 

386:名無しの配信者です

マップ移動以外は、只管明王のイベントシーンが流れる

ぶっちゃけアニメの垂れ流し

 

387:名無しの配信者です

ほぼ九割がアニメシーンとかゲームさせる気あるこのゲーム??

 

388:名無しの配信者です

普通にアニメ見てる時もある

 

389:名無しの配信者です

なんかさらにつまらなくなった感じってこと?

 

390:名無しの配信者です

>>389

「これただアニメ垂れ流してるだけやんつまんな」派VS「なにこのゲーム新鮮で面白いやん」派でバトってる時もあった

 

391:名無しの配信者です

コメント欄それで荒れまくってもイッチが何の反応もせずにイベントシーン観てたの好き

 

392:名無しの配信者です

それにしても明王君はよく見舞いに行くなぁ

 

393:名無しの配信者です

頻繁に見舞いに来る姿に嫌われていないと知って涙が出ますよ……

 

394:名無しの配信者です

船止まる度に見舞いに態々来るから、晄斗兄ちゃんは愛されてるんやなぁ

 

395:名無しの配信者です

突然別れたからね、仕方ないね

 

396:名無しの配信者です

明王ちゃんはただ見舞いに来るだけ?

 

397:名無しの配信者です

>>396

暫く丸椅子に座って晄斗兄ちゃんの顔を見つめるだけで帰ってる

 

398:名無しの配信者です

早く帰らないと船行っちゃうから仕方ない……

 

399:名無しの配信者です

船に帰ってきたな

 

400:名無しの配信者です

(^o^)<うわぁーっ!

 

401:名無しの配信者です

影山待ち伏せしてるの草

 

402:名無しの配信者です

なんで待ち伏せしてるのぉ……こわいぃ……

 

403:名無しの配信者です

これには明王君も不機嫌そう

 

404:名無しの配信者です

 

影山「遅かったな」

 

明王「関係ねぇだろ」

 

影山「また兄の見舞いに行っていたのか」

 

明王「……」

 

405:名無しの配信者です

影山知ってるんだ

 

406:名無しの配信者です

>>405

そりゃ知ってるだろ

 

407:名無しの配信者です

 

影山「来週、雷門中が愛媛に来る」

 

明王「……!」

 

影山「計画を実行する、分かっているな?」

 

明王「……そっちこそ分かってんだろうな?」

 

408:名無しの配信者です

なんかこの不動、アニメのように狂気的な笑みを浮かべてないよな

 

409:名無しの配信者です

あれエイリア石のせいで感情が歪められてるんじゃなかったんだっけ?

 

410:名無しの配信者です

元々明王ちゃんはあんな感じやぞ

 

411:名無しの配信者です

 

影山「……」

 

明王「雷門中を完膚無きまでに叩き潰したら……俺の願いを、叶えてくれるって」

 

影山「ああ、勿論だ。だが、完膚無きまでの勝利だ。それ以外は失敗とみなし、お前の願いを叶えるという約束は無くなる」

 

明王「分かってる。……ぜってぇ潰してやる」

 

412:名無しの配信者です

この明王ちゃんアニメよりピリピリしてないですかね?

 

413:名無しの配信者です

アニメより余裕は無さそうな気がする

 

414:名無しの配信者です

これも晄斗兄ちゃんの影響なのかな

 

415:名無しの配信者です

ここまで雷門中をぶっ潰すっていう意志の強さはアニメでは見られなかったかな

 

416:名無しの配信者です

そのまま殺しに行きそうなくらい殺伐としてる

何があったんや……

 

417:名無しの配信者です

明王ちゃんの願いってなんだと思う?

 

418:名無しの配信者です

俺を強くさせてくれとか?

 

419:名無しの配信者です

>>418

それであんなにピリピリすんのかな

 

420:名無しの配信者です

晄斗兄ちゃんを目覚めさせてくれとか?

 

421:名無しの配信者です

>>420

それだ

 

422:名無しの配信者です

そこまで好感度高いかな……

 

423:名無しの配信者です

でも可能性としては一理ある、

 

424:名無しの配信者です

それにしてももう雷門中戦か

 

425:名無しの配信者です

これ、アニメより過激な戦いになるのでは……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 不動晄斗は、七年前に生き別れた実兄である。

 晄斗はとても笑顔が似合う少年で、明王の我儘にもよく聞いてくれる、たまに落ち着いた姿が垣間見える不思議な兄だった。不動はそんな兄が大好きで、よく一緒にサッカーを強請ったりして兄と遊んでいた。それくらい仲の良い兄弟だった。

 しかし、上司の失敗を責任を負わされ、多額の借金を背負って我が家に帰ってきた父親と、その父親のせいで家庭が崩れ去り、父親を強く恨むようになった母親のせいで、不動と晄斗は幼くして生き別れてしまった。

 不動は深夜、突然母親に連れて行かれた。必要最低限の荷物を無理矢理持たされて、不動がいくら抵抗しても、母親は無理矢理不動を連れて家を出ていった。晄斗に別れの挨拶も、顔を見ることも出来ぬまま。

 そのせいで母親と壁が出来てしまい、現在も険悪な空気が家に漂っている。そんな家に帰る気も起きず、最近は薄暗い路地裏や誰もいない公園のベンチに野宿し、母親がいない隙を伺って帰るという生活が続いていた。

 大切な兄もいない、息が詰まる苦しい人生。そんな人生に、さらに非情な現実が不動の心に突き刺さる。

 

 

 晄斗と生き別れになって五年が経った。中学生になった不動は、この日も家に帰らずに学校周りをブラブラと歩き回っていた。今日も母親は家にいる。さすがに制服のまま野宿する訳にもいかないので、母親が眠った隙をついて家に帰る予定だ。

 帰宅途中のサラリーマンやOL、学生達に混じって信号待ちをしていた時だった。ぼうっと前を見つめていると、ふと、対面側で信号待ちをしている人物に目が行く。己の同じ色の長い茶髪を一つに纏めている、銀髪の瞳を持つ少年。学校帰りなのか学生服を身にまとい、無感情で横断歩道を見つめている。

 不動は彼に既視感を覚えた。何故なら、不動の兄は彼と同じく銀色の瞳を持ち、長い茶髪の髪を伸ばしているからである。幼い頃の記憶とは少々落ち着き過ぎていると思うが、心做しか顔立ちも己と似ているような気がして、不動は不躾ながらもジッと相手のことを見つめてしまった。

 その視線に気づいた相手が顔を上げ、不動と視線を交差させた。すると、相手がみるみる内に目を見開かせる。まるで、二度と会えないと思っていた家族に会ったかのような反応を見せる彼に、不動の疑念が確信に変わっていった。

 間違いない、彼は、アイツは──。

 

 「──!」

 

 彼が叫んでいる。不動の名前を呼んでいる。

 間違いない、彼は晄斗だ。五年前に生き別れとなった兄だ。

 やっと会えた。色々と話したい事があるのだ。あれからサッカーが上手くなったとか、実は料理にも興味を持ち始めたとか、この生活が辛いとか、色々。

 信号が青になる。その瞬間、不動は駆け出した。晄斗も同時に駆け出して来る。もう少し、もう少しで兄に届く。やっと会えた最愛の兄。己だけに残った唯一の家族。これからは色々と話して、サッカーをして、遊んで、一緒に暮らして、そんな幸せ溢れる未来のことを想像していた不動は、気づかなかった。

 

 「明王ッ!!」

 

 晄斗が笑顔を浮かべておらず、必死の形相で不動に手を伸ばしていることに。

 

 

 

 

 

 

 気づけば不動は尻餅をついて呆然としていた。

 周りは阿鼻叫喚となっており、人々の怒号と悲鳴が響き渡っている。火薬の臭いと血腥い臭いが不動の鼻を擽り、不快になる。

 遠くから救急車とパトカーのサイレンが聞こえてくる。誰かが不動の肩に触れた。大丈夫かと聞かれている。大丈夫?何が大丈夫だ?さっきまで自分は、兄との再会を。

 よく見ると、足元に真っ赤な液体が流れている。その液体を視線で辿ると、横転したトラックと、そのトラックの傍で倒れている血だらけの少年がいた。長い茶髪の髪を一つに結んでいる、不動とよく似た顔立ちの少年が、倒れている。

 

 「……ぇ、に、ぃ……?」

 

 その少年は兄の晄斗だった。

 どうして晄斗が血だらけで倒れている。どうしてこんな凄惨な現場となっている。どうして、どうしてどうしてどうして。

 混乱している不動の耳に、耳障りな声が入ってきた。その声の方に顔を向けると、見覚えのある記憶より草臥れた男が、通行人達に取り押さえられながら喚いていた。

 

 「やったっ、やったぞ明奈!これで俺は君と一緒に生きていける!あ、あはは、はははははッ!?明奈!明奈!明菜ああああ!!」

 

 彼は不動の父親だった。借金を抱えた、惨めな父親だった。

 その父親の発言からするに、この事故を、そして、晄斗をあんな目に遭わせたのは、まさか。

 気づけば、晄斗は救急車に運ばれ、不動は警察に保護されていた。

 そして、狂いながら涙を流している父親だった男は、警察に連れていかれ、二度と不動の前に姿を現すことは無かった。

 

 

 

 

 

 晄斗は病院に搬送され、後に大手術が行われた。

 その間、不動は待合室で警察の質問に何とか返答しながら兄の手術を待った。

 手術を待つ間は生きた心地がせず、看護婦に咎められても飲食や睡眠を取らずにずっと、ずっと晄斗が帰ってくるのを待った。

 手術が始まってから何時間経ったのだろう。長い時間だった気がする。眠気も限界まで来て、意識が朦朧としてきた時、ついに手術中のランプが消えた。

 中から主治医と看護婦達が数人現れ、不動の前に立つ。

 

 「君は……彼の、ご家族かな?」

 

 「ッ兄だ!なぁ、兄ちゃんは……!?」

 

 思わず不動は主治医の胸ぐらを掴み、兄の容態を聞く。看護婦が止めようとしたが逆に主治医が看護婦を治め、看護婦は渋々と後ろに下がった。

 主治医は焦る不動の肩に手を添えて、「落ち着いて聞いてくれ」と一拍置いて、不動にとっては絶望とも言える真実を告げた。

 

 「君のお兄さんは──もう二度と、目覚めないかもしれない」

 

 

 打ちどころが悪かったらしく、これ以上手を尽くしても、後はどうしようもないらしい。もう、奇跡を信じるしかないそうだ。

 点滴と酸素マスクに繋がれている兄。今では包帯は解かれているものの、当時は至る所に包帯が巻かれていて見ていられなかった。

 兄の酷い姿に、不動は運命を恨んだ。どうして自分だけがこんな目に遭うのだろうか。己と兄が、何かしたのか。どうしてこんな酷い目に。

 これから、兄と幸せな日々を過ごせると思っていたのに──。

 

 「なんで、だよ……」

 

 悲しみと憎しみに満ちた呟きは、誰も拾ってくれない。

 それから二年経った今も、兄の晄斗は一度も目覚めてくれなかった。

 

 

 

 

 晄斗が事故に遭った日から、不動は欠かさず晄斗の見舞いに訪れた。学校帰り、休みの日、全ての暇な時間を見舞いの時間に宛て、面会終了時間ギリギリまで晄斗の病室に居座った。おかげで病院内にいる殆どの看護師と晄斗の手術を担当した主治医とは顔馴染みとなっており、時折小話を話してくる程の仲となった。

 死んだように眠る兄の顔をただ見つめるだけの生活。もしかしたらふとした時に目覚めるのではないのかという希望も最初はあったが、一年も経てばその希望はボロボロに無くなっていた。

 ──どうすれば、兄は目覚めてくれるのだろう。見舞いに来る度に考える。何をすれば兄は目覚め、不動に笑いかけてくれるのだろうか。不動と一緒にサッカーをしてくれるのだろうか。

 ずっと答えが出ないだろう疑問──だが、この疑問に答えを導いてくれる人物が、彼の前に現れた。

 

 「お前の兄、不動晄斗を目覚めさせたくはないか?」

 

 いつも通り、見舞いの帰りの時だった。既に母親は眠っているだろうと憶測し帰路についていた時、突然その男は不動の前に現れた。

 サングラスをかけている長身の怪しい男。最初は警戒していた不動だが、男のその言葉に動揺する。

 

 「私の力を使えば、お前の兄を目覚めさせるなど簡単なことだ」

 

 ──本当に?

 普段ならば怪しむだろう。しかし、兄のあの姿を何度も見て、傷心し切っていた不動の心には、その言葉がすんなりと入っていった。

 この男は、兄を目覚めさせられると言った。本当なのか?本当ならば、兄は直ぐに目覚める……?

 

 「しかし、私の指示には従ってもらうぞ。私の出した条件を満たせば──お前の兄を目覚めさせる。約束しよう」

 

 差し伸べられた手は、本来なら握るべきではない。

 しかし、哀れにも希望を見出してしまった不動は、揺れ動く心の中、彼の手を握ってしまった。

 

 

 こうして不動は男──影山と契約し、影山の野望の一端を担ったのである。

 全ては昏睡している兄を目覚めさせる為。それならば、不動はたとえ闇の道に身を堕としても厭わない。

 記憶にある兄のあの笑顔を、そして兄とサッカーをするためならば何でもする──雷門中を、サッカーが出来ない体にしてでも。

 

 

 




*不動明王
お兄ちゃん大好き人間。アニメより剣呑としている。アニメでは影山に取り入ろうとしていたが、今作品では兄を目覚めさせるために影山に従っている。
影山の甘い蜜に誘われて雷門中絶対潰すマンと化している。誰か止めないとこいつ染岡以外も再起不能にする気満々なので結構精神状態がやばい。お兄ちゃん早く起きて。


*影山零治
おっ良い駒はっけーん☆(冗談)
鬼道をさらに最高傑作にしてくれそう(建前)なので誘った。

*源田・佐久間
病院に通う不動を気にかけている。

*不動の父親だった人
アニメではどんな人かは分からないから完全に捏造。クズ男にした。
実は精神崩壊してる人。妻と息子のひとりがいなくなって愛に狂ってしまった。今は牢獄の中で愛人と息子達と妻の名を叫んでいる。こわい。

*スレ民
まだ不動と晄斗が実は事故前に会っていたことも知らないし、不動が影山の命令に従う動機も知らないし、不動が結構やばい事も知らない。しかし察している民は何人かいる。

*イッチ
淡々とゲーム進めてる。

*不動晄斗
(¦3[____]スヤァ……
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