連載休止 僕たちのカルデア アスクレピオスと女の病 作:里見レイ
あれからの数日は、怒涛の忙しさだった。アスクレピオスとブーディカは一晩で結婚式の座席表を作成、ダ・ヴィンチは衣装と式場の準備。イアソンは当日以外は暇なので色々な現場に顔を出して茶化して怒られている。そして、彼の隣には必ずメディア・リリィがいた。
「全く、天才にも作業速度っていうものがあるんだよ。ほんの数日でこれだけの設備や装飾をほぼ一人でやるのもなかなか厳しいね。もう一人くらいアシスタントを用意してくれないかい、マスター君?」
よく分からない火花をまき散らしながらネモ達を走り回らせるダ・ヴィンチ。手と口が別に動かしているというレベルでは無くなっている。
「孔明は今、書類作業をやらせているし、メディアも現在特殊術式をやってもらうからなあ。力仕事要因なら当てがかなりあるけど、そうじゃないよね」
「うーむ、メディア。リリィ君はイアソン君が貸してくれそうにないし。アスクレピオス君は主役だしなあ」
「お困りのようですね。微力ながら、お助け致しますよ」
ここに来て、若干静かな男の声がする。ダ・ヴィンチとは、まあまあ縁のある人間だ。
「やあ、パラケルスス君。素材周回は終わったのかい、ってマスター君がいるから終わっているか」
「ええ、キャスターアルトリアさんも笑顔で出迎えてくれましたよ。一時はどうなる事かと......」
「はは、君は少女への優しさが尋常じゃないからね。少女たちの精神のか弱さを理解している君は、彼女たちからしても頼りがいがあるってもんだろうな」
「まあ、そうでもないですけどね。ところで、何かお手伝い出来ますか?」
「そうだ。ここの衣装用に合成繊維が足りなくてね......」
ゴニョニョと相談を始める二人。もう、現場の心配はなさそうだ。
「......ふう、ひと段落かな」
それを見たマスターは胸をなでおろす。そして、そのまま現場を後にした。
「もしもし、マシュ。こっちは何とかなりそうだけど」
『はい、先輩。会場設営及び当日の進行の確認は全て完了いたしました。これより、裏作戦コードN遂行の為指定地Mへの合流を図ります』
素早く通信を切ったマスターは足早に自室へと駆け込むのだった。
「......ったく、お前の隣でのんびりするしか仕事がないというのも考え物だな。たまに僕自身の存在意義を忘れそうになる」
「それでいいでしょ。夫婦で話しているのに他の事を考えていたら嫉妬しちゃうから」
医務室隣の二人の部屋。ゆったりとお茶を飲むアスクレピオスとブーディカ。二人の心地よい距離感は数日前と変わっていない。
「けど、こうしていると僕たちの結婚には色々な人が絡んだって思い出せるな。あれから時間はあんまり経っていないのに」
「そうね。マスターは勿論、カルデアの主要な方々が色々動いたみたいだし」
「明日の式で連中が何を話し出すのか、案外心配なんだよな」
「茨木童子には酒呑童子が挨拶分の監修が入っているから大丈夫よ。後の面々にも、一人以上監修やサポートが入っているから事故は起こらないはずよ」
「誰かの酔いが酷くなければ立派な式になりそうだな。これで大惨事になったら、マスターの計画が崩れるかもしれない訳だしな」
「......ちょっと、一人で話に行かなきゃいけない気がしたの。行ってきていい?」
いきなり立ち上がるブーディカ。若干心残りがあったのかもしれない。
「......」
無言で彼女を見つめるアスクレピオス。彼女の意図を汲んでいる。
「......なら、これを渡してくれ。暫く、あいつに会う顔がないからな」
一冊の本をブーディカに渡すアスクレピオス。何時ぞやに、ある人物から借りた本だ。
「了解。貴方の気持ちも含めてちゃんと伝えておくから」
全ての考えを理解したブーディカすぐに頷く。
二人の結婚式まで、残り十八時間。
湧き出るアイデアと詰まる続編。そして、リアルで迫る数々のミッション。時間配分や計画性皆無の里見は、妥協と手抜きの言葉を知らずに全てを中途半端に全力を出す羽目に。
ちょっと、ただでさえ「じゃない王」って自虐しているんだからたまには良いとこ見せなさいよね。
次回、里見散る。無敵の雪崩業務!
はい、遊戯王のあれやろうとして深夜の頭が回りませんでした。
アンケートお願いいたしまあす。
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