連載休止 僕たちのカルデア アスクレピオスと女の病 作:里見レイ
気長に更新しまーす。
賑やかだった。多くの者が笑顔だった。それを見た長尾景虎、特にもう思い残りはないはずなのに顔が曇る。
「......」
視線の先にいるのは新郎のアスクレピオス、ではなくカルデアの功労者ネロ・クラウディウスだった。
「......」
「どうしたのだ、景虎殿? 宴にしては思い詰めた顔をしておるが、相談くらいは乗るぞ」
佐々木小次郎がそんな彼女を見てやって来た。トレーニングルームを取り仕切ってはいるが、彼は本来ネロと同じ待遇を受けても可笑しくない貢献度だ。そんな彼は、独自の立場からカルデアを考えて行動している。ならば、小次郎は景虎に考える節があったのだろう。
「いえ、貴殿もある程度は察しているでしょう。マスターの一言により、若干この式場に殺気が漏れ出しているのですよ。恐らく、暫くは修羅場も度々発生するでしょう。で、その中心になりそうなのはあちらの皇帝殿なのです」
「ふむ。あの
「で、今彼女が話しているお相手。私の勘が正しければ、その面々で大掛かりな作戦を決行してくると思うのです。一見縁がない方々ですので」
彼女の表情に覇気が戻りつつある。己の幸せやら何やらとはまた別に、カルデア全体を危惧している。
「......あちらの女子らがどの漢に惚れているか拙者は存ぜぬがな。出撃の機会などで話す場面もあるだろう。人間関係に着目しておくとしよう」
首を軽く傾け、湯呑を片手に取る小次郎。景虎に協力を約束し彼女から離れた。
「......一人で闇を抱えるのは、良くない事です。しかし、複数人で闇を放出させた場合はどうするつもりなのでしょうか? その多大な闇を受け止め切れる舞台が、このカルデアにあるとは思えないのでしょうけどねえ」
景虎も焼酎を一口飲む。彼女は傍観者か、それとも賢者か。はたまた、新たな事案の裁定者となるのか。まだ彼女自身も予想が出来ていない。
「お主も分かっておるだろう? 意中の者を隣に置くには余りにも恋敵が強すぎる。少なくとも、味方が多すぎるのだ。つまり、余たちも手を組むべきなのだ!」
溢れんばかりのカリスマオーラ全開でひそひそと提案をするネロ・クラウディウス。話相手は紅白の花飾りを付けた巫女くのいち、アサシン・パライソである。
「......何を功労者殿が仰っているか存じかねますが、功労者殿は拙者と同盟を組もうと仰っておるのでしょうか? そして、内容は次のカルデアでの婚儀の主役の座って事ですか?」
酒を飲む手つきが妙に色っぽいこちらの少女。ネロほどではないが、彼女もまた人理修復に携わった古参メンバーである。
「然り。お主も彼を自分の物にしたいだろう? 今回の新郎新婦に圧力をかけて、余の陣営に引き込むことが出来ればお主も奴より優位を取ることが出来るぞ」
皇帝の政治手腕は、会議中以外の方が必要とされる。こまめな根回しや脅迫など日常茶飯事の世界で生きてきた彼女にとっては、少女一人陣営に引き込むくらい朝飯前だ。
「申し訳ありませんが、拙者はまだ婚儀の事は......」
「早くしないと、奪われてしまうぞ?」
「!?」
若干重みの増した危機の通告。歴戦の忍びである彼女も、流石に動揺を隠せなかった。
「......あのお方は、絶対に譲りません! 承知しました、同盟締結です」
ネロの持つワイングラスにおちょこを軽く当てるアサシン・パライソ。
「うむ。お主が聡い娘で何よりである!」
ほくそ笑むネロ。彼女が力強い味方である為、あの娘より一歩前に行き安心もあるのだ。
さて、策謀の渦は皇帝の場所だけではなかった。もう一か所、暗黒炎の覇気をまとった作戦会議場があった。
まあ、彼女がこの戦線へと名乗りを上げるのはもう少し先の話である。
今回初登場したアサシン・パライソ。彼女は私がFGOを始めて三か月の頃に愛しのバサランテ、準功労者ロリンチと一緒にやってきました。
レベリングが完了していないにも関わらず有能なデバフスキル持ちなのでゲーティア戦で先発に置いたのは良い思い出です。
今度、カルデアの性能・実績のみをまとめた閑話休題を出したいですね。
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里見レイ
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