連載休止 僕たちのカルデア アスクレピオスと女の病 作:里見レイ
夕時の食堂、ブーディカを中心に複数のメンバーが手際よく料理を回し百を超えるサーヴァント達に絶え間なく食事を提供している。そんな彼女達だが、今日は若干調理に集中できていない。理由は、食堂の端にあった。
「......おかわり」
殺気とかそういうレベルでない勢いでキッチンの食料を食い尽くす乙女がいたのだ。ジャンヌダルク・オルタ(水着)である。ジークに寄り掛かって秘かな涙を流した数分後、彼女か彼を突き飛ばし逃げるようにヤケ食いに走っていた。
「何があったかは知らんが、食べ過ぎは良くないぞジャンヌダルク。悩みがあれば誰か適切な人物に相談するべきだぞ。あとは、図書館なりで求めている内容を調べてみるとか......」
「いいから黙ってて! 私はあんたには分からないイライラと戦っているんだから!」
忠告をするエミヤに対し、八つ当たり同然の反応をするジャンヌ。エミヤにとっては日常茶飯事なので気にしていないのだが、それもまた彼女をイライラさせる要因でもあった。
「どうせ、あのホムンクルスの事で気に食わない内容があったのだろう? 君は自覚がないと思うが、君たちの恋路に関してはあの医者と料理長の恋愛譚以前から話題だったからな」
「!!? どどどどうしてそんな話題になっているのよ!? 私もあいつも互いの話なんて人前でしていないはず、ただあいつがいる時に私がイライラしているだけなのに!」
「その君が彼に色々とイライラしている部分、傍から見ればただの照れ隠しにしか見えないのだよ。実際、君は彼に惚れているだろうから間違っていないはずなのだが......」
「だから黙ってて!このまんまだと、この憎悪の炎で食堂の食べ物を燃やし尽くすわよ!」
ツンデレは、こじらせると他人に被害をもたらす。彼女はそのリスクを身をもって示してくれている。そして、エミヤはその様な女性に対してもある程度心得がある。
「それは困るな。君に始末書を書いて貰うような事をしては彼も悲しむ。引き下がるとしよう」
こうして、エミヤはキッチンへと戻った。
そんな彼と入れ替わりで来たのはブーティカ。山盛り一杯の炒飯と一緒にだ。
「あらら、随分とご機嫌斜め見たいね。けど、愛しの彼は余りに物ショックで医務室の夫の所まで駆け込んでいるわ。一体何があったのか、私は知る由もないけどさ。明日になったら
彼女は甘やかすつもりも厳しく接するつもりもない。ただ、同じ一人の女性として声をかけているという事が大事だと思っての行動だ。
「......今夜、少しだけ時間頂戴。色々、教えて欲しいことがあるの」
炒飯を口に運びながらジャンヌはボソッとこう言った。
「いいよ。私で良ければいくらでも助けてあげる」
ブーティカは優しく微笑み、彼女の元を離れることとなる。料理長として、まだまだ仕事は山のように残っているのだから。
「あの魔女、本格的にあのホムンクルスへ求愛するようじゃな。なら、余も後れを取ってはおれぬぞ。はてさてパライソ、準備は出来ておるか?」
「はい、全て手筈通りに」
そんなジャンヌは現在誰もから注目を浴びていたのだが、ここに強く彼女を意識している者が二人。皇帝とくのいちである。
「しかしネロ殿。魔女殿の動きに便乗する形でよろしいのでしょうか? 下手な動きをすれば、拙者たちにも予定外の不祥事が訪れる気がするのですが......」
「何、心配はいらぬ。ハプニングを乗り越えてこそ、愛の女神は余たちに微笑むのだ。自信を持って受け止める心意気で大胆に動かねばな!」
若干ジャンヌからとばっちりを食らうリスクを憂うパライソとそれすらも構えるネロ。しかし、彼女たちの後ろには一人の影が。
「愛の女神、と呼ばれた様な気がするのですが......」
「き、気のせいじゃ! お主の事は読んでおらんし話題にも出しとらんぞ!」
何という事だろう、アムール(カレン)が忍び顔負けの速度でネロたちの後ろに張り付いていた。流石の皇帝もこれには動揺を隠せなかった様子。
さて、この女神は恋愛の渦の中にあるカルデアに置いてどう動くのやら......
おらあああああああああああああああ。何とかかけました。
眠いです。ただ、そろそろ更新しないとなあと思いまして。
明日もなるべく頑張ります。
里見レイ
第50話で再びメタ回をやります。アシスタントに指名はございますか?
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アタランテ続投!
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アタランテ・オルタ希望!
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メルトリリス、カモン!
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ラムダさん、どうぞこちらへ!
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マルタ姉さーん
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水着マルタ? ああ、来なかったよ。
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牛若殿!
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真夏の牛若殿!
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あべんじゃあ牛若殿!