連載休止 僕たちのカルデア アスクレピオスと女の病   作:里見レイ

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大変申し訳ありませんでした。夏の間はとにかく忙しい時期が続き趣味用の執筆がほぼできない状態でした。
今後も、忙しいですが頑張っていきます。


蠢く爆薬

「この状況から考えると、色々仕事が増えそうだよなあ。食事の提供及び彼らが抜けた事で空いている周回面々の補充をマスターに提案しないとなあ......」

 

 医務室のパソコンをカチャカチャと動かしながら考えるアスクレピオス。今回の騒動により一部のサーヴァント達が自室で待機状態の為、枠埋めを考えているのだ。

 

「このメンバーだと、変則周回やらで苦労しそうだよな。ジャックの変わりはエミヤ(殺)、ロビンの代打にエウリュアレを入れるとして......」

 

「一番の問題はキャスターね。巻き込まれでジークもパーティーから外されることになったし、システムサポーターのパラケルススも自室待機。ジークの代打役で主だったナーサリーライムも居なくなるわけだから。賢王様への負担が尋常じゃなくなるわ」

 

 横からブーディカも助言する。今回のレイシフトに関する一連の騒動で影響を受けたサーヴァントは以下の通り。

 

・ジーク&ジャンヌダルク・オルタ(水着)......デートでオルレアンに行く予定だった。ある意味最大の被害者

・ナーサリーライム&パラケルスス......ネロに妨害を受けた二人。本来は、二人でロンドンに行く予定だった。

・ネロ・クラウディウス&ジャック・ザ・リッパー&ロビンフット......今回の騒動の渦中

 

 以上の七名だ。パラケルススはロンドンでブーディカに遭遇してしまい、ナーサリーはオルレアンでジークたちと合流したらしい。

 

「にしても、ネロの協力者が未だに掴めていないのは痛いぞ。正直な話、あの皇帝の策謀のそこが知れない。下手すれば、今の間も裏で手が回って大変な事になっている可能性もあるのか」

 

「......確かに、あり得るかもね。事前に釘を刺しに行っておくのもありかもね」

 

 二人のネロに対する信頼は皆無に等しい。以前に人の恋路を邪魔したり、生前にとんでもない屈辱を受けた事もあるから当然と言えば当然ではあるが。

 

「......軽く、事情を聴いてみるか」

 

 パソコンを通信モードに切り替えて、専用の通信欄から「功労者」を選択する。

 

「......もしもし」

 

『うむ! 今はプライベートルームで休暇を謳歌している余である!』

 

 口調こそ、いつものハツラツな皇帝様だ。

 

「一つ正直に答えろ。お前は、何処まで計略を巡らせている?」

 

『......それは、どういう事じゃ?』

 

「どうせ、お前の事だから謹慎中の今でも通信機器を駆使して作戦会議しているんだろう? マスターも功労者であるお前にきつく当たれないだろうし、恋愛騒動を焚きつけた元凶もマスターな訳だからな」

 

「貴方が今も厄介事を起こそうとしていないか心配な訳だよ。結局、協力者の名前は教えてくれなかったし」

 

『......ブーディカ!? ......それに関しては、念を押されているのだ。自分は表舞台に立ちたくないから極力名前は伏せてくれ、とな』

 

「......裏切りを重ねた皇帝相手に、よくもまあそんな口約束をしたもんだな」

 

「ちょっと、アスクレピオス!」

 

「......すまん」

 

『とりあえず、今でこそ余はお主らの指示に従って居るが油断はしないで良いぞ。恋愛に正義も悪もない。世間体などもかなぐり捨てて、愛しの者を手に入れた方が勝ちなのだからな』

 

「......そうは言っても、カルデアの治安の為にも独断じみた行動は止めてくれ」

 

『うむ。お主には迷惑をかけないよう心掛けよう』

 

 そう言うや否や、ネロは速攻で通信を切った。この交渉自体が、徒労である事しか分からなかった。アスクレピオスから、ため息が自然と漏れ出す。

 

「......あの皇帝は、どうにも僕の手には負えないようだな」

 

「......私が、何とかするわ。彼女の手の内は完全には読めないけど、何とかなると思うから」

 

 この様な硬い表情をするブーディカは、結婚後初めてかもしれない。

 

「分かった。頼む」

 

 この言葉を聞くと、彼女は医務室を後にした。

 

「もしもし、聞こえるか? 余である!」

 

「はっ! 聞こえまする」

 

 その後のネロの個室。案の定、彼女は協力者に連絡を取っていた。しかし、通信機器は警戒されているので屋根裏からの会話だ。アサシンパライソなら、余裕の芸当である。

 

「それにしても、よくあの医者の目を掻い潜って帰還して来れたな。レイシフトの際も、特にダ・ヴィンチに気を留められる事はなかったようだし」

 

「忍びの裏技、っと言っておきましょうか。して、この後はどうするのでござるか?」

 

「一つ、部屋で大人しくする前に爆薬を仕込んでおいた。近いうちに爆発するだろうから、そこに更なる火種を投げ込んでくれればよい」

 

「承知いたしました。拙者も、裏で工作活動に励みまする。それでは、警戒されないうちに御免!」

 

 風のように屋根裏から人気が消える。自分は、つくづく良い協力者に恵まれたと思うネロ。

 

「......こちら、コードネーム信濃。対象は既にカルデアの人間関係に起爆剤を投入したそうです。はい、そうです。あの皇帝は今後も自分の為だけに功労者として権力を振るうでしょう。ええ、あの女が起こした騒ぎには便乗いたします。しかし、奴が犯人だという証拠も同時にバラ撒くつもりです。はい、ではお気を付けて」

 

 耳元に手を当て、高速で移動しながら誰かと通信をするアサシン・パライソ。彼女に、皇帝と共に結末を迎えるつもりはない。

 この忍びの行動は、事態を収束させるのか混沌とさせるのか。それは、まだ誰にも分かっていない。




 アサシン・パライソは、本格的に今回の騒動のキーマンとするつもりです。彼女の想い人に関してはまだ伏せていますが、既に登場済みの人物とだけ言っておきましょう。
 では......

第50話で再びメタ回をやります。アシスタントに指名はございますか?

  • アタランテ続投!
  • アタランテ・オルタ希望!
  • メルトリリス、カモン!
  • ラムダさん、どうぞこちらへ!
  • マルタ姉さーん
  • 水着マルタ? ああ、来なかったよ。
  • 牛若殿!
  • 真夏の牛若殿!
  • あべんじゃあ牛若殿!
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