連載休止 僕たちのカルデア アスクレピオスと女の病   作:里見レイ

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やりたいことがあって、爆速で執筆しています。


受信 訪問 提案

 さて、医務室に腰を掛けるアスクレピオス。カルデア全体に通知されているスケジュールにもう一度目を通し、本日の業務の順番を考える。

 

(現在はイベントがなく、クエストは概ねページ周回の為の曼荼羅出陣か。あのホムンクルスはやはりメインメンバーに選出されている。最近の出撃頻度を考えるとそろそろストレスが溜まって来る頃合いだろう。となると、少々メンタルカウンセリングの準備をしておかなければな......)

 

 本棚から精神医療の書籍を取り出すアスクレピオス。ここには、近現代の心理学者によるストレスへの対処療法が書かれている。彼本来の専門分野ではない為、手順書等が若干必要になるのだ。

 

『速達メッセージを受信しました。送信元、トレーニングルームです』

 

 しかし、本を読み込む時間はなかった。ぐだ男がダ・ヴィンチに頼んで作って貰った、通知機能と自動表示機能の搭載された特別なメールがやって来たからだ。彼には急患などの緊急メッセージが良く届くので、この機能を医務室用のパソコンにつけて貰っている。

 

「! 不測の怪我でも起きたのか!? どんな傷なのか早く見せろ!!」

 

 アスクレピオスは移動用医療セットを即座に抱え、メッセージに目を通す。が、新たな症状への期待は一瞬にして崩れ去った。

 

「......長尾景虎? 今すぐ会いたい? 何故こんなプライベート全開の内容を最重要メールで送りつけた!?」

 

 普段ならパソコン画面を叩く勢いで閉じる彼だったが、本日は少々事情が違う。

 

「時間は、まだあるな。まあ、スケジュールは前倒しにしても問題ないな」

 

 今日は朝から色々と盛り上がるな。そんな直感ワードが脳裏によぎったこの医師だった。

 

 

 

「何の用だ? 流石のお前でも、こんな公私混合なメールを送って来るとは予想外だったぞ」

 

 呆れた口調のアスクレピオス。トレーニングルームに入るのは実に一年ぶりに匹敵する。

 

「はて、私はそんなに真面目ではないですからねえ。私もここに来て結構長い身ですし。貴方もお暇だったでしょうし良いではありませんか」

 

 トレーニングルームでも酒盛り(しかも医務室に来た時の三倍)をしている景虎。もしや、昨日は自分の部屋でなくトレーニングルームで寝ていたのではないかと疑うレベルである。

 

「......用件は何だ?」

 

「実を申し上げますと、恥ずかしながら怖い夢を見てしまいましてね」

 

「は?」

 

 このざる酒乱が怖い夢を見た如きで自分を呼ぶことがあるのか。ましてや今は朝、あまりにも急な上に常識外れなのではないだろうか。アスクレピオスの混乱は増すばかり。

 

「貴殿に、嫌われる夢を見てしまいました。私の我儘に堪忍袋の緒が切れてしまったようで。まあ、その我儘っていうのが相当貴殿にとって驚く内容だったのは確かです。だから、何かと自己消化できず動くこともできず貴方を直接お呼びした訳ですよ」

 

 理屈があるのかないのか分からない事情を話し、結局のところ「顔を見たい」というだけの行為だったのかもしれない。景虎の言動に前々から疑問のあったアスクレピオスだが、先ほどの食堂で概ね理解した。

 

「はあ。僕はお前を嫌うようなことはないと思うぞ。お前が僕に対し安心感と信頼を持っているが故のハチャメチャな行為だという事は分かっているのだからな」

 

 話が前に進まなそうだったので、ここでアスクレピオスは自分の目的を果たす。自身の夢の話は、語る必要はないだろう。

 

「! ......ま、まあ。そうですね。私は貴殿に全幅の信頼を置いてますから。ですので、それを分かった上で一つお願いを聞いて頂きたくて」

 

 ニマっと笑顔を見せつける景虎。何かを企んでいるようにも見える。

 

「今度、マスターに許可を取ってレイシフトしませんか? 貴殿も別の場所の薬草とかの採取に行きたいでしょう。その護衛として私が同行するのですよ」

 

 彼女の顔は、あれだけ吞むんでもちっとも赤くなっていない。それどころか、その目は完全に戦闘状態の時の戦士の表情となっていた。

 鋭い眼光で、何か裏がありそうな提案をする景虎をじっと見つめ返すアスクレピオス。その答えは......

 




人、というか生物の信頼感情ってどのように表れるのかなかなか分からない印象があります。まあ、今回のストーリーでもアスクレピオスの信頼感情への認識の掘り下げから物語を構成していきたいなって思っております。
一回当たりのボリュームが少ないかもですが、これが限界なのでご了承下さいませ。

感想お待ちしております。
里見レイ

次にアスクレピオスが診る 恋の患者は(アドバイザーとして関わります)

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