連載休止 僕たちのカルデア アスクレピオスと女の病   作:里見レイ

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お久しぶりです。少しずつ頑張ってます。


大蛇への野次馬

 あれから、ほんの数分経った頃だっただろう。追加で全体放送が流れた。

 

『事件だ! トレーニングルームが功労者ネロ・クラウディウスにより占拠された! 監督官の佐々木小次郎も倒されてしまったらしく、現在は完全に彼女の立てこもり地点と化したようだ!』

 

「! これは、下手したら私にも火の粉が降りかかるかもですねえ」

 

 この放送を聞いて驚いたのはトレーニングルームの副監督官である長尾景虎だ。ネロが何か行動を起こすとは予想していたが、場所は完全に予想外である。

 

「......皇帝はんも急いでおりますなあ。娘はんの反乱に乗じて間を置くことなく行動とはないと思いますのに」

 

「恋は盲目というからのう。昨夜の襲撃失敗を受け強硬手段に出た可能性はありうる。しかし、奴の行動はこのカルデアでの己の地位を地に落としたがな!」

 

「......皇帝さんは、愛しのお方を誘拐はしていないのね。それは評価するべきだけど、その行動は下策だわ。何か予想外な事件でもない限り、こんな大立ち回りは出来ないはずよ。けど、とても寒気がするわ。錬金術師様の身に何かなければいいけど......」

 

 酒吞童子、茨木童子、ナーサリーライムはこの放送を受け三者三様の反応を見せる。しかし、その中でもナーサリーの様子が徐々におかしくなる。

 

「緑のアーチャーさんは、このままじゃ皇帝さんの愛を抑えきれない。可哀そうな恋敵さんだって、皇帝さんが呼応したと知ったら自分の立ち位置が危うくなることくらい知っているはず。何かがおかしいわ。今回の事件の犯人であるはずの二人の意志が別方向に向いていて、その裏にそれぞれ真の協力者がいるとしか思えないわ......」

 

「......この事件、確かにあの手この手でしていた二人にすれば粗が立っているのか? 今までも、強制レイシフトやホムンクルス暴走とかなり荒療治な気がするのだが......」

 

 皆の会話を聞いていたジークはこう尋ねる。

 

「......分からない。けど、あの娘っ子同じくこの誘拐・占拠の事件には裏があると思うわ。第三の人物がこの騒動に乗じて一人勝ちする可能性はあると思う。候補は、全く見当がつかないけど。男か女かも分からない......」

 

「そうか。俺には、この騒動の全体がこんなに複雑だという事を能で理解できない。一体、何故ここまで大事になってしまっているんだ? 医者の時は噂はあれど物理的な大事にはなっていなかったはずだぞ?」

 

 答えるジャンヌダルク・オルタ(水着)に対し、ジークは更に疑問をぶつける。

 

「二つの恋路が、対象となる男たちに意見を聞かないまま交錯したからね。マスターの根本的な時間制限や行動制限が彼女達には意味をなしていないわ。正直なところ、団体戦になった時点でこのような大惨事は避けられなかった。長引くかどうかは分からないけど、このカルデアが大きく動揺するわ......」

 

 双剣を構え、ジャンヌは戦闘準備に取り掛かった。恐らく、パライソを単独で沈めるつもりだろう。それを横目に酒呑童子・茨木童子も武器を構え、更にセイバーランスロット、牛若丸も準備をした。

 

「色々まどろっこしくてイライラするわ。けど、これだけのメンバーでかかればすぐ片付くはず。ジーク、あんたは万が一に備えてそこにいて。こんな時に、傷つくあんたは見たくないから......」

 

 ゆっくりと膝を曲げて体に炎を宿した常夏の魔女。ちらりとジークの方を向いた表情には、不安と使命感と愛おしさが滲み出ていた。

 

「行くわよ! 突撃!」

 

 彼女の掛け声と共に、カルデア歴戦の戦士たちが立て籠もり現場へと進撃する。しかし......

 

「!!? 何で、邪魔してくるのよ。」

 

 彼女らの目の前に現れたのは無数のホムンクルスと一人のくノ一、そして長髪の男だ。

 

「......」

 

「決まっています。今回の事件は『誘拐』ではなく『逢引』だから。拙者はこの錬金術師様と秘密裏なひと時を過ごす予定で御座ったが、致し方ありますまい」

 

 言うまでもない、アサシン・パライソとパラケルススだ。

 

「誰にも邪魔はさせませぬ。何かの間違いで戦闘部隊が出撃する事態に発展してしまいましたが、これはむしろ好機。拙者たちの愛の力で、全て跳ね返して見せましょうぞ......」

 

「......」

 

 既にネロと組していた事案に関しては否定をすることも無く、何かを振り切ったかのように臨戦態勢の様子。パライソは完全に宝具を展開させているし、パラケルススのホムンクルスもかなり数を揃えている。

 

「ジャンヌ、大丈夫なのか......」

 

 ジークは、次々と巻き起こる事態に呆気にとられる。物語は、まだまだ泥沼の中だ。




 若干迷走しかけています。理由は簡単、どんでん返し的な部分は既に考えている一方で結末が一切検討にないからです。
 ただ、意地でも書き終えたいので少しずつでもやっていきたいですね。
 
 アンケートも、新しく加えます。感想や評価もお待ちしております。

 里見レイ

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