連載休止 僕たちのカルデア アスクレピオスと女の病 作:里見レイ
「......つまり、この一連の騒動は自分の方が長く彼と一緒にいたのに先手を打たれたという焦りから来た強固言う手段という事か?」
「うむ。少々手荒だったかもしれないが、それだけ余は弓兵を求めておるのだ。今回のトレーニングルーム占拠に関しても、奴が来てくれると思ったのだが......」
「......」
完全に体力が消耗したアスクレピオスは、ようやく真相の一部を見た気がした。そして、裏側の真実にも一歩踏み入れた気がする。
「奴の本気が知りたい。いつもユラユラしている奴が、血相を変えて余の隣に駆け寄って欲しかった」
ネロの持つ大剣は、一切の微動をせずに宙を突き刺している。彼女の並々ならぬ覇気が、この剣にも伝導して恐ろしい熱を帯びているみたいだ。
「しかし、奴は来なかった。何処にいるのか知っておるのか?」
「......一応、自室にいるはずだ。ただ今回の騒動で、ジャック・ザ・リッパーが護衛目的で彼の部屋の中に入っているかもしれないな」
「くっ!......何もかも遠回りではないか!」
ネロがやけになって描く大掛かりな剣の軌道。精彩さもつい先ほどと比べて大きく欠けている。
「......いくつか質問がある。僕たちの行動は基本的に分かっていたようだが、その理由はアサシン・パライソの情報収集と秘かに仕込んだ盗聴器か?」
「そうだ。盗聴器は、管制室とトレーニングルームくらいにしか仕掛けていないがな。奏者の部屋や食堂の話などはすべてあの忍びから聞いた」
「......二つ目、今回トレーニングルーム占拠のきっかけとなったパライソからの報告の内容は?」
「確か、『拙者たちの計画が完全に判明してしまったようです。ここは、秘密裏に処理される前に表に打って出ましょう。恐らく、対象もそれを見て何かしら行動を起こすはずです』って言ってたかの?」
「......最後の質問だ。パラケルススの部屋の前にお前らの真夜中の襲撃作戦に関する密告の書が書かれていた。これについて知っている事を話せ」
「えーとな。『ジャック・ザ・リッパーが、我らの事を密告した。錬金術師様の部屋の前に告発書類を置いた』みたいな話は聞いたな。あとは、知らん」
「そうか......」
アスクレピオスは、事情を聴いているうちに裏でコッソリ自分の体力を回復させていた。お陰で、あと数分は彼女の剣捌きにも耐えることが出来るはずである。
「君が如何に彼を愛しているかはよく分かった。こちらとしては機会の平等性に歪みはないと思っていたが、そこも君からすれば違かったことも分かった。だから、正式な話し合いの場を設ける。一度静まってくれ」
宝具もしっかりと準備し、最悪の事態も想定した。流石に、これ以上の身勝手は功労者であろうと処罰の対象になる恐れもある為ここで鉾を納めて欲しい所。
「......」
「頼む。お前が他のカルデアに出張してコミュニケーションを取ってくれている事に関しては寧ろ感謝が必要だ。だからこそ、対外の顔となりうるお前を処分してはいけないんだ。このまま暴走が続いたとして、ロビンフットがお前を選んだ場合でも、彼の立場が悪くなるんだぞ」
「......平等な場所で、奴に最後の決断を問いたい。用意をせよ」
周囲の魔力が急激に静まっていく。結局、応援は間に合わなかったが何とかなったようだ。
だんだん、一話当たりのボリュームを増やそうかなと考えています。
やはり、作品は量も大事ですし小分けにしても更新が遅くなるだけですので。
定期投稿にした以上は、そのほうが良いかなあと思いました。
感想、お待ちしております。
里見レイ
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