連載休止 僕たちのカルデア アスクレピオスと女の病 作:里見レイ
サブキャラ多数。
「さてと、メモはこんなもんだろう。彼が字を読めるようになったのは本当に感謝しかないな」
合計三冊の「精神医療」に関する本とある程度の専門用語を別個で解説するためのメモを用意し終えたアスクレピオス。
ジークにキャストリアのカウンセリングを頼むという事に不安は多少ある。しかし、彼はカルデアに来てから識字を始め数多くの教養を身に着けた。今回のカウンセリングも彼の大きな成長に繋がるという期待があるからこその選択である。
「ふむ。ジークが来るには少し時間がありそうだな。他の研究や書類作成をするには余裕がなさそうだ。......あ、そういえば」
少し横に置いてある景虎から借りた本へおもむろに手を出す。そして、その本を己の膝元に置いたその時だった。
「アスクレピオス! ちょっとヘルプいいかしら? 今技術部で新研究の実験をしていたのだけど、爆発事故が起こってしまったの。だから、緊急で治療が必要になったわ」
突如として医務室に突撃してきたのはメディア。恐らく、彼女は魔術関連で新研究に関わっていたのだろう。
「ダ・ヴィンチと孔明が若干の火傷を負ってしまったのよ。あと、爆発に伴い軽い毒ガスが出てしまっている可能性もあるわ。頼める?」
「分かった。すぐに向かう」
手元の本を机の上に置き、治療用セット一式その他を持ち立ち上がるアスクレピオス。今度こそ医療の実践仕事であるので、少々だが興奮もしているのだ。
唯一の彼の過ちは、精神医療関係の本も机の上に置いてあったことだろう。しかし、カルデアの被害を考慮すると当たり前ではあるのだが。
急ぎ足で実験現場へと向かうアスクレピオス。荷物が若干多いので、保冷材はメディアに持たせている。
「ん? ナーサリー・ライム?」
その途中、二人は童話の少女とすれ違った。彼女の目的地が医務室だと知る由もなく。
「さっき忙しそうにしてたから勝手にお邪魔するわ。ホムンクルスさんの代理なの。彼が借りたいお友達はどれかしら?」
入って早々ぐるりと医務室内を見渡すナーサリー。そして、四冊の本とメモ用紙を発見した。
「この子達ね。さあ、早くホムンクルスさんと見習い魔法使いさんの元に届けなくっちゃ」
見つけた本達を両手に抱え、いそいそと医務室を後にするナーサリーだった。
「お待たせ! お医者様からの届け物よ!」
そして、ここはキャストリアの個室。彼女はジークから「相談に乗る」と言われた直後にはち切れんばかりに泣き出してしまったのだ。その為、ジークは個室から出歩くことが出来ずに代理として同じ全体キャスターのナーサリーに本を持ってるように頼んだ次第である。
「すまない。助かったよ。では、この本を参考にしながら君を元気づけたいと思う。カウンセリングについては初めてだが、全力でやるから宜しく頼む」
ナーサリーから一冊本を貰い、早速ページを開く。成り行きでぶっつけ本番となってしまったが、それでも彼の覚悟は決まっていた。
「さて、まずは目次から君の症状にあった治療を......ん?」
貰った本を開くや否や、彼は首をかしげることとなる。
「どうしたの、ホムンクルスさん?」
「やはり、私はもうダメなのでしょうか?」
不思議がるナーサリーとキャストリア。ジークの右手には、アスクレピオスのメモとはまた違う紙切れがある。
「えーと、『医師殿。私は貴殿に対し男女の観点において特別な想いを寄せております。出来れば、サーヴァントとしての第二の生における伴侶として、私をこれから貴方と同じ部屋で生活を送ることを望みます。返事に関しましては、いつでも構いません。貴殿が私と所帯を持つ準備が出来上がった際にお声をおかけください。毘沙門天に誓い、貴方をお守りいたします。長尾景虎』こ、これは、どういう意味だ?」
まだ文字を覚えたばかりのジークにとって、この文章の語彙は些か難しかった。
「え、えーとですねえ」
と、ここでつい先ほどまでテンションダダ下がりだったキャストリア。少し顔を赤らめて発言。
「景虎さんが、アスクレピオスさんにプロポーズしたラブレターなのかと......」
彼女の口調や声の抑揚から考えるに、どうやら泣きわめくような精神状態からは脱却した模様。
「あらー! これはとっても嬉しいことね! お医者様の返事によってはお祝いをしなくちゃだわ!」
無邪気な子供か、噂好きの奥様か。どちらにもとれる反応をするナーサリー。
「???????」
そして、事態の唐突な変化について行けないジーク。
こうして、ジークによるキャストリアのカウンセリングは予想外の方向で終わり?を迎え予想外にもほどがあるビッグニュースを発生させることとなった。
はてさて、こっから事態は急速に進行することっとなります。
近々、登場サーヴァントのここのカルデアだけでの情報を書き入れる回とか考えてます。
具体的には聖杯の有無や役職とかですね。
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里見レイ
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