アイデアが湧きすぎて逆にどう進めるか迷ってたところに忙しいシーズンがはいりすっかり更新しなくなってました…申し訳ない
これからは別の新小説の特訓も兼ねてコツコツ更新していきたいと思います。
こんなに長い間待っててくれた方々、見たいと言ってくれた方々。ありがとう。作者、応援してくれる人がいる。その事実で頑張れるよ。
今回の話は昔書いてたものを完成させたものなので、おかしい点。誤字がありましたら教えて下さると嬉しいです。
これは数年後、少しだけ先の未来のお話。長い間続く僕たちの中の、とある日常のひとコマのお話。
「最近、折紙ちゃんに避けられている気がする」
「どうしたんだよこんな急に」
天気のいいお昼。友人の自宅の庭で穏やかな日差しに照らされながら僕はそんな事を呟いていた。
現在中学生になった僕だが、あれから特に大きな変化を迎えるわけでもなく、順当に中学生ライフを謳歌している。
一応弁解しておくといつもこうして暇してる訳じゃない。昔と同じように折紙と一緒に居る事が多いのは勿論、士道や琴里と遊ぶ事だってある。
その為こうして僕は悩みを相談しようと、数少ない友人である五河士道の自宅へと遊びに来ていた。
まあ、そんな友人は呆れた目で僕を見ているわけだが
にも関わらずなぜ僕が今こうしてぼーっとしているのかというと、それは約一週間前、僕が折紙ちゃんのお家に遊びに行った時にまで遡る。
その日僕はいつも通り折紙ちゃんの家に遊びに来ていた。
週末はいつもどちらかのお家にもう片方が遊びに行って2人でのんびりと雑談しつつ何かをする。これが昔から続く僕と折紙ちゃんの日常だ。
時々、士道達と遊んだり、琴里ちゃんが遊びに来ることもあるけど、基本的にはそうしている事が多い。
中学生にしては大人びてるとは自分でも思うけど、そうしてるのが心地良いのだから仕方ない。
だからこうして今日も折紙ちゃんの家に遊びに訪れているのだが……
チャイムを鳴らしてから数分。未だに反応がない。
ふーむ…もう一度鳴らしてみるか。
ピーンポーン!!
「裕里です。折紙ちゃんいますか?」
更にしばらく待っても返答がない。…おかしいな。いつもならすぐどたどたとした足音と共に笑顔で折紙ちゃんが扉を開けて出てくるのに。
そんな事を考えながらもう数分待っているとそーっと扉が開けられる。
「あ、折紙ちゃん。遅かったね、大丈夫?」
「え、う、うん。大丈夫…だよ?」
折紙ちゃんは少し余所余所しい様子でそう言ってくる。よかった、顔色も良いし体調が良くないとかでは無さそうだ。
「あ、でもね。今日はちょっと遊べなさそうなの」
「あ、そうなんだ?」
「う、うん。ちょっと、えっとその…あ、そう!お母さんのお手伝いをしないといけないの」
…これは明らかに何かを隠してるやつですね。これでも長年幼馴染やってるからね、これくらいはお見通しだよ。
まあ、何かを隠してるみたいだけど、きっとそんな大したことでもないでしょ。今日は大人しく帰るとしますか。
「なら仕方ないね、今日は帰るよ。ばいばい、折紙ちゃん」
「あ…うん、ばいばい」
「そんなに気にすることか?折紙だって忙しい事くらいあるだろ」
「いや…これだけじゃないんだ…」
ここだけを見ると考え過ぎだと思うだろう。僕も最初はそう思っていたさ。でも…
「あ、今日も遊べないの…ごめんね」
「えっと、今日はお母さんからお使い頼まれて…」
「今日はえっと…その……忙しくて」
と、ここ一週間ずっとこんな事が続いている。最後に至ってはもはや理由すら思いつかなくなってるし、何か僕に隠し事をしているのは間違いないだろう…
「うーん…確かにそれはそんな事思っても仕方ないかもしれないな…」
「だろ……?もしかして僕、嫌われた……?」
「なわけないだろ」
と呆れ顔で言われる。いや、確かに否定して欲しかったのは否定しないがそんな顔で言わなくてもいいだろ。
「はぁ…でもなんでだろう…」
「気にし過ぎだって、それにさ、祐里。もしかしたらその隠してることが悪いこととは限らないだろ?」
「そう…だな。ありがとう士道。今日はこれくらいで帰るよ。悪いな」
相談にのってくれた士道に礼をいい、我が家へと歩いていく。気づいたら太陽は落ち、空は僕の気持ちのように真っ暗になっていた。
士道はああいってくれたけど本当にそうだろうか。本当は隠してることなんか無くてただ単純に僕のことを嫌いになったんじゃないか。
どうしてもそんなネガティブな思考が頭に浮かんでしまう
…僕…何か嫌われるようなことしちゃったかな……?
ずっと……折紙ちゃんを守ってきた。守ろうとしていた。守ってきたと思っていた。
不良に絡まれそうになっている時は守ってきたし、
ずっと、折紙ちゃんには僕が必要だと思っていた。僕が彼女を守るのが当たり前で、折紙ちゃんもそれを望んでいるとそう思っていた。
……だけど、それは折紙ちゃんにとっては迷惑だったのかもしれない。
全部僕の思い込みで、彼女には僕なんて元々必要無かったのかもしれない。
……帰ろう。
「わぷっ、ごめんなさい!って祐里くん?」
「折紙…ちゃん……?」
「な、なんでここに…」
「僕は士道の所に行ってた帰りだけど…折紙ちゃんこそ、どこ行こうとしてたの?」
「私はちょうど裕里くんのとこに行こうとしてたんだけど…」
「僕のところに?」
「うん。ちょっと話したいことがあって」
話してたこと…きっと隠してたことだろう。
「丁度いいや。僕からも折紙ちゃんに話したいことがあったんだ。聞いてもらってもいいかな?」
「うん…いいけど…」
ずっと悩んでいてもどうしようも無い。きっとここで話さなければ何も解決しない。…だから僕は
「ごめん!!!」
「僕が何かしたなら幾らでも謝るよ…だから、折紙ちゃんが僕を避けてる理由を教えてくれないかな…?」
避けられている理由が分からない以上、僕に出来ることはこれしかない。これで許してもらえなければ僕に出来ることは泣きながら布団の中でいじける事だけだ。
とそんなくだらない事を考えながら真摯に頭を下げる僕を他所に折紙ちゃんは何かを考えている。
おそらく僕を許すかどうか考えているんだろう。
…怖い。まさか誰かに嫌われるかもしれないって言うことがこんなにも怖いことだとは思ってもみなかった。
そうしている間に折紙ちゃんの中で考えはまとまったようで「よしっ」と言いながらポケットから何かを取り出している。
僕も覚悟を決めないといけない、と心を強く持つ。
もし許してもらえなかったとしても僕の心が耐えられるように。僕が彼女という存在を失っても耐えられるように。
「…」
「ふふっ」
「な、なんで笑うのさ!?」
「だってゆうりくんがかわいい勘違いしてるんだもんっ」
「むぅ…」
可愛いとは失礼な。こっちは真剣に悩んでいたと言うのに。
でもよかった。勘違いってことは嫌われたとかじゃないみたいだ。…よかった。
「ごめんごめん。そんなにむすっとしないで」
「…まったく。それで?いったい何をしてたのさ」
「あ、そうそう!やっと渡せる!」
「?」
渡すもの、何だろうか?特に折紙ちゃんに頼んでいたものなんてなかったと思うけど…
と、そんな事を僕が考えているうちに折紙ちゃんは深く息を吸ってから笑顔で手に持ってる物を差し出してきた。
「誕生日おめでとうっ!裕里くんっ!!」
思考が停止する。
想定した答えとあまりにも違う答えに頭が回らない。
今、彼女は何といっただろうか?誕生日…?
「もしかして…裕里くん、自分の誕生日を忘れてたの?」
口に出してないのにぎくっと声を漏らしてしまったような感じがした。そしてそれはしっかりと折紙ちゃんにも伝わっているようでこちらをジト目で見ている。
あはははは、はい…忘れてました……
そういえば僕の誕生日なんてあったなぁ…
特に気にしたことも無かったが、最近は折紙ちゃんとの事もあってすっかり忘れていた。
「もぉ〜、何で私の誕生日はしっかり祝ってくれたのに自分の誕生日を忘れてるの?」
「いや…僕にとっては自分の誕生日より折紙ちゃんの誕生日の方が遥かに大事というかなんというか……」
「祐里くんってスペックは高いのにたまに抜けてるよね」
「あはは…本当に弁解のしようもなく……」
だけどそっか…僕のプレゼントの為だったんだ…
「けど…うん、ありがとう折紙ちゃん。すっごく…嬉しい」
「うん。よかった。それじゃあ帰ろうよ。そろそろお母さん達が心配しちゃうよ」
そういってえへへ、と笑みを零す折紙ちゃん。本当に僕はこの子には叶わないなぁ。
「うん。帰ろう。…ありがと」
「えへへ、どういたしまして」
それから暫く僕たちの間に会話は無かった。けれど、夕陽に照らされる僕たちの手はしっかりと繋がれていて、そこには確かな温もりを感じた。
自分は結構シリアス系の文を書くのが好きなんですけど、ここの読者層ってどんな作品が好きなんだろう…?試しにアンケートで聞いてみますね。
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