主人公X「はぁ、はぁ、俺はもうすぐ死ぬのか。」
ここはとある病院の中。高校受験で見事第一志望校に合格し、卒業間近な彼は、不治の病にかかり、一転して「人生」を卒業することになった。
X「まさか、たった15年で死ぬとはな。俺はまた人として生まれ変われるのか。」
息も絶え絶えになり、彼は静かに息を引き取った。
in死後の世界
X「ここは…。」
目がさめるとそこは真っ暗だった。
X「なんだよ!死後の世界はこんなにも真っ暗なのか?生まれ変われる気がしないぜ!」
暗闇の中彼はのたうち回る。その時、
声「人の子よ、聞こえますか?」
声が聞こえる。それはまさに女神のような清らかな声だ。
X「?、誰だ。」
声「あなたは、大いなる使命を持っています。それは、世界を変える使命です。」
X「使命だと?」
声が途切れると、目の前に一本の白い光の道ができた。
X「これを進んでいけというのか?」
導かれるままに進んで行く。すると、だんだん暗闇が開けていき、トンネルから出るかのごとく光の出口が広がり、静かに白い光に包まれて再び意識を失った。
目を覚ますと、そこは医務室のようだ。だがさっきとは明らかに内装が違う。まるでSFの世界にある医務室のようだ。
X「あれ、ここどこだ?もしかして助かったのか?」
何が起こったのかはわからないが、とりあえず顔を洗おう。ベッドの近くの洗面台に向かう。すると、鏡には映るべき自分の顔がなかった。その顔は明らかに自分とは別人である。
X「な、何だ?病気のせいで顔が変わったのか?いや、そんなことは。」
少し混乱したが、落ち着きを取り戻して考える。
X「もしかして、生まれ変わったのか?ならどうして前世の記憶が残っているんだ?」
首を傾げて考える。すると、突然医務室のドアが開き、医者らしき人と、1人の美しい女性が入ってきた。
医者「よかった、織斑君気が付いたのですね!」
女性「一夏、大丈夫か!」
織斑君?一夏?もしかして今の俺のことか?じゃあやはり転生したってことか。まてよ、て事はここはIS(インフィニット・ストラトス)の世界なのか?すると彼女が織斑千冬か。
千冬「よかった、一夏。本当に手のかかる弟だな。」
一夏「・・・・。」
千冬「・・・、一夏?どうしたんだ?」
うーん、何と言ったらいいのか、まさか生まれ変わりましたなんて通じないだろうしな。ここはとりあえず記憶を無くした事にするか。
一夏「あの、あなたは一体?」
千冬「っ⁉︎一夏?」
医者「どうやら想定した以上のことが彼の身に起きたみたいですね。」
千冬「先生、まさか。」
医者「彼は爆発により脳にかなりの衝撃と損傷を受けていました。生還してもある程度の記憶障害は出ると思っていましたが、どうやらほぼ完全に記憶を無くしているみたいです。ここまでくると、もう手の施しようがありません。」
千冬「そ、そんな。」
ショックを隠せない千冬。そりゃそうだよな。
医者「こんな事を言うのはなんですが、どうか現実を受け止めてください。本来なら死んでもおかしくない状態から助かっただけでも奇跡なのですから。」
千冬「・・・・・。」
静かに医務室を出る千冬。その背中を見て主人公X、否、一夏は申し訳ないと思った。
一夏「とりあえず元気を出してもらわないとな。これからの事もあるし。」
とりあえずベッドから立ち上がり、医務室を出る。あの様子だと恐らく屋上に出ているだろう。
屋上に出ると、やはりそこには千冬がいた。
一夏「あの、すみません。」
千冬「一夏、起きて大丈夫なのか?」
一夏「千冬さん、でしたっけ。こんな事を言っても、気休めかもしれませんが、元気を出してください。」
千冬「一夏、そうだな。生きていてくれただけでも喜ぶべきだな。改めて、私は織斑千冬。お前の姉だ。」
一夏「よろしくお願いします、千冬さん。」
千冬「千冬さんはよせ、寂しいではないか。」
一夏「じゃあ、姉さんで。」
千冬「シンプルだな、まあいい。あと、敬語はいいぞ。」
一夏「わかったよ、姉さん。」
千冬「ふふっ、何だか新鮮だな。(我が弟ながら以前よりいい男に感じるな。)」
こうして、織斑一夏として転生した彼は、新たな人生を歩むのであった。