IS Brotherhood   作:magnumheat

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獅子身中の虫

千冬「・・・なるほど、確かにそれは妙なタイミングだな。」

 

クラスト「カイムの治験死と教育実習生の派遣が同日に起こっている。幸い一夏とネロは気付いているようだが、皆を混乱させぬ為か、他の者には黙っている。折を見て我から皆に伝えよう。」

 

教育実習生が来校する日、クラストは千冬に一夏とネロの疑問を伝えていた。

 

千冬「とりあえず今は予定通り教育実習を行う。何かあれば私も手を貸すことにしよう。」

 

 

Side12神座

 

タウロ「報告いたしますクリーオス様、ダリルは無事にIS学園に着いたそうです。」

 

クリーオス「ふむ、計画通りだな。」

 

タウロ「しかし、あの小娘一人で大丈夫なのでしょうか?」

 

クリーオス「問題ない、奴は一夏達やクラストに爪痕を残す為の捨て駒。ここまでくればもう用済みだ。」

 

タウロ「・・・・。」

 

タウロは不思議そうな顔をする。

 

クリーオス「(さてダリル、お手並み拝見といこう。)」

 

 

 

Sideダリル

 

空港に着いたダリルはバスや電車を乗り継ぎ、IS学園に到着する。

 

ダリル「さて、とりあえず学園には着いたわ。」

 

ダリルは受付を済ませて校内に入る。

 

 

Side一夏

 

予期せぬ事態を予測した一夏、ネロ、千冬は専用機一同にジル、山田先生を臨時に呼び出し、状況を説明する。

 

アルゴス「つまり、今日来る教育実習生が何か起こす可能性があると言う事か。」

 

箒「しばし静かな時が続いていたが、またしても災厄の時が来るのか。」

 

レベッカ「でも、考えすぎじゃないの?海外の事件と実習の日が偶然同じだからって。」

 

ジル「何もないんならそれが一番だけど、その、クラストとか言ったかしら?何か起こりそうなのは本当なの?」

 

一夏「今呼び出しますんで。(クラスト、皆に説明を頼む。)」

 

一夏が心の声で呼ぶと、クラストが思念体となって現れる。

 

山田先生「この人が、クラスト、さん?」

 

山田先生は呆気にとられる。

 

ジル「へえ〜、いい男じゃない。」

 

ジルは一目で気に入ったようだ。

 

ビリー「姉貴、惚れっぽいとこあるよなあ。」

 

ジル「マイヤーズ、何か言ったかしら?」ゴゴゴゴゴ

 

ビリー「・・・いえ、失礼しましたマイヤーズ先生。」ビクビク

 

ネロ「とりあえず、今日行うべき事としては、教育実習生の監視と、万が一の事態に備えての対処だ。俺たち以外の生徒に悟られないよう、平生を装うんだ。」

 

鈴「成る程ね、確かに相手が一人だからって油断は出来ないわ。」

 

シャルロット「戦闘体制は整えておかなきゃね。」

 

ラウラ「教官、その教育実習生とはどのような者なのですか?」

 

千冬「学園の卒業生の一人でダリルという。実力は更識に勝るとも劣らない。」

 

簪「お姉ちゃんに並ぶ人・・・。」

 

弾「それは要注意っすね。」

 

レオ「でもよ、クラスト。災難が起こるの知ってるなら何か対策立てられるんじゃないのか?」

 

セシリア「全てを話されてもよろしいのではなくて?」

 

クラスト「それはいずれまた話そう。一夏とネロはともかく、エクトル、アルゴス、お前達にも後に為すべきことが降りかかる事になる。」

 

エクトル・アルゴス「・・・・・・。」

 

クラストは意味深な言葉を残し、一夏の身体に戻った。

 

一夏「まあみんな、ややこしい話で悪いけど、今日は警戒を怠らないでくれ。」

 

専用機一同「ああ。(はい。)(うん)」

 

程なくしてダリルを迎えた教育実習が始まった。

授業内容は機体の操縦術である。

 

山田先生「皆さん、今日は卒業生のダリルさんを教育実習生に迎えての授業です。」

 

ダリル「改めて、ダリル・ケイシーです。よろしくお願いします。」

 

生徒たちは彼女を拍手で迎える。彼女からはこの学園で学んだことや、今現在通っている大学の事について話を聞いたりしていた。一方専用機一同はなるべくダリルと長く視線を合わせず、悟られないようにしていた。

 

一夏「(今のところ変わった動きはないようだが・・・・。)」

 

ダリル「(とりあえず狙いは織斑一夏ね。あとはクリーオスから渡された新兵器を使うタイミングだけど。)」

 

ネロ「(あの表情、間違いなく何か企んでいる。)」

 

一通り授業を終えて昼食に入る。

 

「ケイシー先輩、大学はどんな感じですか?」

 

「ギリシャって、過ごしやすいですか?」

 

ダリル「そうね、ちょっとごめん、お手洗いに行って来るわ。」

 

ダリルはそう言って食堂を出る。時間差で一夏達専用機持ちは気づかれないように分散しながらダリルを尾行する。

 

 

Sideダリル

 

ダリル「(・・・・この様子じゃ、若干名は気づいてるみたいね。タイミングが悪いけどここで新兵器を使うわ。)」

 

ダリルは尾行されるのも構わずトイレに入る。そこからは箒、セシリア、ラウラ、鈴が入っていく。

しかし、そこにはダリルの姿はなかった。

 

箒「(一夏、聞こえるか?ダリル先輩がいないぞ。)」

 

一夏「(何っ、どこに行ったんだ?)」

 

その時、トイレにたまたまいた女子生徒数名がが突如苦しみだした。

 

「ううっ、うっ、あっ、」

 

セシリア「皆さん、大丈夫ですか?」

 

「何か、苦し、いっ!」

 

すると、女子生徒の身体が裂け、裂け目や口の

中から赤黒い液体がドロドロと出始めた。

 

鈴「ちょ、ちょっと何よこれ!?」

 

赤黒い液体は女子生徒の身体を包み込み、無人機の形を成していく。

 

ラウラ「これは、まさか!?VTシステムか!?」

 

かつてラウラの身に起きたVTシステムの出現に似ている。

 

形を成したそれらは一気に箒達に襲いかかった。

 

ラウラ「逃げろ!!」

 

4人は一斉に女子トイレの外へ飛び出した。

 

エクトル「みんな、大丈夫か!?」

 

一夏「先生、緊急事態です!校内に無人機が出現しました!」

 

千冬「何っ、ダリルはどうした!?」

 

箒「トイレから行方をくらましました!」

 

千冬「くっ、山田先生、生徒を全員校外へ避難させろ!」

 

山田先生「はいっ!!」

 

山田先生は校内に避難勧告を出した。

 

 

Side12神座

 

タウロ「新兵器?」

 

ビルゴ「ああ、今度の兵器はかつてのクローンパイロットや無人機ガーゴイルよりも強力なものだ。」

 

サジ「VTウィルスとベルゼビュートのデータをもとに、寄生した人体組織により形成される兵器だ。」

 

そう、ダリルが使用した新兵器、その名も「パラサイトVTシステム」、通称PVTである。

老若男女問わず人体に寄生する事で、寄生された人間はVTシステムのように無人機へと変貌する。

寄生体は黒いヒルのようなものである。

一度寄生された者は、無人機へと変貌しながら新たな寄生隊を撒き散らしながら戦闘を行い、倒されるまで戦い続け、最悪の場合、死に至る。

 

クリーオス「これでIS学園に爪痕を残しておけば、あの織斑一夏とて憎しみを抱かずにはいられまい。かつてクラストにこの身を裁かれた俺のようにな。」

 

 

Side学園

 

 

 

校内では千冬とジル、専用機持ちがPVT無人機と交戦していた。

 

弾「くそっ、キリがねえぞ!!」

 

シャルロット「とにかく倒してしまわなきゃ!」

 

被害拡大を防ぐために必死に応戦する。

 

 

鈴「ああもう、面倒なのよ!」

 

一夏「ここは大砲で一気に倒すんだ!!」

 

セシリア「はい!!」

 

一夏とネロは零落白夜光、アガリアレプトを放ち、セシリアはミサイルをありったけ放つ。

鈴は衝撃砲をひたすら射出し、校内の壁が壊れるのも構わず攻撃する。

 

長期戦の末、PVTを倒した。しかし・・・・・、

 

 

レオ「取り込まれた女の子はどうなった!?」

 

すると、PVTが溶け出し、中から寄生された女子生徒の姿が。

 

簪「・・・・息がない!!」

 

ビリー「ウソだろ、死んじまったってのか!?」

 

寄生された女子生徒達は皆虚ろな目で横たわっている。

 

千冬「いや、脈はある。気絶しているだけのようだ。」

 

エクトル「そうですか、にしてもこれは一体・・・・。」

 

結局のところ、ダリルが姿を消したその日、行方を掴むことは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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