一夏が12神座との戦いに身を投じる決意を示した事で、他の専用機持ちの皆は複雑な思いを持ちながらも普段以上の実戦訓練を行うようになった。
特に一夏、ネロ、エクトル、アルゴスに至っては、クラスト曰く超人的な力を持つが故に対12神座の切り札とされており、
ISの訓練だけでなく、通常では考えられない訓練も行うことに。
箒「本当に大丈夫か?」
セシリア「流石に危険ですわ!」
一夏「大丈夫だ、この状態なら傷はすぐ治る。遠慮せずいつも通り本気で頼むぜ!!」
シャルロット「う、うん。でも無理はダメだよ。」
ラウラ「この訓練は私でも経験がないぞ。」
一夏は、リミットブレイクで変身状態であるが、無謀にも機体を装着せず、生身の状態で専用機持ち4人を相手に戦っているのだ。これは自身の力のコントロールも兼ねて行われる訓練であり、ネロ、エクトル、アルゴスに至っても同様の訓練がなされている。
セシリアがミサイルを放てば、一夏はそれを掴んで投げ返す。
セシリア「そんな、ミサイルを投げるなんて!!」
箒の雨月や空裂の斬撃を素手で受け止めて跳ね返す。
箒「くっ、刃を素手で!こんな事が出来るのか!?」
シャルロットが弾幕を張れば瞬間移動に等しいスピードで弾丸を回避し、接近時に体当たりをする。
シャルロット「ええっ、いつの間に!? 速すぎるよ!!」
ラウラがワイヤーブレードを放てば6枚の翼でガードする。
ラウラ「この翼は意外に硬いぞ!!」
超人的な一夏の力には皆驚きを隠せない。
アルゴス「どぅおらっ!!」
アルゴスはレベッカのクエイクを右フックで弾き飛ばす。
レベッカ「キャッ!機体なしでこんな力出せるの!?」
ビリー「ならこれでどうだ・・・ってうおぉぉっ!?」
ビリーがデルタライガーで攻撃を仕掛ければ先端を掴んで投げ飛ばす。
鈴「これならどう!?」
鈴は衝撃砲を放ったが、アルゴスの蹴りで跳ね返された。
エクトル「来い!」
レオ「よっしゃ、撃ちまくるぜ!!」
レオはエクトルにテスタ・ディ・ファルコの実弾を撃つが、回避や翼によるガードで通用しない。
エネルギー弾に切り替えるも、全て吸収されてしまう。
簪「銃撃がダメなら斬撃で!」
簪は夢現で切りかかるが、素早く手首を掴まれ、受け流されてしまう。
弾「動き封じりゃ何とか!」
弾は魔葬鎖刃でがんじがらめにしようとするが、6枚の黄金の翼を羽ばたかせて起きる突風に阻まれる。
ネロ「本音、遠慮せずに来い!これはお前の操縦訓練も兼ねているのだからな!」
本音「うん、わかったよ〜!」
谷本「グルーバー君、機体なしで戦うの!?」
鷹月「危ないんじゃ。」
ネロ「心配するな、俺はかつて生身でパイロット数人を倒す訓練を受けている。」
山田先生「わかりました、でも無茶はダメですよ。」
ネロは本音の九尾狐の操縦訓練も兼ねて本音と谷本、鷹月、山田先生を相手にしている。
山田先生がグレネードを放つも、爆発をものともせずに急接近する。
山田先生「うわっ、速い!!」
谷元「同時に行けば!!」
鷹月「ガッテン!!」
谷元と鷹月が同時に斬りかかるも、パンチやキックで武器を叩き落とす。
本音「え、えーと、これだぁ!!」
本音はアビリティにより9本の尾でガードするも、ネロの体当たりにより思い切りガードが壊される。
この他にも、一夏VSネロ、エクトルVSアルゴス、といった形で機体なし、リミットブレイク状態同士で直接戦う訓練もこなす。
今までにない過酷な訓練であり、その疲労は変身を解除した瞬間に重くのしかかる。
一夏「ハァ、ハァ、ハァ、思った以上の負担だな。」
ネロ「だがこの程度で音をあげるわけにはいかない。」
エクトル「体が、重い・・・。」
アルゴス「全身に痛覚が残ってるぜ。」
千冬「しかしお前たち、本当に大丈夫なのか?」
セラフィエル「今度の相手はISのパイロット以上の存在だ。」
ルシフェウス「人知を超えた戦いともなれば、ISが通用しない事も考えられる。」
あまりに過酷な訓練を続けているため、時には4人とも医務室で一日を過ごすような事も。
その夜・・・・
一夏・ネロ・エクトル・アルゴス「・・・・・。」
千冬「・・・・・。」
4人とも医務室で深い眠りについているのを見て千冬は心配の表情を浮かべていた。
そんな時、クラストが目の前に現れる。
クラスト「こんな時間に見舞いか?」
千冬「・・・・クラスト。」
クラスト「何か話したそうだな。散歩でもしながらどうだ?」ニコッ
千冬「・・・・・。」
クラストの不意な笑顔に千冬は顔を赤くする。
クラストは一緒に歩くためにひとまず一夏の身体を借りる。
千冬とクラストは校舎周辺を歩きながら話をすることにした。
クラスト「しかしこの学園の景色はいいものだな。」
千冬「そ、そうか。」
千冬は冷静を装うもドキドキを隠せないでいる。
クラスト「一夏の事が心配で仕方がないのだな。」
千冬「・・・そこまで私は心配性じゃない。」
クラスト「千冬、今は周りに誰もいない。時には思っていることを素直に話したらどうだ?」
千冬「・・・・。」
千冬はその言葉を聞くと、そこから話し始めた。
千冬「正直なところ、一夏の事は心配で仕方がない。幼少期から見守ってきたことを思えば信じがたいほどにあいつは力を付けていく。だが、ここのところ一夏は録に相談もせず戦いに身を投じているように思えてならない。ましてや普通の人間ではなくなってしまったことには正直戸惑っている。このままあいつの人生はどうなてしまうのかと思うと・・・・。」
千冬の目には一筋の涙が流れ出ていた。
そんな千冬をクラストは抱きしめる。
千冬「!!」
クラスト「心配なのはわかる。だがあいつは決して孤独ではない。汝を始め、一夏は多くの友と一緒に、家族同然に生きている。」
千冬は感じたことのない温もりに心が揺れ動く。
千冬「・・・・・離してくれ。」
クラスト「それは出来ぬ、我は汝の心を少しでも癒したいのだ。」
千冬「・・・・クラスト、私は。(言うなら今だ。)」
クラスト「うむ、だが先に我に言わせてくれ。我は汝を愛している。」
千冬「!?」
千冬は思いがけない言葉に度肝を抜かれた。
クラスト「一夏と出会い、我は創世において、この世界を愛に満ちたものにしたいと思っている。そのためにも、千冬、我には汝が必要なのだ。」
千冬はこの瞬間、自分の想いに確信を持った。そして・・・・・。
千冬「クラスト、その、私でよければ、付き合ってやってもいいぞ。」
クールな照れ隠しをしながら彼女なりに告白をする。
クラスト「感謝する、これからもよろしく頼むぞ。」
クラストと千冬はキスを交わした。
Side一夏
一夏「・・・・う、ん。あれ、この感じ。」
目がさめると、一夏は自分が肉体から離れている事に気付いた。
一夏「クラストの奴勝手に俺の身体を!」
一夏は慌てて外に出てクラストを探す。しばらくすると、
一夏「いたぞ、ってあれ?姉さんと一緒だ。何してんだ?」
一夏は物陰に隠れて様子を見る。
そして、クラストと千冬がキスを交わす瞬間をその目で見てしまった。
一夏「・・・そう言う事だったのか。」
クラスト「おお一夏、勝手に身体を借りてすまぬ。」
千冬「!?」
一夏「げっ、気付いてたのかよ!」
千冬「待て一夏!」
一夏「姉さん、おめでとう!お幸せに!!」
一夏はそそくさと逃げ帰った。
千冬「はぁ、あの様子じゃ黙っててくれと言っても無駄だろうな。」
クラスト「観念しろ、どうせいつか知られるのだからな。」ニコニコ
千冬「う、うるさい!」
そして翌朝、一夏が千冬の恋路を伝えるや否や、学園内で大爆発が起きた。
「「「「「ええええええぇぇぇぇぇーーーーーっっ!?」」」」」
谷本「織斑先生に恋人が出来たんだって!?」
鷹月「それどんな人!?」
黛「これは特ダネになるわ!!」
学園中大騒ぎだ。新聞には、『ブリュンヒルデ、遂に恋に落ちる!!』と、でかでかと書かれていた。
アルゴス「マジかよ!あの千冬さんに恋人ができるなんてな!!」
鈴「想像もつかなかったわよ!!」
レオ「しかし相手がクラストとはな。」
箒「でもお似合いだと思うぞ。」
セシリア「織斑先生が選ばれたのなら間違いないですわ。」
シャルロット「そうだよね、ってラウラ、どうしたの?」
ラウラ「きょ、教官に恋人、教官に恋人・・・・・・。」
ラウラは多少なりともショックだったようだ。
レベッカ「だけど一夏、この事話して大丈夫なのアンタ?」
一夏「どうせいつかわかる事だし、早めに言っとこうと思ってさ。」
弾「知らねえぞ、怒られても。」
一夏「まあその時はその時だ。」
簪「じゃあクラストは一夏の将来の兄って事だよね。」
エクトル「凄い家族構成になりそうだなぁ。」
ビリー「うちの姉貴にも早く恋人ができたらいいけどな。」
一夏「(他人の心配してる場合じゃねえだろ。)」
ネロ「やはりこうなったか。」
本音「あれ、ネロロン気付いてたの?」
ネロ「まあな。」
千冬「騒がしいぞお前達!!」
一同「お、おはようございます!」
一同は気を引き締め締めて挨拶する。
千冬「まあいい、早く授業の準備をしろ。」
千冬はどこか表情が少し穏やかになった。
山田先生「織斑先生、遂に恋が実ったわけですね。」
ジル「今夜飲みにでも行かない?」
こうして、また一つの愛が生まれた。