楯無「・・・う、ん?」
虚「あれ、ここは・・・。」
気づくと、楯無と虚はどこかわからぬ無機質な部屋で椅子に拘束されていた。そんな中、数人の人物が部屋の中に入ってきた。
サジ「・・・お目覚めか、2人とも。」
楯無・虚「!?」
ビルゴ「クリーオス様から貴様らへの言伝を預かっている。」
虚「クリーオス、って事は貴方達は12神座の!!」
楯無「随分な招き方をしてくれたものね!」
リオン「おいおいそう喚くなよ。心配しなくても、お前らの愛しの恋人にすぐに会わせてやるから。」
その言葉を聞いた途端に、2人の脳裏にIS学園にいる恋人のことが過った。
楯無「貴方達、アルゴス君達に何を!?」
ビルゴ「だから喚くなって。心配しなくても、IS学園の連中は無事だ。これから潰しにかかるところだがな。」
虚「それがクリーオスとやらの言伝ってことかしら?」
サジ「その通りだ、見るがいい!」
サジのその言葉とともに部屋の壁一面のモニターに映像が映る。
アクアン「さあ、我が忠実なる信徒達よ!今こそ偽りの神のもたらす調和に終止符を!!」
信徒「・・・・はい。アクアン様、真の創世神の仰せのままに。」
アクアンが従える信徒には、修道女達を始め、その家族や恋人の男性も何百と取り入れている。
しかも全員どこか目が虚だ。
装備されたISは、束のデータをもとにビルゴが独自にシステムを手がけた量産型の高性能の機体だ。
楯無「な、何よこれ、いつのまにこんな手勢を!?」
虚「それに、子供から大人まで、しかも男性も多いわ!どうしたらここまで男のパイロットが!?」
ビルゴ「かつての貴様達の友であったダリルを覚えているだろう、あの事件の発端となったPVTシステムによって、帰省した人間の体組織をISに人工的に適合させることに成功した結果がこれだ。そしてこの量産機には洗脳システムが搭載されている。」
虚「洗脳!?」
楯無「・・・・外道ね、意思を奪ってまでパイロットを増やすだなんて。」
しばらくすると、タウロとクリーオスが中に入ってきた。
タウロ「外道とは心外だな、我々は新世界のために、この世から一切の汚れをなくさんとしている。」
虚「・・・・貴方達こそこの世の汚れではないの?」
タウロ「黙らんか!!」
クリーオス「タウロ、落ち着け。だが人の子よ、クラストと一夏の目指す調和のために、貴様らの愛する者は苦しめられたのだぞ。どれだけの惨劇に至ろうとも尚、人の子が変われるものと信ずる事に何の意味がある?」
楯無「何が言いたいのよ!?」
クリーオス「我らもまたこの世の調和を求める、だが一夏と違い、我々は完璧なる生命のみを残し、完璧な導き、支配を調和させるのが目的である。どれだけ時が経とうとも拭えぬ汚れをなくすべく、世界を新たに作り直すことこそ真の平和なのだ!!」
タウロ「わかるか小娘共、クリーオス様はクラストに代わって新たな創世の神となるお方なのだ!!」
楯無「ふん、貴方達がどれだけの事をしても、アルゴス君は倒れないわ!」
虚「弾君も、一夏君を信じています!貴方の兄弟であるクラストこそ、世界には必要です!!」
クリーオス「それほどまでにこの世が良いか?では貴様達には究極の苦しみを与えてやろう!」
すると、サジは注射器のようなものを取り出した。そしてそれを楯無と虚の専用機に差し込む。
楯無「何をする気!?」
クリーオス「貴様達も我らの僕となってもらう。」
虚「そんな、やめ、ううっ!!!」
楯無と虚の専用機にPVTシステムが組み込まれ、機体が強制的に展開された。
そして、PVTシステムにより、2人もまた、信徒同様に洗脳されてしまった。
楯無・虚「・・・・・クリーオス様、何なりと。」
クリーオス「フフフ、上等な僕が手にはいったものだ。」
数日後・・・・
一夏「ふあぁ・・・。」
一夏は珍しく朝から大アクビをする。
セシリア「一夏さん、眠そうですわね。」
一夏「いやー、実は昨夜姉さんに夜通し説教されてな。」
鈴「こないだ千冬さんの恋路をバラしたからじゃない?」
一夏「ま、まあ、そうなんだが。」
箒「大騒ぎになったのだから当然だろう。」
アルゴス「でもお前、心なしか嬉しそうじゃねえか?」
一夏「そりゃ嬉しいさ、自分の家族が増えたんだから!」
レベッカ「それにしたってすっごい兄貴ができたものね。」
エクトル「未来が楽しみでもあるけどね。」
レオ「そうそう、クラストと先生の子供とかな!」
ラウラ「き、教官の、こ、子供・・・・。(その子を教官や一夏と一緒に育ててみたいぞ!)」
簪「ちょっとレオ、気が早すぎ!」
弾「お前まで説教くらうぞ下手すりゃ。」
シャルロット「まあ何にしても、よかったね一夏。(僕も一夏との子供が欲しいなぁ。)」
ネロ「ふむ、創造主とブリュンヒルデの血を引く子か・・・・・。」
ビリー「よく考えたらすげーな、強い子が生まれそうだぜ。」
のほほん「ねーねー、ネロロンは子供何人欲しい?」
鷹月「ほ、本音!?あんた何て質問してるのよ!」
ネロ「そうだな、相手が望むだけ欲しいってところだな。」
のほほん「へー。(よーし、いつかネロロンと結婚したら、いっぱい産むぞ〜。)」
こちらはいつにも増して楽しそうに過ごしている。しかし、平穏な日々に必ず災厄が付いてくる。
TV「ニュースです、ギリシャのプロサナトリス航空大学の学生2名が、行方不明となっており、現在捜索中です。」
捜索中の2名の写真は・・・・、
一夏「!?楯無さん、虚さんが行方不明だと!?」
アルゴス・弾「何ぃ!!??」
のほほん・簪「お姉ちゃん!?」
一同「!!!!」
TV「なお、現在のところ、手がかりは一切見つかっておらず、捜、さ、く、は・・・、こん、な、ん」
突然テレビのモニターがバチバチと音を鳴らし、画面が砂嵐となった。
声「フフフ、手がかりなら私が特別に教えてやろう。」
妙な声とともに画面が付き、1人の男の姿が。
一夏「誰だ!?」
声「おっと、申し遅れた。私はピスケ、クリーオス様に仕えし12神座の一員である。この学園の通信をジャックさせてもらった。」
箒「ということは貴様が楯無さんと虚さんを!!」
アルゴス「おい、てめえら一体何の真似だ!?」
弾「虚さんと楯無さんをどうした!?」
ピスケ「狼狽えるな、あの女どもは生かしてある。」
鈴「本当でしょうね!?」
ピスケ「女達を助けたければギリシャまで来い、場所は先日設立されたノイモス学園付近だ。」
クラスト「ピスケ、貴様!!」
ピスケ「クラスト、神となるべき存在であった貴様が、よもや人の子の女と恋に落ちるとは、落ちぶれたものだな。」
クラスト「黙れ!」
ピスケ「もちろん貴様にも来てもらう。クリーオス様がお待ちかねなのでな。」
そう言って、ピスケはテレビ画面から消え去った。
千冬「話は聞かせてもらったぞ、専用機全員、出動だ!!」
一同「はい!!!!」
千冬「山田先生、マイヤーズ先生、留守の間授業を頼むぞ。」
ジル「気をつけるのよ、千冬。」
山田先生「先生、みんなもどうかご無事で。」
セラフィエル「では我々も行くとしよう。」
ルシフェウス「ああ、我が友の愛する者のために。」
こうして、彼らは再びギリシャへと赴くのであった。