楯無は意識を取り戻し、アルゴスは異形化したタウロに楯無と共闘する形で立ち向かうことになった。
タウロは洗脳が解けた楯無を見て呟く。
タウロ「・・・・どれだけの力を施そうと、所詮人の子は人の子か。道具となるにはあまりに劣っているものよ。」
楯無「あら、ごめんなさいね。道具になれなくって!」テヘペロ
アルゴス「楯無は俺の大事な人だ!誰のものにもなりゃしねえよ!!」
タウロ「ならばその小娘を貴様の冥土の土産とするまでだ!!」
タウロは両手に巨大な斧状の武器を振りかざして襲いかかってくる。
アルゴス「ぐわっ!!くそ、両腕さえ揃ってりゃ・・・・。」
楯無「アルゴス君、ひとまず私が前に出るから!!」
楯無は前線に出るが、どこか動きがぎこちない。
楯無「あ、あれ!?うまく操作できない!」
タウロ「貴様は洗脳された事によりPVTシステムに適合していたのだ。だが、洗脳が解けたことにより今の貴様は不適合なものとなっているのだよ。」
楯無は意識こそ取り戻せたが、ミステリアス・レイディにはPVTシステムがあり、洗脳状態だった楯無だからこそ適合できたのだ。
楯無「くうっ、気持ち悪い事してくれるじゃないの!!」
アルゴス「楯無、待つんだ!!」
アルゴスは急いで楯無のもとへ向かうが、
タウロ「貴様は用済みだ。失せろ!!」
タウロは巨大な両刃の斧状の武器「セキュリス」を振りまわす。
この武器は柄の両端に斧の両刃が装着されている。
楯無「ああああっ!!」
重く素早い刃が楯無の右肩を深々と切り裂く。
その衝撃でミステリアス・レイディは完全に機能停止となり、装着状態が解除された。
楯無は再び意識を失い、場外へと飛ばされる。
アルゴス「楯無!!」
Sideギャラリー
虚「楯無!!」
簪「お姉ちゃん!!」
千冬「更識!!」
エクトル「出血がひどい!すぐに手当てだ!!」
すぐに応急処置に入るも、止血が追いつかない。
本音「ど、どうしよう、血が止まらないよう!!」
一夏「クラスト、どうにかならないか!?」
エクトル「セラフィエル、力を貸してくれ!!」
クラスト・セラフィエル「ああ!!」
クラストとセラフィエルはすぐさま治癒の力を楯無に施す。
少しずつ治癒していくものの、楯無は一夏、エクトル、アルゴス、ネロとは違い常人なので回復にはかなりの時間を要する。
その上彼女の肉体にはPVTが寄生しているため、なおさら体の機能を妨げる。
クラスト「どうにか止血は間に合ったな。」
弾「楯無さんは助かるのかよ!?」
セラフィエル「それは、この女子の気力にかかっている。」
レベッカ「ちょ、ちょっと待ってよ!!助からないかもしれないっていうの!?」
レオ「おい、どうなんだ!?」
ネロ「落ち着け!!気持ちはわかるが、今俺たちにできることは、信じて祈るだけだ。」
鈴「アンタねえ、簡単に言わないでよ!!」
ビリー「そうだぜ!そんな軽いもんじゃねえだろ!!」
箒「おい、二人ともネロに怒りをぶつけてどうする!?」
セシリア「箒さんのおっしゃる通りですわ!」
シャルロット「今は楯無さんの回復を待とうよ!」
ラウラ「それに、一番苦しいのは今戦っているアルゴスだぞ!」
数名はクラストとセラフィエルに苛立ち、一方で彼らをなだめる者も。
一夏「落ち着けお前ら!!ここで言い争って何になる!?」
一夏がいつになく一喝すると、一同は黙った。
一夏「・・・・興奮してすまない。だが今はアルゴスの勝利と楯無さんの生還を信じよう。」
一同「・・・・ああ(はい)(うん)。」
千冬「まったく、あまりリーダーに世話を焼かせないことだ。」
Sideアルゴス
アルゴス「楯無、さん・・・・。」
タウロ「フン、アルゴスよ。冥王ルシフェウスの力を得た貴様ならわかるであろう。所詮人の子は弱き者だ。神々の道具にすらなり得ないのだからな!」
タウロは完全に人間を見下す言葉を吐いた。
アルゴス「・・・・・。」
タウロ「フッ、もはや言葉すら出ぬか・・・・。」
アルゴスは黙って俯くが、その顔は歯がすり減るのではないかと思うくらいの歯ぎしりをしながらこわばり、怒りに満ちていた。
ルシフェウス「・・・・アルゴス。」
アルゴス「・・・・テメェ・・・・、ふざけんじゃねえぞコラアアアアァァッ!!!」
アルゴスの目は激しく血走り、全身の筋肉が盛り上がっていく。
ルシフェウス「・・・この闘気、まだ望みはある!!」
ルシフェウスは力でアルゴスの肉体と機体を回復させる。
右腕は千切れて腐敗しているのでそのままだが、アルゴスは怒りで恐れを払いのけ、タウロに立ち向かっていく。
タウロ「ほう、これが冥王の闘気か。面白い、だが所詮我の敵ではないわ!」
アルゴスのイグニッションブーストとラッシュをタウロは全て受け流し、セキュリスで牽制する。
アルゴス「うおおおおああっ!!!」
アルゴスは先程以上の負傷をするのも構わず戦っていく。
Sideギャラリー
虚「アルゴス君、無茶はやめて!!」
簪「お兄ちゃん!!」
レオ「くそッ両腕揃ってりゃ・・・・・。」
戦況はアルゴスに不利な状態が続く。
その時、不意にラウラが膝をついた。
ラウラ「うっ、ぐっ、な、何だ!?」
ラウラは突如、体に暑さと痛みを覚える。
シャルロット「ラウラ、大丈夫!?」
シャルロットは心配するが、この症状が起きたのは彼女だけではなかった。
虚「うううっ、頭が、痛い!!」
本音「お、お姉ちゃん!?」
弾「虚さん、どうしたんだ!?」
さらには、意識不明の楯無の体にも異変が起きる。
簪「お姉ちゃん!?ちょ、熱い!!お姉ちゃんの体が!?」
三人は激しく痙攣したのち、体から何かが出てきた。
ラウラ「ぐあああああっ!!」
虚「ううううっ!!」
楯無「こほっ、ケホッ!!」
一夏「な、これは!?」
出てきたのは、禍々しい黒い液である。その液は一つにまとまり、塊となってアルゴスのところに飛んでいく。
Sideアルゴス
アルゴス「くそっ、これでもか、?、ぐあああっ!!」
アルゴスは右肩に強い衝撃と痛みを感じた。黒い塊がアルゴスの右腕付け根に吸着し、長い棒状に伸びながら形を変えていく。
そして、最終的には・・・・。
アルゴス「ん、なっ、何だよこれ!?どうなってんだ!?」
ルシフェウス「これは!?」
ギャラリー一同「!!!!」
見ると、アルゴスの千切れた右腕付け根から黒い腕が生えてきた。その形には禍々しい印象を受ける。
同時にセイリオスの右腕部分も復活し、アルゴスの肉体は復活を遂げた。
タウロ「な、貴様!PVTを取り込んだだとぉ!?何故そのような!」
アルゴス「俺に聞くんじゃねえよ!!」
すると、クリーオスが口を開いた。
クリーオス「このPVTはかつての堕天使、悪魔のデータをもとに作られている。アルゴスはルシフェルと契約して冥王となった事から、PVTがアルゴスを認めたのかも知れぬな。」
ギャラリー一同「!!??」
アルゴス「つまり、ラウラや楯無さん達を苦しめたこいつを、俺は使えるってことか!!」
アルゴスは右腕に力を込める。
タウロ「小僧、貴様もはや人の子ではないようだな。」
アルゴス「んな事はどうだっていい。この力でテメエをブチ殺してやるまでだ!!」
アルゴスはすぐさま右腕を武器にタウロに立ち向かう。
タウロ「くっ、人の子でありながら悪魔の力を使うとは!不完全なるものよ!!」
タウロはセキュリスでその腕を切ろうとするが、
アルゴス「オラアッ!!!」
アルゴスは右腕で刃をはじき返す。
タウロ「ぐぬぬ、これでどうだ!!」
タウロは思い切り前方から突進してアルゴスに体当たりを仕掛けるが、
アルゴス「おりゃああっ!!」
タウロ「ふぐうっ!?」
アルゴスは右腕をタウロの腹部にねじ込む。よろめいたところを狙い、タウロの角を掴み、へし折った。
タウロ「ぐああっ、この我が人の子に傷を負わされるだと!?」
タウロはセキュリスで応戦するが、アルゴスの腕は先程とは桁違いである。
アルゴス「まさか右腕が生えてくるとはな、この力できっちりお返しするぜ!!まずは楯無さんの分だ!!」
アルゴスはタウロに接近していき、タウロのセキュリスによる応戦にも動じずに懐に飛び込み、
アルゴス「オラァ!!もう一本!!」
タウロ「ぐああっ!!」
アルゴスはタウロのもう一本の角を折る。
アルゴス「次は虚さんの分だ!!」
アルゴスはタウロに接近し、右拳に力を込めて顔面を殴り、目玉を潰した。
タウロ「うぐおっ、がっ!!」
タウロは大きく体勢を崩す。それでもアルゴスは容赦しなかった。
アルゴス「次は弾の分だ!!」
アルゴスは残ったもう片方の目玉も粉砕する。
タウロ「ぐおおおっ!!」
アルゴス「最後は・・・・、この俺の怒りの限りを尽くした一撃だあっ!!!」
アルゴスはタウロからセキュリスを取り上げ、それを真ん中で折って斧の二刀流となり、一方の斧はタウロの脳天に、もう一方でタウロの首を切断した。
タウロ「ゴウフッ、な、が、なぜ、だ・・・・。」
アルゴス「テメェにゃ永久にわからねえよ、化け物が。」
タウロは首と胴が離れてもなお言葉を口ずさむが、そのまま息絶える。
アルゴス「いよっしゃああっ!!」
ギャラリー一同「やった!!(やりました!)」
クリーオス「ぐぬぬ、我が僕で最強であるタウロまでも。貴様らを甘くみすぎたようだ。」
クラスト「ようやく悟ったか、わが兄弟よ。」
一夏「お前の思う通りにならないぜ!!」
こうして、クリーオスの部下は全滅したが、次の戦いではどのような敵が待ち受けているのか・・・・。