今日は朝からピリピリした空気が食堂に漂っている。それもそのはず、今日は待ちに待った学年別トーナメントのなのだ。
操縦者としての実力を発揮し、認めてもらうことはもちろん、優勝し一夏とシャルルを手に入れんと皆奮闘している。(若干名を除く。)
女子生徒1「優勝したら私の恋が実る!」
女子生徒2「絶対に負けられないわ!」
箒・セシリア「(一夏(さん)は渡さない(しませんわ)!!!)」ジロッ
一夏「・・・はあ、何か喉の通りが悪いんだが。」
シャルル「それ凄くわかるよ一夏。」
鈴「朝からみんなこれだもんねー。(友人として2人を守んなきゃね。)」
箒「2人とも、腹が減っては戦はできぬぞ。」
セシリア「お二人なら十分優勝できますわ。」
一夏「そうだな、空気に飲まれてる場合じゃねえな。」
シャルル「とりあえずは試合のことに集中しよう。」
気持ちを押し殺して一夏とシャルルは食べ進める。
千冬「色恋話はその辺にしておけ!トーナメントは11時開始とする。出場者は遅れないように!!」
「はいっ‼︎」
千冬の一喝に場は引き締まった。
一夏「そういえば、箒はボーデヴィッヒさんと組むことになったんだってな。」
箒「ああ、かなり複雑だが仕方ない。」
シャルル「箒、気にしなくてもいいよ。正式な試合である以上、お互い真剣にいこうよ。」
セシリア「そうですわ、これはお互いを高め合うためのものです。」
やりにくそうにしている箒を見て、シャルルとセシリアが諭す。
鈴「2人の言う通りよ箒、剣道だって真剣勝負でしょ。」
箒「そうだな鈴、その通りだ。」
専用機持ち達は互いに真剣な気持ちを持たせていった。
午前11時、アリーナはいつも以上にギャラリーがいる。学園の関係者だけでなく、IS関連の企業や報道陣も生徒達のデータを見て今後の発展に繋げるためにやってきたのだ。特に注目は一夏である。
1回戦、一夏・シャルルペア、セシリア・鈴ペア、箒・ラウラペアは初戦を難なく突破し、トーナメントはベスト4にまで進んだ。ベスト4第一試合で、一夏・シャルルペアはあっさり勝利し、決勝まで進んだ。
ベスト4第二試合、セシリア・鈴ペア対箒・ラウラペアを迎え、アリーナの空気は騒然とする。
セシリア「箒さん、お互いに頑張りましょう!」
鈴「いい試合ができるよう全力を出すわ!」
箒「ああ!」
ラウラ「ふん、忌々しい友情だな!」
箒・セシリア・鈴「!?」
ラウラ「雑魚どもの筆頭と組まされた上に、あの男に敗れた代表候補生たちとわざわざ戦うことになるとはな!」
箒「ボーデヴィッヒ、対戦者に敬意を払わないか!!」
鈴「アンタのその余裕、いつまでも続かないわよ!!」
2人はラウラの言葉に食ってかかる。
セシリア「2人とも落ち着いてください。ボーデヴィッヒさん、確かに私は一夏さんに敗れましたが、みんなその時のままではございません!甘く見ないことですわね。」
ラウラ「ふん、力の差を思い知るがいい。あのお方(千冬)に最も近いのはこの私だ!」
しばしの口論を経て、試合開始のブザーが鳴った。
鈴「先手必勝よ!」
鈴はすぐにラウラの方に衝撃砲で攻撃を仕掛ける。
攻撃は命中したかに見えたが、ダメージはほとんど無い様子。
鈴「飛び道具が駄目なら接近戦よ!」
すぐさま接近するが、AICという停止計画に阻まれ、逆にシュヴァルツェア・レーゲンのワイヤーブレードを食らってしまう。
ラウラ「無駄だ。シュヴァルツェア・レーゲンのAICの前には物理系統の攻撃は通じない。」
鈴「くっ!」
セシリア「鈴さん!」
セシリアはスターライトmk IIIでラウラを狙い撃ち、鈴をAICから脱出させる。
セシリア「どうやらそのAICはエネルギー系統には効果が薄いようですわね。」
ラウラ「ふん、性能を見破ったところで、お前たちに私は倒せん!」
箒「(強い、かつて千冬さんにISを教えられただけの事はある。)」
ふとラウラは箒の方を向く。その瞬間、
ラウラ「戦場に足手纏いは不要だ‼︎」
箒「なっ!?」
ラウラはパートナーである箒を攻撃し、リタイアさせた。
セシリア「箒さん!」
鈴「何てことすんのよアンタ‼︎」
友人を叩きのめしたラウラに怒りを増す2人。
その後、2体1での激しい戦闘が続き、結果はラウラの勝利となった。
シャルル「一夏」
一夏「・・・。」
圧倒的なラウラの力を目の当たりにし、一夏はしばらく言葉が出なかった。
セシリア「一夏さん、シャルルさん、申し訳ございません。」
鈴「全く歯が立たなかった。」
鈴は暗い表情で唇を強く嚙みしめる。
シャルル「2人ともよく頑張ったよ。」
鈴「いいわよ慰めなんて。」
一夏「ま、こーなったら後は俺らに任せろ!!」グッ
セシリア「(一夏さん、とてもカッコいいですわ。)」
鈴「(以前とはまた違ったカッコよさね、これは反則よ。)」
シャルル「じゃあそろそろ行こうか。対策を考えないとね。」
数十分の休憩を挟み、いよいよトーナメント決勝戦。
アナウンス「これより、学年別トーナメント決勝戦、織斑・デュノアペアVS篠ノ之・ボーデヴィッヒペアを始める。両チーム前へ。」
モニタールーム
山田「いよいよですね。織斑君達は大丈夫でしょうか?」
千冬「厳しい戦いにはなるだろう。特に一夏にとってはな。まあ恐らく一夏はボーデヴィッヒとの一騎討ちに出るだろうがな。」
山田「では篠ノ之さんはデュノア君に任せるってことですね。」
千冬「その辺は見るまでもないがな。」
ラウラ「織斑一夏、ここまでよく来たと褒めておこう。だが、貴様はここで終わりだ。」
シャルル「一夏を甘く見ない方が身のためだよ、ボーデヴィッヒさん。」
一夏「落ち着けシャルル、ボーデヴィッヒさん、姉さんを超えることを目指す俺には、君が姉さんを尊敬する気持ちがよくわかる。」
ラウラ「黙れ!!貴様がいなければあのお方のモンド・グロッソ連覇は達成されていた!!」
激昂するラウラ。しかし一夏はそれには動じなかった。
一夏「まあいい、勝負だ‼︎」
始まりのブザーが鳴り、一夏はいつも通りのスピード戦法でいく。一夏には接近戦以外に活路を見いだせないため、AICに対しても果敢に攻めなければならない。
シャルルは千冬達の予想通り、すぐさま箒との一騎討ちに出て、数分で箒を仕留めた。
シャルル「ふう。(一夏、作戦通りこの後は手を出さないけど、大丈夫かな?)」
ラウラ「ふん、ブレード一本で来るとは愚かな。」
一夏「生憎これしかないんでね‼︎」
一夏は変速機動でスキを伺うも、ラウラのAICの牙城を突き破るのは容易ではない。
停止させられている間は、ラウラのワイヤーブレードによる集中砲火を浴びてしまう。
モニタールーム
山田「織斑君、やはり苦戦していますね。」
千冬「ああ。さて、これをどう打開するのか見せてもらおう。」
鈴「これじゃああたしの二の舞よ。」
セシリア「一夏さんならきっと打開策を見つけますわ。」
固唾を呑んで試合を見る2人。
ラウラ「どうした。これでは私に傷一つつけられないぞ!」
一夏「(まずい、このままじゃジリ貧だ。だが、接近しなければ奴にはダメージを与えられない。・・・!、そうか‼︎)」
一夏は何かを思いついたのか、急にラウラと距離をとる。
ラウラ「フッ、ついに諦めたか。」
一夏「誰もそんな事言ってないぜ。ここからお前を倒す!」
ラウラ「くたばり損ないめが‼︎」
ラウラはワイヤーブレードをフルに繰り出し、雪片弐型を絡め取る。
一夏「よっしゃ狙い通りだぜ!」
ラウラ「何?」
一夏はワイヤーブレードに雪片弐型を絡め取られる瞬間に、零落白夜を発動させ、雪片弐型をラウラに向かって蹴り飛ばした。
ワイヤーブレードは力強く引っ張っていたため、勢い余って雪片弐型がラウラのAICを突き破り、機体に突き刺さる。
その瞬間ラウラのシールドエネルギーはゼロになった。
この方法にはギャラリー中が驚きの声をあげた。
アナウンス「勝者、織斑・デュノアペア。」
一夏「いよっしゃあ‼︎」
シャルル「凄いよ一夏‼︎」
大勝をおさめ、達成感に浸る。しかし、この後思わぬ事態が起こる。