ネロとネロ・インテグルムの戦いから、もうどれくらい経っただろうか。
致命傷を負い、死の間際から立ち上がったネロは未だに死闘を繰り広げている。
だが、始めに比べると対等な感じになっている。
ネロ・インテグルム「ハァ、ハァ、くたばり損ないが!」
ネロ「俺はまだ死なん!一夏を残して先に逝く訳にはいかない!」
一夏「・・・・ネロ。」
ネロはどこか徐々に力を取り戻しているように感じられる。
一方ネロ・インテグルムは肉体に疲労を感じ始め、機体のペルフェクトゥスもだんだんとボロが出始めてきている。
アスモデウス「ネロ、何故だ。何故そうまでして生に執着するのだ?」
ネロ「生に執着する?違うな。俺が生きる理由を見つけたからだ。」
ネロ・インテグルム「生きる理由だと?貴様のような背徳者にそれを口にする資格などない!」
ネロ「資格など求めてない、これは俺のただの意地に過ぎない、今こそそれを貫かせてもらう!」
ネロ・インテグルム「ほざけ!ならばその心を砕いてくれる!!」
ネロ・インテグルムは武装の多さを活かし、それらを駆使してネロを追い詰める。
だがネロは、大分慣れたのか、ネロ・インテグルムの攻撃をかわしていけるようになっていた。
それだけではなく、サタナキアにも異変が。
Side簪
簪「これは、どういうことなの!?」
レオ「どうした簪?」
簪「これは、一夏の白式と同じ再生能力がはたらいてる!それに大きなエネルギー反応もある!」
弾「それって、どういう事だ?」
虚「おそらく、一夏君との戦闘経験が影響してる。」
本音「え、えっとー、どゆこと?」
楯無「まあ見てればわかるわよ!」
Sideギャラリー
一夏「ネロ、お前。」
クラスト「強大な闘気を感じる。」
ネロに生えた6枚の黒い翼が激しく羽ばたいているのがわかる。
千冬「この反応、これはサタナキアの形態移行だ!」
一同「!!!!」
Sideネロ
ネロ「何だ、サタナキアが変わっていく。」
サタナキアは散らばった装甲や武装の破片を引き寄せ、再生しながら形態を変化させていく。
その姿は、あの機体を彷彿とさせるものだった。
ネロ・インテグルム「これは!?」
アスモデウス「何だと!こんな馬鹿な!!」
それは、母アスタロトの専用機ハボリムに似ている。
ネロ「これは、母様。」
一夏「・・・・そういうことか。」
一夏は確信を得たようである。
シャルロット「一夏?」
一夏「ネロ、やっぱりお前はアスタロトに愛されていたんだ!アスタロトの愛が、この力を生んだのだとしたら納得できる。」
ネロ「・・・俺が、愛されている?」
千冬「確かに、理屈で語るより筋が通っているな。」
アスモデウス「アスタロト様、何故?」
アスモデウスは動揺する。
ネロ・インテグルム「何故だ、貴様のような出来損ないを、アスタロト様が愛するだと?」
ネロ「ゴチャゴチャ耳障りだ!とにかく俺は再び力を得たようだ、今ここで見せてくれる!」
ネロはすぐさまイグニッションブーストで接近し、ヘル・グラディウムを振るう。するとその瞬間、刀身から激しい炎が吹き出た。
ネロ・インテグルム「ぐわああっ!!」
ヘル・ジュディシウムで刃を受け止めたが、ヘル・グラディウムの炎が顔の左半分を焼き払う。
ネロ「喰らえ!」
ネロは怯んだネロ・インテグルムの顔面に至近距離からアガリアレプトを発射した。
ネロ・インテグルムの顔左半分は大きく焼けただれ、肉が削ぎ落とされる。
ネロ・インテグルム「かっ、き、貴様!!よくもこの顔に傷を!」
ネロ「ようやく俺と区別がつくツラになったな!」
アスモデウス「ええい!ネロ・インテグルム、何をしている!」
ネロ・インテグルムは激昂し、最後の力を振り絞る勢いでネロに襲いかかる。
ネロは炎を纏ったヘル・グラディウムを振りかざし、ネロ・インテグルムと激しい鍔迫り合いになる。
両者ともにおびただしい出血を伴いながらぶつかり合い、
ネロ・インテグルム「これが最後だ!死ねえぇぇっ!!」
ネロ「この炎で消し炭にしてくれる!」
お互いイグニッションブーストで正面から体当りする勢いで剣を振るう。もはや小細工は一切ない。
そして、激しい衝撃音と共に衝突した。
お互いの刃先が双方の肉体を貫く。
ギャラリー一同「!!!!」
ネロ・インテグルムのヘル・ジュディシウムはネロの心臓付近を貫いていた。
一方、ネロのヘル・グラディウムは・・・・・・・・・。
ネロ・インテグルム「・・・・あ、が。」
その刃は、ネロ・インテグルムの右目に深々と突き刺さり、刃先が後頭部を突き抜けていた。
アスモデウス「・・・・・。」
ネロ・インテグルム「な、何故だ。」ハァ、ハァ
ネロ「今一度言う、ネロは、俺一人だ!」
ネロは自分に刺さっていたヘル・ジュディシウムを抜き、それをネロ・インテグルムの心臓に突き刺した。
ネロ・インテグルムの体からは大量に血が流れ、ガクガクと痙攣した体は、そのまま動かなくなった。
クリーオス「ネロ、勝者は貴様だ。」
ネロ「・・・・・。」ネロはその場に力なく座り込んだ。
一夏「や、やったぞ、ネロが勝った!!」
一同「やったあ(やりましたわ!)(よっしゃあ!)」
クリーオス「アスタロトも所詮は人の子に過ぎなかったか。だが、そのようなものの愛が力を生むとは。」
アスモデウス「・・・・・・。」
クリーオス「アスモデウス、貴様はもう用済みだ。」
クリーオスはそう言って左手を上げると、天井から稲妻が発生し、アスモデウスとネロ・インテグルムの死体を溶かす。
溶けたネロ・インテグルムの肉体からは奇妙なものが
ネロはそれを拾う。
ネロ「これは、何だ。」
それはともかく見た目がとてもグロテスクなもので、形としては強いて言うなら果実だ。
クラスト「これは、ネロ・インテグルムとアスモデウスの肉塊からできたものだな。」
クリーオス「それを食せば貴様の肉体の劣化は完全になくなる。ここまで来たせめてもの祝だ。」
一夏「おいおい、あんな得体のしれないもの食うのか?」
ビリー「うえっ、なんだか気持ちわりいな。」
箒「こんなもの食べて本当に大丈夫なのか?」
皆がそんなことを考えていると、ガブリという音が聞こえた。
ネロ「・・・・・。」モグモグ、ゴクリ。
セシリア「ネロさん!?」
アルゴス「もう食ったのかよ!」
ネロは肉体劣化を止めると聞いてすぐにそれを食べた。
クラスト「どうやら効果は本物だ。心配ないぞ。」
千冬「はあ、それにしても人外の者にはついていきづらい。」
千冬はグロテスクな果実を食べるネロに渋い表情を見せた。
クリーオス「次の階層が最後だ。」
一同「・・・・・・。」
緊張の面持ちで第十二層へと向かう。