千冬「・・・・・。」
ベルゼビュートを目の当たりにした千冬は、その姿をじっと睨む。
クリーオス「どうしたブリュンヒルデ、ベルゼビュートがそれ程までに恐ろしいのか?」
千冬「馬鹿言え、最悪の気分になっているだけだ。こんなものがISだとはな。」
クリーオス「ほう。ならば聞くが、ISはもともと汝ら人の子が生み出した兵器であろう。我々は、今その兵器による殺し合いをしているのだぞ。」
千冬「・・・・・。」
生徒一同「・・・・・。」
クリーオス「先程『ISを冒涜している』という言葉が聞こえたが、汝らのISは兵器でありながら神聖なものでもある、とでも言うのか?」
千冬「誰もそんな事は言っていないぞ。」
千冬はそう言いながらも少し体が強張っていた。
クリーオス「人の子らよ、汝らはわかっておらぬ。否、わかろうとしておらぬのだ。人の子らがいかに愚かなものであるかを。」
千冬「それは・・・・・。」
クリーオス「いつの世も人の子らは、互いに大義を唱えては争う事を繰り返してきたのだ。そしてそれは、人の子らがいる限り永遠に続く。我ら十二神座は、その螺旋から人の子らを開放すべく、新世界を創造することを決めたのだ!」
クラスト「クリーオス、詭弁を抜かすな!人の子らは愚かなだけではない!人の子は皆平和のために生きている!だからこそ我は人の子を、一夏を信じることを選んだのだ!」
クリーオス「平和、だと?詭弁なのは貴様だクラスト!!人は生まれてから今まで平和を手にしてはいない!一体いつになれば人の子らは平和を手にするのだ!?」
その言葉にその場にいる者の殆どが口をつぐむ。だが、
一夏「痛いところを突いてくるじゃねえか、クリーオス。確かにお前の言葉にも一理ある。」
一夏以外「!?」
クリーオス「ほう、クラストと共に生きていながら随分素直だな。」
一夏「お前の言うとおり、いつ平和になるかなんて誰にもわかりゃしない。目標にしたところで絶対に叶うとは限らない。だが、それなら逆もありだな。」
クリーオス「何?」
一夏「平和を手にする保証はないが、同時に平和が絶対に訪れないとも言えないってことだ。お前があとどのくらい生きるか知らないが、その間に平和が訪れない事が、なぜお前にわかるんだ!?
お前こそ未来がわかりきったような口を叩く気狂いな人間と変わらねえだろ!」
一夏は物怖じせずにクリーオスに大声で吠え続けた。
クリーオス「ぐっ、我を愚弄するか貴様。人の子の分際で!!」
クラスト「どうやら、痛いところを突かれたのは貴様も同じようだな。我らに でさえ、人の子らの未来や行く末などわからぬのに、人の子らにそれがわかるわけがなかろう。」
千冬「フッ、全くその通りだな。(改めて思うが、一夏は信念ある男だ。私でもここまでは言えなかっただろな。)」
生徒一同「さすが一夏(さん)!!!!」
張り詰めた空気がほぐれたようだ。
クリーオス「ブリュンヒルデ、ベルゼビュートの前に朽ちるがいい!」
ベルゼビュートの顔の目がギョロリと開き、不気味な口が開く。
千冬「さて、油断はできぬな。」
いざ、ブリュンヒルデとベルゼビュートの一騎打ちに千冬は打って出る。