今日はいよいよ、待ちに待った新一年生クラス代表決定戦。アリーナのギャラリーには学園の全生徒達の他に、デュノア社をはじめとするIS関連企業の関係者達が続々と集まって来ていた。一夏の理想の第一歩となるこの歴史的イベントは、多くの人が興味を抱かざるを得ない。
Side二年生
ギャラリーの最前列には、一足先に一夏とネロ以外の専用機メンバーが集まっていた。
簪「始まるね、いよいよ。」
ビリー「さてと、お手並み拝見といこうか。」
箒「一夏が信じる彼らがどれ程の力を持っているかだな。」
ラウラ「うむ、そういえば一夏はどこに行った?」
シャルロット「織斑先生やネロとモニタールームで見るって。」
一夏とネロは新たな男子の入学試験の試験管を務めた事もあり、モニタールームで観戦する事に。
エクトル「さてと、僕らヨーロッパ圏の後輩にも注目かな。」
セシリア「ええ、そうですわね。」
鈴「何にせよこの勝負、見ものね。」
アルゴス「勝負条件が一緒なら予想しづらいとこだがな。」
レベッカ「男子達が未知数だもんね。」
弾「注目はやっぱり悟狼だよな。」
専用機持ち一同は落ち着いた見方をしているが、他の女子生徒達は、
谷本「冴神君、カッコいいよね!」
鷹月「他の後輩男子もいいし!」
相川「恋の幅が広がったのも、織斑君のおかげだよね!」
後輩男子達との恋にも期待する始末である。
Sideモニタールーム
山田先生「織斑先生、ひとまず準備完了です。」
千冬「うむ、ところで織斑、このクラス代表決定戦だが、予想はどうだ?」
一夏「今のところ、実力的には五分に近いでしょう。個人的に気になるのは悟狼の実力ですね。」
千冬「ほう、やけに冴神に思い入れがあるようだな。」
ネロ「他国の男子達もかなりのセンスがありますが、悟狼の能力は俺たちに近いと感じました。」
千冬「成る程な、まあ期待して見ておこう。」
たった今、戦いの火蓋が切って落とされた。
Side一年一組
新一年一組の試合運びは共に五分であり、互いに拮抗し合う内容となっていた。
5試合中4試合までが終了し、結果は男女共に2勝2敗という結果に。
そのうち勝利を収めた男子は、ユーリ、ダーマード。敗北を喫したのはホルス、サガンである。
つまり、最終決着は悟狼に委ねられたということだ。
悟狼「・・・いよいよだな、俺で全てが決まる。」
悟狼は意を決してアリーナへ入場する。
蘭「(冴神さん、頑張って。一夏さんのためにも!)」
蘭は心の中で一夏の弟同然の悟狼を応援していた。
「冴神、まさかアンタとやるなんてね。でも勝つのはあたしだから!ぽっと出のアンタ達には負けないからね!」
彼女の名は北条院紗羅(ほうじょういん・さら)。由緒ある北条院家の令嬢で、両親は共に政界の重役を担うほどである。
悟狼「・・・・お前が俺をどう思おうと知った事じゃないが、友人まで侮辱した罪の重さを知ってもらうぜ。」
悟狼は鋭い目つきで紗羅を睨む。
Sideモニタールーム
一夏「悟狼、落ち着いていけよ。」
一夏は悟狼を強く応援する。
ネロ・千冬「・・・・・・。」
緊張が高まる中、いざ試合がスタートした。
まずはお互いに距離を置いて様子を見合う感じで少しずつ接近する。
紗羅「こっちから行くわよ!」
紗羅が先に仕掛けてきた。標準装備のアサルトライフル焔備で弾幕を張る。
悟狼「こっちも行くぜ!」
悟狼も焔備で応戦し、互いに打ち合い続けるも弾切れとなり、近接ブレード葵で斬り合う形に。
紗羅「あんた、思ったよりやるじゃない。」
予想以上に悟狼がついてこれているので、少し動揺する紗羅。
悟狼「操縦こそ素人だが、戦い自体はそれなりに経験してるんでな!」
悟狼は一気に間合いを詰めて紗羅に斬りかかる。
互いの葵が刃こぼれするまで斬り合いは続き、シールドエネルギーも互いに残りわずかとなったところで、悟狼は思い切った戦法を繰り出した。
悟狼「おりゃあぁぁっ!!」
なんと悟狼は弾切れとなった焔備を紗羅に思い切り投げつけた。不意を突かれた紗羅は思わず葵で受け止めて体勢を崩してしまい、そこに素早く悟狼がイグニッションブーストで接近して葵の刃を力いっぱいに叩きつけた。
紗羅のシールドエネルギーがゼロになり、悟狼は勝利を勝ち取った。
「勝者、冴神悟狼!よってこの試合は男子の勝利!!」
悟狼「いよっしゃあ!やりましたよ先輩達!!」
紗羅「・・・・負けた。」
紗羅は機体を解除した瞬間、その場に崩れ落ちる。
悟狼「・・・ほら、立てよ。」
悟狼は紗羅に手を差し伸べる。
紗羅「べ、別にそんなことしなくても、でも、ありがと。」
紗羅は顔を赤くしながら手を取ってもらう。
悟狼「おい、顔赤いぞ、大丈夫か?」
紗羅「う、うるさいわね!何でもないわよ!」
Sideモニタールーム
一夏「よっしゃあ!よくやったぜ悟狼!!」
一夏は嬉しさのあまり興奮する。
千冬「どうやらお前達の見る目は確かだったようだな。今後も後輩の育成に励むが良い。」
ネロ「全力を尽くします!」
千冬「(冴神悟狼、なかなか面白い男だな。)」
Sideギャラリー
ビリー「おーっ、やったじゃねえか悟狼!」
箒「流石は一夏の見込んだ男だ!」
シャルロット「やったね!」
セシリア「誇り高い勝利、おめでとうございます!」
ラウラ「うむ、私の将来の義弟としてふさわしいな。」
アルゴス「一夏が嫁で、弟同然の悟狼が義弟かよ!」ツッコミ
鈴「ラウラ、気が早すぎよ。でもまあ、ホントどうなるかと思ったけどよかったわね。」
レオ「そういやあの紗羅って女の子、なんか悟狼に惚れたように見えるな。」
簪「そうね、でも悟狼はパッと見る限り鈍感そうね。」
弾「こりゃまた新たな修羅場のスタートか?」
ちなみにこの後の新一年二組のクラス代表決定戦も、男子側の勝利で幕を閉じた。
一夏の望む理想の実現に向けた大きな一歩が踏み出されたのであった。