一夏「ふう、今日もハードな訓練だったなぁ〜。」
一夏は大きく背伸びしながら歩く。
エクトル「確かに・・・でも一夏すごい勢いで強くなっているよね。」
アルゴス「ああ、俺もウカウカしてらんねえな。」
訓練アリーナから寮までの道を歩いていると、なにやら建物の通気口がカタカタと音を立てている。
エクトル「ん?」
アルゴス「通気口の中に何かいるぞ。」
一夏「ちょっと見てみようか。」
通気口を開けると、そこには一匹の白いまん丸な子猫がいた。
どうやら迷い込んできたらしい。
一夏「・・・可愛いな。連れて帰ってあげたいぜ。」
一夏、もとい一夏に憑依し主人公は、大の猫好きである。
エクトル「でも、学園でペットは飼えないんじゃ。」
アルゴス「だけどこのままほっとくわけにもいかねえだろ。」
とりあえず連れて行くことにした。
in食堂
箒「一夏、その猫は一体?」
一夏「さっき寮の近くで拾ったんだ。」ニコニコ
セシリア「まあ、そうなんですの。」
鈴「でもこの子よくこの学園に入れたわね。」
エクトル「一夏ってば妙にこの子を気に入っちゃってさ。」
シャルロット「一夏、猫が好きなの?」
一夏「ああ、凄く!」
谷本「へー、意外かも。」
ラウラ「これが猫という動物なのか。」
ラウラは過去に動物を見たことがないので、興味津々だ。
山田先生「織斑君、ダメですよ。動物を学園に持ち込んでは。」
一同「山田先生。」
山田先生「学園はペット禁止の規則があります。」
一夏「でも先生、この子寂しそうでしたよ。俺が責任持って面倒見ますし。」
山田先生「そういう問題ではありません。」
山田先生はきっぱり断る。その瞬間、
一夏「そんな・・・ウッ・・・グスッ・・・ウッウッ。」
一夏は突然泣き出した。
山田先生「お、織斑君!?(えっ、ちょっと待って。)」
一夏「こんなに可愛いのに・・・、見捨てろというんですか?・・・・・、ウウッ、グスッ。」
エクトル「あーっ、山田先生が一夏を泣かした!!」
アルゴス「先生、アンタ何で一夏を泣かしてんだよ!!」
女子一同「!!!!」ジロッ
みんな一斉に山田先生を睨む。
山田先生「あ、いえ、ですからその。」
慌てふためく山田先生。しかし背後にはいつの間にか千冬が・・・
千冬「山田先生、ちょっとよろしいですか?(一夏を泣かすとはいい度胸だな。)」
ガシッ、山田先生の頭を鷲掴みにする。
山田先生「ひぃっ!?織斑先生!」
千冬「織斑、その猫の飼い主が現れるまでの間特別に許可しよう。(一夏が猫好きとは、可愛いものだ。)」
一夏「いいんですか、ありがとうございます!」
鈴「立ち直り早っ。」
山田先生はそのまま職員室まで連れていかれた。
後日・・・
始業前の教室では、
一夏「だっはっはっはっ!嘘泣き作戦大成功!!」
一夏は猫を飼えるようになって上機嫌だ。
シャルロット「あれ嘘泣きだったの?」
エクトル「全然分からなかったよ!」
ラウラ「教官も見事に信じ込んでいたぞ。」
箒「にしても一夏、猫のためにそこまでやるとはな・・・。」
一夏「いや、どうしても飼ってみたくて、咄嗟に思いついてな。」
アルゴス「・・・コイツ敵に回すと絶対厄介だろうな。」
セシリア「ええ、そう思いますわ・・・。」
一同は一夏の思わぬ策士ぶりに唖然とする。
のほほん「ねーねーおりむー、その猫ちゃんの名前はー?」
一夏「ああ、実はもうつけてあるんだ。名前は『ユキ』っていうんだ。」
丸い見た目が雪見大福みたいだと感じたらしく、そこから考えたらしい。
アルゴス「なんかベタな名前だなぁ。」
エクトル「らしいと言えばらしいけど。(笑)」
一夏「ユキ、これからよろしくな!」
ユキ「ミャ〜。」
ユキは一夏を大変気に入ったらしく、一夏の頭の上に乗る。
セシリア「まあ、可愛らしいですわね。」
箒「大人しいな。(うーむ、羨ましいな。)」
シャルロット「ユキちゃん、ずるいよ〜。(僕も一夏に可愛がってほしいな。)」
ラウラ「さすがは嫁だな。」
その他の女子一同「(可愛い・・・・。)」
座学の授業中では、
千冬「このように、世界でのISの技術開発は・・・。」
一夏・ユキ「・・・。」ジッ
一夏の頭の上のユキは、一夏同様モニターを円らな目でジッと見ている。千冬はそんな一夏の状態が気になるらしく、どこかぎこちない。
千冬「・・・織斑。」
一夏「あっ、先生すみません。」
一夏がユキを頭から降ろそうとすると、
千冬「いや、そのままでいい。何だか新鮮な光景だと思っただけだ。(可愛すぎて集中出来ないではないか・・・。)」
千冬は顔が緩みそうなのを必死に堪えながら授業を続ける。
機体の実戦訓練では、休憩の合間にみんなでユキと触れ合ったりしていた。
食事の時間に至っては・・・・
一夏「どうだユキ、美味いか?」
ユキ「ウミャ〜。」
一夏「そうかそうか。」ナデナデ
テーブルで一夏のすぐ側に座るユキに、一夏はおかずの魚を分けてあげたりしていた。
エクトル「・・・僕のもあげよう。」
アルゴス「・・・俺も、やろうか。」
エクトルとアルゴスも思わずおかずをユキに与える。
鈴「・・・なんか、ほっこりするわね。」
のほほん「おりむー優しいのだ〜。」
箒・セシリア・シャルロット・ラウラ「(・・・可愛い。)」
後日、飼い主が学園を訪問しユキを返してあげると、飼い主からは凄くお礼を言われた。
一夏は飼い主にユキを返した後、数日寂しそうな表情でいた。
そんな一夏の意外な面を見て、一夏を好きな女子たちは、猫が一夏攻略のポイントだと勝手に自覚したらしい。
本人には内緒で、一夏がユキと一緒にベッドで寝ている姿の写真が女子たちの間で裏取引された。
特に千冬はその写真を職員手帳の中に納めたらしいが。