授業が終わって昼休みに入ると、一夏は一年生の専用機持ちと共に、アルゴスとエクトルを屋上へ呼んだ。
噂を聞き付けた新聞部や上級生達も、2人を一目見ようと屋上に押し寄せてきた。
他にも、教室の窓から双眼鏡で見たり大声で名前を呼ぶなどする者もいる。
予想外の歓迎ぶりに2人は戸惑っていた。
ちなみにこの前には、エクトルがシャルロットと同じではないかという疑惑があったが、男装経験のあるシャルロットにボディチェックをさせたところ、間違いなく男であることがわかった。
アルゴス「一夏、この学園っていつもこんな感じなのか?」
エクトル「織斑先生出身の学校だから、厳格なイメージがあったけど、思いの外明るいね。」
一夏「・・・まあ、ここはもともと女子校だから、俺たちがいる事でこうなったんだけどな。」
箒「それはそうだ。2人も一夏同様稀有な存在だからな。」
セシリア「今の世の中においてあなた達は貴重ですもの。」
シャルロット「新聞部からすれば、これ以上ない特ダネだもんね。」
ラウラ「場合によっては研究対象にもなるからな。」
鈴「まあいろいろあるけど、2人ともこれからよろしくね。」
エクトル「ありがとう。」
アルゴス「ありがとな。」
そんな中、新聞部が割って入ってくる。
黛「はいはーい、新聞部でーす!注目の新しいIS男子のお二人にインタビューをお願いしまーす!」
「それではまず、自分がISを使える事についてどう思いますか?」
エクトル「突然の事で、少々戸惑いがあるけど、でも僕は、この学園に入れた事を誇りに思う。」
アルゴス「俺は、ISをとてもやりがいのあるものだと思うぜ。己の持つ力を存分に発揮できるしな。」
黛「うんうん、いい事だねー。織斑君、2人が来てくれてどう思った?」
一夏「男友達ができたらやっぱり嬉しいです。それに、これには、何か運命を感じますね。」
黛「なかなかロマンチックなコメントだね。それじゃ3人で写真を撮りましょう、織斑君とこの2人の出会いを記念して。」
右にアルゴス、左にエクトル、センターに一夏が立ち、写真を撮った。
鷹月「しかし、男子3人で並ぶと何かいい感じだよね。」
谷本「うん、3人とも学園のアイドルだしね。」
のほほん「よろしくね、アルアルにエックー。」
エクトル「エックー?」
アルゴス「アルアル?」
のほほん「うん、2人のニックネームなのだ〜。」
アルゴス・エクトル「・・・・ハハハッ。」
一同「クスクス」
こんな感じで2人の歓迎は終わった。
午後の授業が終わり、放課後を迎えると、一夏は2人に模擬戦を持ちかけた。
一夏「そういえば、2人とも専用機が届いたらしいな。一回俺と模擬戦してみないか?」
エクトル「そうだね、少し試させてもらおうかな。」
アルゴス「ま、お互いの能力を知っておくのも大事だしな。」
3人は実戦用アリーナへと向かった。
まずはエクトルとの模擬戦。
エクトル「お手柔らかに、一夏。」
エクトルは専用機「ケイローン」を展開する。
機体の色はゴールドだ。
一夏「おう、遠慮はいらないぜ。」
模擬戦が始まった。
エクトル「こっちから先に仕掛けるよ‼︎」
エクトルは大型の弓矢のような武器「アルテミス」を構え、一夏を狙い撃つ。一度に5本の矢を放つ事ができ、
通常の矢とエネルギーの矢の2種類に使い分けられる。
一夏「そうきたか。」
一夏はさすがに射撃への対処が慣れているため、矢の雨を難なく切り抜け間合いを詰める。
エクトル「速いね、でもまだこれがあるよ!」
左手に装備した近接武器「ラストロス」で雪片弐型を受け止める。
一夏「なかなかやるな。これならどうだ‼︎」
一夏はイグニッションブーストの勢いに乗せて雪片弐型を振り下ろし、ラストロスを弾き飛ばす。
エクトル「うわっ、しまった!」
体勢を大きく崩され、零落白夜を決められた。
エクトル「負けたよ、さすがはブリュンヒルデの血族ってところだよね。力負けしちゃったな。」
一夏「いや、なかなか有意義な模擬戦だったぜ。」
アルゴス「そんじゃ、次は俺だな。行くぜ一夏‼︎」
アルゴスはすぐさま専用機「セイリオス」を身に纏った。
機体の色は紺色。
一夏「おう、どっからでも来い‼︎」
エネルギーを補充し、再び白式を展開する。
アルゴス「マーシャルアーツの威力を見せてやるぜ!」
始まった瞬間すぐに間合いを詰め、籠手と具足型の近接武器「アポリオン」による拳や蹴りのラッシュを仕掛ける。
一夏「さすがに手数が多いな。」
一夏は珍しく近接格闘で苦戦する。雪片弐型を拳で受け止められ、弾き返されるも、
ラッシュをいつものスピード機動でなんとかかわしていく。
アルゴス「さて、いつまで逃げ切れるかな?」
一夏「もう逃げないぜ‼︎」
一夏は雪片弐型を逆手に持ち、白兵戦のナイフ戦術のような戦いに切り替える。
ちなみにこれは、ラウラから教わったものである。
アルゴス「それじゃこいつを使わせてもらうぜ。」
アルゴスは不意に距離を開け、構えた両腕からエネルギー波を繰り出した。
アルゴス「いくぜ、俺のワンオフアビリティ、『テロス・フラス』‼︎」
高威力のエネルギー波が一夏に炸裂する。一夏は何とか刀身でガードし、ダメージを抑える。
その後、間合いを詰め、手数に手数で対抗し、アルゴスのガードの隙間に雪片弐型を突き刺し、零落白夜を決めた。
アルゴス「くーっ、結構保たせたんだがなー。」
一夏「いや、なかなかスタミナを消費したぜ。長丁場なら俺が負けてたかもな。」
パチパチパチパチ
アリーナのギャラリーから拍手が聞こえた。
箒「3人とも中々だったぞ。」
セシリア「凄く勉強になりましたわ。」
シャルロット「2人とも一夏と対等に渡り合えるなんてすごいよ。」
ラウラ「私も模擬戦がやりたくなった。」
一夏「じゃあみんなもやるか。」
その後、ランダムに対戦相手を決め、模擬戦を重ねていった。
山田先生「ベレン君もイリアディス君も凄いですね。」
千冬「一夏程ではないが中々素質がある。一夏とあの2人が代表候補生になる日もそう遠くはないだろう。」
模擬戦を終え、一夏はアルゴスとエクトルを自室に案内した。
今日からこの部屋を3人でシェアするので、協力して部屋を模様替えする。
エクトル「なかなかいい部屋だね。」
アルゴス「至れり尽くせりだぜ。」
一夏「だろ、今日からよろしくな。それじゃ、明日も頑張ろうぜ、おやすみ。」
アルゴス・エクトル「おやすみ。」
これからを楽しみに思う一夏であった。