セシリア「はあ、退屈ですわ。一夏さんに会いたいですわ。」
セシリアは自分の部屋の窓辺でたそがれていた。王女という立場故に行動範囲が限られており、外へ出るにも国王や王妃の許可が必要である。
城から出られないだけならまだいいのだが、セシリアはそれ以上に大きな問題に直面している。
国王は隣国との同盟を結ぶに当たり、隣国の王子との結婚をセシリアに勧めているのだ。
しかもその隣国の王子はなんと四つ子という極めて稀な家系である。
容姿も能力もそれぞれながら優れていると、国民からは評判なのだが、
大臣「王女様、いかがでございましょう?」
大臣が4人の王子の肖像を見せる。
王妃「まあ、すてきな王子様で何よりだわ!ねえセシリア。」
セシリア「・・・・・。」
国王「どうした、気に入らないのか?」
一夏を一途に想うセシリアが気にいるはずはない。
セシリア「私にはどの殿方も同じように見えてならないですわ。そもそも、同盟のための政略結婚なんて、ロマンがありませんもの。」
大臣「何をおっしゃいまする、この婚姻は国々の平和の象徴となるべきものでありますぞ。」
セシリア「それなら尚更簡単には決めかねますわ。世界が広いことを勉学で学んでおきながらこの選択肢はあまりにも狭すぎます。」
王妃「困りましたわねぇ、あなた。」
国王「うーむ、だがセシリアの心を無碍にはできぬのもまた確かだ。」
暫し考えた末、国王はある決断をする。
国王「よし、ならばこうしよう。我が国の闘技場にて強さを競わせ、最強の男となった者と、5人の王子とで決闘をさせよう。王子たちのうち誰か一人でもその最強の男に勝利すれば、王子と結婚、王子たちが負ければ、その最強の男と結婚、これならどうだ?」
大臣「そんな無茶な。」
セシリア「闘技場での最強の殿方、ですか(もしかしたらこれに一夏さんが参加するかも知れませんわ。ここはこれに賭けるべきですわね。)」
王妃「セシリア?」
セシリア「わかりましたわ、その条件を飲ませていただきますわ。」
国王「うむ、決まりだな。では早速闘技場にて候補の男を募って来るのだ!」
大臣「はっ、手配いたします。」
Side一夏
アルゴスと合流後、一夏達はクエストを次々とこなしていき、街の人々からの信頼を得ていく。
一夏「大分稼いだな、これでまた装備を強化するぜ!」
アルゴス「いいよなあ、カッコいい武具が装備できるのは。」
アルゴスはラウラ、本音同様獣人系なので人間用の武具は装備できない。
箒「だが戦闘能力や回復力が高いのは大きいぞ。」
簪「そうだよアルゴスお兄ちゃん、それに、もふもふがあるし。」
簪はアルゴスの尻尾をもふもふする。
アルゴス「はあ、まあいいか。」
エクトル「まあ人それぞれだよ。」
クエスト後の休憩で一夏たちは談笑する。
そんな中、街ではざわざわと人だかりができており、大臣と家来たちが演説を行う。
大臣「国民諸君、我々は国王陛下からの伝言を預かっている!よく聞くように!
陛下は我が国と隣国との同盟をお考えになられた。だが同盟には王女様が5人の隣国王子と結婚しなくてはならないとの事だ!」
エクトル「この国以外にも国があるとは驚きだね。」
レベッカ「そう考えたらこの世界広すぎない?」
大臣「だが、王女様は王子達以上の強さを持つ男を求めておられる!そこで、闘技場で力を示し、王子を倒した男には賞金が与えられ、さらにその男を王女様の婿とする!」
ビリー「マジか、そりゃあすげえ話だな。」
シャルロット「でも、王女様ってどんな人なんだろう?」
大臣「志願するものは闘技場へ参るように!以上!」
その話を聞いて、何十人もの男が闘技場へと走っていく。
弾「王女様の婿か、ゲームでもそれは憧れるぜ。」
鈴「少なくとも賞金は見逃せないわね。」
一夏「とりあえず行ってみるか。」
一夏たちも闘技場に向かう。
そこには屈強な男たちが密集しており、ピリピリした空気を感じる。
しばらくすると、演壇に国王があらわれる。
国王「よくぞ集まった!この戦いにおいて真の男を決する!力あるものこそ王にそして我が娘にふさわしいと余は思っている!それでは、我が娘の美しき姿を披露しよう!」
国王の合図とともに奥の出入り口の幕が下りる。そこには、美しいドレス姿のセシリアが。
アルゴス「王女様って、セシリアか!」
エクトル「何となく予想はしていたけどね。」
レベッカ「へー、ピッタリじゃん!王女様!」
簪「いいなあ、ドレス。」
男衆「おお、美しい!」
男衆「絶対に勝つぞ!」
一夏「・・・・・綺麗だな。」
一夏は思わず見とれてしまう。
箒・シャルロット・ラウラ「・・・・・一夏。」ジトー
一夏「はっ、すまん、つい!」
その時、セシリアは一夏達の存在に気づいた。
セシリア「あっ、一夏さんですわ!それに皆さんも!一夏さーん♡」
セシリアは大声で一夏を呼ぶ。」
一夏「セシリア!無事だったか!」
一夏は手を振って答える。
国王「む、セシリア。あの男と知り合いなのか?」
セシリア「はい、お父様。私は是非とも一夏さんと結婚したいのです!」
それを聞いた瞬間、国王と男衆全員が一夏を睨む。
男衆「何だあのガキは?」
男衆「王女様自ら結婚を申し込むだとぉ!?」
本音「ほえー、みんなおりむーを睨んでるよー。」
男衆「おいこら、テメエどうやって王女様と知り合ったんだ!」
男の一人が一夏に突っかかってくるが、
一夏「ちっ、面倒くせえ。」
男が掴みかかりそうになった瞬間、一夏はその手首を掴み、千切れんばかりにひねる。
男「ぎゃあぁぁぁぁ!?」
ボキッと音がした瞬間にその男は倒れ込んだ。その瞬間一夏はその男を蹴り飛ばす。
セシリア「素敵ですわ♡」
国王「むう、それなりに力はあるようだな。容姿もいい方だ。良かろう!もしあの男が勝利を収めたならば、結婚を許そう!」
セシリア「ありがとうございます、お父様!」
ビリー「こりゃあ、出るしかねえな一夏。」
弾「参加したいのは山々だが、相手が相手だしなあ。」
レオ「ここは譲るぜ勇者様。」
エクトル「そうだね〜、僕らが出る幕じゃないな。」
アルゴス「頑張れよ、リーダー。」
男性陣は苦笑いしながら一夏に譲る。
箒「ふう、まあいい。これはゲームだからな。」
シャルロット「変なこと考えないでよ一夏。」
ラウラ「お前は私の嫁なのだぞ。」
一夏「わかったわかった。」
簪「みんな、そんなに嫉妬しなくても。」
鈴「仕方ないでしょ、セシリアと合流するためなんだから。」
レベッカ「とりあえず観客席に行こ。」
一夏は単身闘技場での予選に挑むことに。
一夏「オラぁ!」
男「ぐへっ!」
一夏「次来いよ!」
男「ぶっ殺してや、はうっ!?」
一夏「弱いぜ!こんな程度か?」
男「野郎!」
男「こうなりゃ全員でやっちまえ!」
一夏に男衆全員が嫉妬したからか、戦いは急遽大乱闘形式に。
だが、日頃の訓練と過酷な戦火をくぐり抜けてきた一夏は、そんな彼らをまるで恐れない。
驚くべき事に、全員を一人で、しかも剣を使わず素手でなぎ倒していったのだ。
あっという間に男達は叩きのめされ、一夏が勝者となった。
国王「うむ、見事だ。だが王子達とはどうだろうか?」
闘技場の奥から4人の隣国王子が現れる。
王子1「ほう、平民にしてはなかなかだな。」
王子2「だが、貴様ではセシリア王女様には釣り合わないな。」
王子3「力も品格も私のほうが上だ。」
王子4「我々王族にかなうと思うのか風来坊。」
セシリア「まあ、なんて不遜な!王子とは名ばかりですわね。それに引き換え一夏さんは魅力的ですわ♡」
一夏「おい王子様達よ、さっさと始めようぜ。それと、調子に乗ってデカい口を叩かねえほうがいいんじゃねえか?」
王子一同「何だと!」
こうして、一夏と4人の王子との決闘が始まった。