結婚式を終えて、一夏とセシリアは二人で朝を迎え、
その後皆を城に集めて状況を整理する事に。
一夏「さてと、これからの事だが。」
エクトル「僕らがこの世界にどうやって来たのかは、未だにわからないね。」
アルゴス「それもそうだが、もっと問題なのは、」
簪「どうやったら元の世界に帰られるかだよね。」
箒「だな。皆と一緒とはいえ、いつまでこのままなのか。」
ラウラ「うむ、行く当てはないが、いつまでもここにはいられないだろう。」
セシリア「そうですわね、IS学園に戻らないと、織斑先生達も心配されますわ。」
ビリー「そういやあ、ここに来る前は俺たち自分の部屋で寝てたんだよな。だったら寝てる間に俺たちの身に何かあったと考えるのが妥当じゃねえか?」
レオ「お、ビリー珍しく冴えてるじゃねえか。」
シャルロット「寝てる間に僕達に何かできるとしたら、」
レベッカ「織斑先生達くらいじゃない?」
弾「だけどよ、先生たちが断りもなく俺たちに何かするわけねえよな。」
鈴「そりゃあいくらなんでもないでしょ。」
一夏「となると外部の人間か、そうなれば無条件でIS学園に入れるのは一人しかいない。束さんだ。」
一同「!!!!」
疑念が確信に変わる。
箒「姉さんなら間違いない、いつも唐突だからな。」
エクトル「だとしたら束さんに文句を言いたいのはやまやまなんだが、今の僕らには外部への連絡手段がない。」
アルゴス「ISどころか携帯電話もないからな。」
簪「連絡もだけど、この世界から脱出する手立てもないよ。」
弾「それじゃあ、俺達このまま永久にこの世界に居ることになるじゃねえか。」
一夏「こりゃあ早いとこ、このゲームをクリアする以外にないな。」
本音「ネロロンにも早く会いたいよ〜。」
一夏「ああ、そうだな。」
ネロは唯一、会うための手がかりがない状態である。
翌日、一夏達は国王に呼び出される。
一夏「陛下、今日はどのような御用で?」
国王「うむ、一夏よ。お前の腕を見込んで頼みがある。
実は遠国から便りが届いたのだが。」
一夏は手紙を読んでみる。
一夏「世界を揺るがす大事あり。古の伝承により語り継がれし伝説の邪竜が蘇らんとしている。邪竜を滅ぼす力を持ちし勇者を向かわせてほしい。」
ビリー「邪竜って、なんかラスボス的なやつか?」
レベッカ「まあそんな感じよね。」
国王「邪竜は古の伝承に伝わる島にいると言われているが、その島は魔物たちの巣窟と言われている。
これまで向かわせた兵士たちはおろか、勇敢なる戦士たちもその島から誰一人として生きては帰ってこられなかったのだ。」
アルゴス「なるほど、それで俺達のもとに依頼が来たってわけか。」
エクトル「邪竜となると、かなり巨大な生物に戦いを挑むことになりそうだね。」
国王「勇者一夏よ、どうか引き受けてくれぬか?」
一夏「わかりました、幸い仲間は大勢いますし、何とかしてみせます。」
国王「そうか、ありがたい。」
鈴「それで、その邪竜はどこにいるのですか?」
国王「伝承によると、邪竜が封印されているのは我が国から遠く離れた孤島であるとのことだ。そこで、我が軍の海域防衛の船を出そう。」
一同「ありがとうございます。」
国王「それからセシリアよ、そなたも一人前になるべきときが来た。勇者一夏と共に向かうが良い。」
セシリア「お父様、よろしいのですか?」
国王「うむ、これまで培った魔術の成果を、一夏とその仲間達を手助けする形で得るが良い。」
セシリア「解りましたわ、お父様。必ず戻ってまいります!」
この瞬間、セシリアは魔術師のスキルを習得する。
戦闘準備を済ませ、国王軍の船で孤島に到着した一行は、邪竜討伐へと向かう。
本音「ふえぇ、何だか不気味だよ〜。」
島全体に暗雲が立ち込めており、どこからともなく魔物が出てきそうな雰囲気だ。
一夏「とりあえず、魔法が使えるやつの力は温存しよう。
物理攻撃に特化したメンバーで魔物を退けるんだ。」
前線には一夏、箒、ビリー、レベッカ、アルゴス、が立ち、後方支援をラウラ、エクトル、弾、レオが行う。
魔法スキルのあるシャルロット、セシリア、簪はできるだけ力を温存させ、アイテムでのサポートを鈴が行う。
一行は島の中心に建つ巨大な塔に辿り着いた。
中はホラー感ある雰囲気で、ゾンビを始めとするアンデッドの巣窟である。
道中の魔物達を倒していき、塔の最上階付近へと向かう。
扉を開けると、そこには一人の男が。
人間にしては顔が青白く、どこか強そうな雰囲気である。
一夏「誰だ?」
一夏がそう尋ねるや否や、男は無言で剣を抜き、一夏に襲いかかってきた。
一夏「ぐわっ、いきなりかよ!」
エクトル「貴様、これでも喰らえ!」
エクトルが矢を射るが、全て叩き落される。そこには、
セシリア「これは、結界が張られていますわ!」
アルゴス「それって、俺たちは入れないってことか?」
レベッカ「これじゃあ加勢できないじゃない!」
箒「くっ、剣を使う身でありながら助太刀できぬのか。」
鈴「一夏、頑張って!」
一夏「おう、何とかしてみせるぜ!」
一夏も負けじと反撃する。するとその男顔は突如豹変し、背中には悪魔のような翼を生やし、牙をむき出しにした。
一夏「これは、吸血鬼か!?」
簪は妖精のスキルのひとつ、ライブラリングで敵を分析する。
簪「あれは、ヴァンパイア騎士みたい!斬殺して血を残らず吸うらしいよ!」
ビリー「ひええ、一夏、血を吸われるなよ!」
両者ともに激しく切り合い、一夏がヴァンパイア騎士の剣を砕く。
弾「やったぜ!一夏の勝ちだ!」
ラウラ「いや、どうやらまだ終わらんらしい。」
ヴァンパイア騎士「ギェアアアア!」
奇声をあげながら一夏に噛みつこうとする。
一夏「くそっ!」
一夏は組み伏せられ、ドラゴンキラーを落としてしまった。
シャルロット「ああっ、一夏!」
レオ「やべえ、噛まれるぞ!」
ヴァンパイア騎士は大きな口を開けて迫る。その瞬間、
一夏「これで、どうだ!」
一夏はヴァンパイア騎士の口に右手を突っ込み、噛まれながらも牙の一本を折りとる。
そしてそれをヴァンパイア騎士の脳天に深々と突き刺した。
ヴァンパイア騎士「ガアアアッ!」
ヴァンパイア騎士はその苦痛に悶え、一夏から離れてうずくまる。
一夏「はぁ、はぁ、何とかなったぜ。」
ヴァンパイア騎士が倒れると同時に結界が解除された。
セシリア「一夏さん、大丈夫ですか!?」
シャルロット「すぐ手当するよ!」
仲間からのちりょうを受け、一安心する一夏。
すると、何やらヴァンパイア騎士に変化が。
ヴァンパイア騎士から黒い煙が出始め、身体が小さくなっていき、一夏と同じ位の体格になった。
そして、その顔にも変化が。
一夏「お、お前、ネロ!」
一同「!?」
ネロ「う、ん、一夏?それに、お前たちも、ここはどこだ?」
本音「ネロローン、会いたかったよ~!」
本音はすぐさまネロに抱きつく。
ビリー「ネロ、てめえ一夏に何しやがんだよ!」
ラウラ「貴様どういうつもりだ!」
ネロ「すまない、俺も何がなんだか。」
アルゴス「落ち着けよ!俺も最初は無意識だったんだぜ!」
ビリー「あ、そういやあ。」
ラウラ「そうだったな、すまないネロ。」
箒「しかし、こんなところで再開するとは。」
ネロ「この世界は一体どうなっているんだ?」
エクトル「ああ、話せば長くなるんだが。」
事の流れをエクトルが説明し、ネロは納得する。
ネロ「なるほど、じゃあ俺はその邪竜のいるこの塔を守るべく召喚された可能性があるな。」
ネロは先程と同様、この世界ではヴァンパイア騎士として存在している。
一夏「これで全員揃ったな、後は邪竜討伐だけだ!行くぞ皆!」
一同「ああ(おう)(はい)(うん)!」
一行は最上階へと向かい、屋上に出た。
そこでは邪教徒らしき者たちが、怪しげな儀式を行っていた。
邪教徒「蘇れ、集いし我らの力によりて、大いなる邪竜
「アマルティア」よ!!」
一夏「止めるぞ!」
一夏以外「ああ(はい)(おう)!!」
一夏達は儀式を中止させようとしたが、結界が張られており、手出しが出来ない。
邪教徒「貴様ら、ここに来るとは!」
邪教徒「ヴァンパイア騎士ネロ!貴様寝返ったか!」
ネロ「貴様たちに仕えた覚えはない。」
闇の司祭「性懲りもなくここへ来る輩がまだいたとはな。だがもう遅い!今ここに邪竜アマルティアが降臨するのだ!」
邪教徒の叫びとともに地震が起き、空から無数の稲光が発せられる。そして・・・・・、
邪竜「グワオォォォォォォッ!!!!」
そこに現れた邪竜は、とてつもなく巨大な黄金の体に7つの異なる属性の竜の首がついている。
その7つの竜の首は、それぞれ属性が地、水、火、風、光、闇、神となっている。
一夏「これが、邪竜か。」
セシリア「なんと恐ろしい。」
観察する間もなく戦闘が始まる。
一気に決着をつけるべく胴体を総攻撃するが、びくともしない。
箒「くっ、体には傷ひとつつかないぞ!」
ネロ「やはり各々の首を倒さなければならないか。」
一夏「よし、ここは分散してそれぞれの首を相手にするんだ!」
戦闘態勢は以下のとおりである。
地竜の首VSレベッカ、本音
水竜の首VS鈴、アルゴス
火竜の首VSビリー、箒
風竜の首VSレオ、簪
光竜の首VSエクトル、弾
闇竜の首VSシャルロット、ラウラ
神竜の首VS一夏、ネロ、セシリア
それぞれの首を倒すべく全員で分担して戦うことに。
久しぶりの投稿です!
長くなりますが、どうぞよろしくお願いします!