夕食は旅館の大宴会場で行われた。みんな旅館の浴衣に着替え席に着く。この時も、男子の隣あるいは男子2人の間に座りたいという女子達が騒いだが、10人のテーブル席に専用機男女が向かい合わせで座るという事で事態はおさまった。
アルゴス「ほー、これが刺身ってやつか。」
シャルロット「初めて食べたけど、なかなか美味しいね。」
セシリア「お魚を生で食べる事を考えた日本は素晴らしいですわ。」
一夏「そっか、それを聞いたら日本人として嬉しいぜ、なあ箒。」
箒「うむ、全くだ。」
エクトル「それにしても箒、浴衣着てるからか凄く絵になってるね。」
箒「そ、そうか?」
鈴「いわゆる、大和撫子って感じね。」
ラウラ「誰だそれは?」
一夏「人名じゃないぜラウラ、簡単に言えば落ち着いた美しさがあるって事だ。」
ラウラ「成る程、教官のような女性か、納得。」
食事の間はこのように日本の文化が話題になっていった。
千冬「専用機達は他の者達に比べると落ち着いているな。」
山田先生「みんな仲がいいですものね。」
食事が終わり、入浴の準備に各自部屋へと向かう。
のほほん「ね、ねーおりむー、エックー、アルアル。」ヒョコヒョコ
一夏「あれ、のほほんさん?」
鷹月「みんなの部屋ってどこかな?」
谷本「遊びに行ってもいい?」
それを聞いた途端、周りの女子達が目を光らせる。
エクトル「来てくれるのは嬉しいけど。」
アルゴス「あいにく俺たち織斑先生と一緒なんだよ。」
「えーっ、そんなぁ!」
「先生ずるい!」
箒「まあ当然だな。」
セシリア「私達は納得してますわよ。」
鈴「こればっかりはねー。」
シャルロット「織斑先生のところに行くのは勇気がいるよ。」
ラウラ「教官なら問題ない。」
「がっくり」
女子達はうなだれて部屋へと向かう。
入浴が終わり、男子3人は部屋に戻ると、そこには浴衣姿の千冬がいた。
千冬「3人とも温まったか?」
一夏「はい。」
エクトル「おかげさまで。」
アルゴス「先生も湯上り後だけあっていいですね。」
千冬「イリアディス、教師をからかうんじゃない。」
一夏「織斑先生、せっかくだから今は名前で呼び合いませんか?」
千冬「まあいいだろう、一夏。それと、エクトルにアルゴス、お前達も特別に名前で呼び合う事を許そう。」
エクトル「じゃあ、千冬さんで。」
アルゴス「俺もそれで行きます。」
千冬「フッ、無難だな。」
何やらほんのり照れ臭い空気になる。
一夏「姉さん、せっかくだからマッサージするよ。俺達3人で。」
エクトル「えっ!?」
アルゴス「おいおいマジかよ。」
千冬「じゃあ頼むとしよう。」あっさり
千冬はうつ伏せになる。
3人「失礼します。」
3人はマッサージを始める。
一夏「姉さん、だいぶ凝ってるね。」
エクトル「どうですか?千冬さん。」
千冬「お、お前達意外とうまいな。あっ、そこはもう少し優しく頼む。」
アルゴス「す、すいません。」
千冬は一夏意外の男に触れられたことがないためか、妙な気持ちになる。
一方、女子達も入浴を済ませ、部屋に戻るのだが、約数名は姑息なことに一夏の部屋へとこっそり向かう。
ラウラ「みんな、静かにいくぞ。」
ラウラがこのこっそり作戦を立てた張本人である。軍の隊長とあってさすがの指揮である。
シャルロット「はあ、でもやっぱり一夏に会いたいしね。」
セシリア「本音は1人で行きたかったのですが、仕方ありませんわね。」
箒「ま、まあこういうのも悪くはない。」
一夏を想う4人は抜き足差し足で部屋へと向かう。
鈴「何やってんのよアンタら。」
4人「ビクッ!」
鈴「大方予想はつくけどね。暇だからあたしも行くわ。」
鈴も加わり、部屋へと辿り着いた。
ラウラ「しっ、静かに。中の様子を聞いてみよう。」
襖に耳を当ててみる。
千冬「あっ、一夏、そこは勘弁してくれ。」
一夏「大丈夫、すぐ楽になるから。」
箒「こっ、これは!?」
千冬「エクトル、くすぐったいぞ。」
エクトル「我慢してください千冬さん。」
セシリア「いっ、一体何を!?」
アルゴス「千冬さんでもそんな顔すんだな、ハハハ。」
千冬「言うんじゃないアルゴス。」
シャルロット「さ、3人とも織斑先生に何を!」
ラウラ「この教官の喘ぎ、まさかこれは。」
鈴「何想像してんのよアンタら!見なきゃわかんないでしょ!」ツッコミ
ラウラ「もう少し聞いてみよう。」
5人は一斉に襖に体を預ける。すると、重みで襖が外れた。
ガタンッ
「あっ‼︎」
バタン!!!
派手に室内へと倒れてしまった。
一夏「あれ、お前ら来たのか?」
エクトル「やあみんな、いらっしゃい。」
アルゴス「お前らだけってことは、こっそり来たのか。」
千冬「はあ、何をやってるんだ馬鹿どもが。まあいい、入れ。」
5人「お、お邪魔します。」
5人は気恥ずかしそうに入る。
シャルロット「マッサージだったんですか。」
鈴「そんなことだと思った。」
一夏「姉さん日頃疲れてるからな。」
箒「そ、そうか・・・。」
エクトル「どうしたんだい、顔を赤くして。」
ラウラ「うむ、てっきりお前達と教官が、男女のムグッ!」
ラウラの口を4人が塞ぐ。
セシリア「な、何でもありませんことよ、ホホホ。」
アルゴス「フハハッ、お前ら何てモン想像してんだよ。」
シャルロット「エヘヘ。」
千冬「そうだ、おい男子陣、少し外してくれるか?」
一夏「はい。(そういうことか。)」スッ
エクトル「そういうことなら。」スッ
アルゴス「下のゲーセンで遊んできます。」スッ
男子3人は出て行った。
千冬「さてと。」
千冬は冷蔵庫から缶チューハイを取り出した。
千冬「プハーッ!!どうしたお前ら、いつもの感じで話してみろ。」
セシリア「い、いえ。」
シャルロット「こんな形で織斑先生とお話しするのは初めてですし。」
箒「(緊張するな。)」
千冬「本題に入ろう、お前ら一夏のどこがいいんだ?」
5人「えっ!? 」
千冬「まああいつは男前だし、器用で家事万能、人付き合いもいい。ISにおいては天性の才能を持っている。優良物件だろうな。」
鈴「それに、今のあいつは鈍感じゃないしね、誰もほっとかないわ。」
千冬「どうだ、欲しいか?」
箒「はい!」
セシリア「是非!」
シャルロット「もちろん!」
ラウラ「今すぐにでも!」
千冬「フン、やるか馬鹿者。」
4人「えー。」
千冬「ん?1人反応がないな。」
千冬は鈴を珍しいと言わんばかりの目で見る。
鈴「え、あたしはその。正直言うと、記憶を失う前の鈍感な一夏が好きでした。」
千冬「成る程、まあどっちにしても簡単にはやらんがな。せいぜい女を磨けガキ共。(一夏の心を私から離さない限り渡さん。)」
千冬「ところで、話は変わるが、エクトルやアルゴスも一夏に負けず劣らずモテモテだが、一夏を好きなお前らにはどう見えている?」
鈴「エクトルは一夏以上に優しいですけど。」
セシリア「紳士的な方に思えますわ。」
シャルロット「だけどちょっと物足りないかな?」
箒「うむ、線が女性並みに細いのが気になるな。」
ラウラ「一夏ほど強くは見えないですね。」
千冬「そうかそうか。」
シャルロット「アルゴスは男らしいけど。」
セシリア「ちょっと圧力がありますわね。」
箒「柔軟性に欠けてるイメージですね。」
ラウラ「力が強いのは認めますが。」
鈴「あたしはけっこういい線行ってると思うけど。」
千冬「成る程、要するに一夏はあいつらを足して2で割った感じってことか。」
この部屋ではしばらくガールズトークが止まらなかった。