臨海学校は2日目に入り、ここでの特別訓練が開始される。さすがに昨日とは打って変わり、緊張感あふれる雰囲気である。
皆海辺に集まり、整列する。
千冬「それでは、これより特別訓練に入る。まずはこの砂浜を一周する長距離走だ!」
「はいっ‼︎」
山田先生「それでは、皆さん頑張って下さい。」
一斉に走り始める。地面が砂である故、いつもの倍以上の負担がかかる。
千冬「しっかり足を動かせ‼︎砂に足を取られてるぞ‼︎」
気合を入れる千冬。炎天下での全力疾走はキツイものがある。
長距離走の後はハイペースでの筋力トレーニング。
千冬「遅い!始めからやり直せ!!」
時間内についていけなければもう一度長距離走からやり直しとなる。
実戦では命がけの長期戦もあり得ることからこのように過酷な訓練が行われているのである。
一夏達専用機持ちは日頃から自主的にトレーニングを積んでいたため、難なくついていけてる。
千冬「次は戦闘訓練だ。様々な敵に対応するため、各専用機持ちと連続で対戦してもらう。」
これは非専用機持ちにはきつい。強者に向かっていかなければならないのだから。
だが、一夏達に取っても同じである。何十人もの対戦相手を、休むことなく続けなければならない。
これはスタミナが大きく関わってくる。
山田先生「織斑先生、上から何かが来ます!」
千冬「!?」
高速で謎の物体が降ってくる。だんだん近づいて、大きくなり、そして、
ちゅどーん!!!
地面に思い切り激突した。
アルゴス「な、何だ!?」
シャルロット「今何かが落ちてきたよ!」
セシリア「敵機ですか!?」
ラウラ「教官、これは?」
エクトル「ねえ、これよく見たら。」
一夏「人参・・・だな。」
鈴「みたいね。」
突然のことに驚く専用機持ち、しかし、約1名を覗いて。
箒「はあ。」
何やら箒はため息をついている。すると、人参型の物体の上部が開き、何やらうさ耳のようなものをつけた女性が現れた。
声「ヤッホー!箒ちゃーん!束さんが会いに来たよー!」
箒「姉さん、相変わらずだな。」イライラ
一夏「もしかして、束さんか?」
セシリア「じゃあ、この方が!?」
エクトル「ISの創始者の、」
シャルロット「篠ノ之博士なの!?」
アルゴス「なんか全然イメージと違うぜ!」
鈴「あの人昔っからあの調子らしいわよ。」
ラウラ「教官、この変人は一体?」
千冬「すまんな、話せば長くなるが、こいつは」
束「天才IS博士の束さんでーす。ちなみにちーちゃんとは百合ヘブッ」
言い終わらないうちに回し蹴りを千冬からもらう。
千冬「いらんことをぬかすな‼︎」
束「いたた、あれ、いっくん、見ないうちにイケメンになったねー!」
タタタタ、ギュッ。
いきなり一夏を抱きしめる束。
一夏「ちょっと束さん!」
束「記憶喪失なんだって?束さんのラブラブパワーで思い出させてあ・げ・る❤︎」
バキンッ
箒は鞘に収めたままの日本刀で束を殴った。
束「いったぁーい!?」
箒「何がラブラブだ‼︎一夏に変な事を吹き込むな!」
アルゴス「なんか、全然笑えねえ漫才見てる感じだな。」
鈴「それわかるわ。」
セシリア「一夏さん。」
シャルロット「一夏、隙ありすぎだよ。」
ラウラ「一夏、あの女とどんな関係なのだ!?」
エクトル「一夏、どうやら君はあちこちで女性を落としてるね。」
一夏「ま、待ってくれ。箒、説明頼む。」
箒「あ、ああ、そうしよう。」
箒は一夏と束の関係についてできる限り説明した。
とりあえず皆納得してくれたようだ。
束「あっ、そうそう、今日は箒ちゃんにプレゼントがあるんだよ!箒ちゃんのために丹精込めて作った専用機がね!」
一同「えっ!?」
箒「私もついに専用機を。」
束「パッパラパッパッパーッパッパー、『紅椿』‼︎」
ド〇〇〇んみたく専用機を紹介する束。
束「これはねー、既存のISよりもさらに進んだものなのだよ。特徴その1、これは白式のシールドエネルギーを増幅する能力があるんだよ!特徴その2、展開装甲によって攻撃、防御、機動の面であらゆる対応ができるのだよー。」
一夏「そりゃすごい、白式は燃費が唯一の弱点だからな。」
千冬「逆に言えば、操縦者の腕によりその対応力は左右されるという事だな。」
束「うんうん、でも箒ちゃんなら大丈夫!」
箒「・・・・。」
セシリア「箒さん?」
アルゴス「自分が一夏の助けになれるのかって悩んでるんだろう。」
鈴「箒、あたし達に比べて専用機の経験皆無だしね。」
エクトル「オールマイティなのは逆に自己の力を活かし辛いって事もあるし。」
シャルロット「でも箒だって僕たちと経験を共にしてきたし、大丈夫だよ。」
ラウラ「シャルロットが言うのなら間違いないな。」
一夏「まあ、箒、俺が困った時は頼むぜ!」
箒「ああ!」
こうして、箒も晴れて専用機持ちの仲間入りとなった。