波乱の始業式を終え、生徒は寮に戻って寝支度をする。
その一方で、男子は夜更けに生徒会室で千冬や山田先生、楯無、のほほんさんの姉の虚とコア研究について話し合っていた。
山田先生「つまり、織斑君達がISを使える原理を応用して、男子に利用できるようにしようという事ですね。」
エクトル「はい、とりあえずは僕らのDNAがコアにどう適合しているのかを探っていこうと思います。」
楯無「それは、どういう事かな?」
一夏「銀の福音戦で、俺が死にかけた時、何故か白式が俺の肉体を修復したんです。」
アルゴス「この事から、ISが人体の組織と繋がっている可能性があると踏んだからです。」
千冬「なるほど、まあ何にせよ。学園に束を呼ばざるを得ないな。(こいつらの研究の為にも我慢するか。)」
一夏「すみません織斑先生。」
虚「それで、研究を進めたとして、問題は被験者の確保だけど。」
アルゴス「それなら頼む宛はあります。カナダに格闘関係での友人が1人いますので。」
エクトル「僕もイタリアに射撃が凄腕の友人がいます。」
一夏「俺にもISに乗せてみたい友人が1人いますので。(弾のやつ羨ましがってたからな。)」
千冬「わかった。早速束に連絡してみよう。来週の日曜日にでもその友人を連れてこい。とりあえずお前達はもう寝るように。」
一同「はい。」
千冬は携帯電話ですぐさま束に連絡した。
一夏達は寮に戻り、いつもよりやや遅く就寝する。
その夜・・・・。
一夏「!?」
エクトル「これは?」
アルゴス「またあの時の夢だぜ!」
3人は今また不思議な空間にいた。ふと前を見ると、入り口が2つある。
声「人の子らよ。これから汝らに幾つか問う。思う方に進みなさい。」
一同「・・・・・。」
「それでは汝らに問う。汝らは命がけの戦場で敵と戦い、勝利しました。しかしその相手は命乞いをしてきました。」
「その者を見逃すのなら右の道、とどめを刺し絶命させるなら左の道に進みなさい。」
エクトル「命乞いをされたら、やはり攻撃しづらいだろうな。僕は右に進もう。」
エクトルは右に進む。
アルゴス「命乞い自体が不意打ちかもしれないぜ。とどめを刺すのは戦場なら当然だろ。俺は左だな。」
一夏「俺は・・・・・。」
(一夏がどちらに進むかは読者に任せる。)
一つ目の部屋を抜け、次の部屋に着く。
声「汝らに問う。汝らはある国の王である。ある日、異国の者がやって来て、新しい文明を汝らの国にもたらさんとしている。それは国が豊かになるが、同時に国の行方を左右するものでもある。新たな文明を受け入れるならば右の道を、
国の安寧のために来訪者を強制送還するなら左の道を進みなさい。」
アルゴス「技術革新無くして新たな創造はないぜ。国の発展はいつも文明の発達によって決まるようなものだしな。俺は右に進むぜ。」
エクトル「アルゴス、新しい文明や技術は確かに有用だと思う。だけど、それまで進んできた方向から外れ、国民を混乱させてまで発展を進めていいものだろうか。僕は左に進む。」
一夏「俺は・・・・・。」
(一夏がどちらに進むかは読者に任せる。)
二つ目の部屋を抜け、三つ目の部屋に入る。
声「では、最後の問いである。汝らは、一生寝床から起き上がれず、生きるには延命治療をし続けなければならない病にかかった、かけがえのない人を目の前にしている。延命治療を一生涯かけて続けるなら右、その人に自然なままの最期を迎えさせるなら左に進みなさい。」
アルゴス「人はいつか死ぬものだし、死なせた方がいいって気もするが、でも、大切な人なんだよな・・・。
ダメだ、こればっかりはどうにも決められねえ。」
エクトル「珍しく同意見だなアルゴス、僕も答えを決めかねているよ。」
一夏「・・・・・・・。」
その部屋ではしばらく考え込む3人。
それにしびれを切らしたかのような感じで部屋から出され、夢から目覚める。
一夏「また夢だな。」
エクトル「なんだか、前に聞いた『決断』を迫られているかのような感じだったね。」
アルゴス「この夢が俺たちの進む道にどう関わるかわからねえけど、でも決めるのは俺達だ。
あまり深く考えない方がいいと思うぜ。」
一夏「(この2人、夢では意見が大きく違っていたが、今の所心配ないようだな。)」
アルゴス「ん?どうした一夏?」
エクトル「僕らの顔に何か付いてるのかい?」
一夏「あ、いや、何でもない。それより腹減ったから朝飯に行こうぜ!」
一夏はどこか心の片隅に引っかかるものがありながらも、いつも通り起きる。
今日は例の日曜日、彼らはそれぞれISのコア被験者として、束のラボに友人を1人ずつ連れてきた。
現場には女子専用機持ちや楯無、虚もいる。
束「ヤッホーみんな!今日は例のコア適合の検査をするよー!!(いっくんも中々面白い研究をしてくれるね。)」
一夏「よろしくお願いします。」
箒「はあ。やはりこの感じは苦手だ。」
箒はどことなくうんざりしている。
エクトル「ごめんね箒、こんな事になって。」
アルゴス「こればっかりは創始者がいないとマズいしな。」
箒「あ、いや、いいんだ。」
千冬「では、友人諸君、自己紹介を。」
弾「ご、五反田弾です。(これが噂のIS開発者か。)」
鈴「アンタ何緊張してんのよ。」
シャルロット「まあまあ。」
続いて、エクトルの友人。
「レオ・ディ・ステファーノです、よろしくです、束さん。」キラキラ
中々の容姿だが、イタリア人だけあって、いかにも軽そうなヤツだ。
セシリア「(エクトルさんと比べると少し見劣りしますわね。)」
最後はアルゴスの友人。
「ビリー・マイヤーズだ。よろしく頼むぜ束さん!」
見た目はどことなく不良っぽい感じである。
ラウラ「で、どうやって彼らにISを使えるようにするのだ?」
一夏「俺達3人のコアのタイプを調べて、俺たちのDNAとの適合率から、それを判断し、こいつらがどのタイプに適合しうるのかを見定める。」
エクトル「どれかに適合する場合、僕らのコアに近いものを束さんに、彼らに適合するように作ってもらうんだ。」
アルゴス「言ってみりゃ、俺たち3人のうちのどのタイプなのかがわかるってことだ。」
ラウラ「そこまで既にできるようになっていたのか。」
セシリア「もしこれが成功すれば、世の中が大きく変わりそうですわね。」
箒「女尊男卑の中でも男子がより活気付くことになるかもな。」
鈴「でもまあ、女尊男卑を重んじる女からすれば脅威でしょうね。」
シャルロット「うん、これがもし亡国機業に知られたら、恐らく向こうも動くと思うよ。」
虚「確かにその心配はありますが、」
楯無「みんなで力を合わせれば大丈夫よ、きっと。」
千冬「では始めるぞ、束、すぐに取りかかれ。」
束「あいあいさー!!」
すぐさま検査が始まった。
検査の結果、偶然にも弾は一夏、レオはエクトル、ビリーはアルゴスのタイプのコアに適合する形になった。
レオ「やったー、」
ビリー「ラッキーだぜ!」
弾「マジかよ!」
束「いっくん、お友達がまた増えたね〜。じゃあ束さんは彼らのコアを作るよ〜!!」
束は被験者のためのコアを作り上げた。
これらは元々あるものを参考に作り上げたことから、『フリーク・コア』と名付けられた。
楯無「これもまた世界初の開発よね!!」
虚「歴史に残る偉業を彼らは成し遂げましたね会長!」
翌日、被験者3人はIS学園に転校した。千冬は彼らに意思を確認したが、彼らもまた一夏達同様ISを使う願望が強かった。
3人とも一年一組に入ることになり、一組はますます賑やかになった。(他の組からは一組ばかりずるいと不満の声があったが。)
千冬「織斑、ベレン、イリアディス、友人として彼らの訓練に貢献するように、いいな!!」
一夏・エクトル・アルゴス「はいっ!!」
それから毎日放課後、3人はそれぞれの友人のIS操縦訓練に勤しみ、専用機女子達も彼らと実践を重ねていった。
早くも弾、レオ、ビリーに専用機が届いた。
弾「一夏、今日もよろしく頼むぜ!!」
弾は専用機『骸魔(がいま)』を見に纏う。機体のカラーはダークグレー。
主な装備は、先端にダイヤ型の刃が付いた鎖でできた鞭のような武器『魔葬鎖刃(まそうさじん)』に、
ブーメランのように投げて使う十字架型の飛び道具『聖封十(せいふうじゅう)』(投げるたびにシールドエネルギー消費)である。
弾は最初はすぐにヘトヘトになり、慣れるまでには相当かかったが、操縦の基本は覚え、あとは自分の専用機をものにできるかどうである。
レオ「エクトル、俺の早撃ちを見せてやるぜ!」
エクトル「僕の弓をしのげるかな?」
一方、レオはエクトルと模擬戦をする。彼の専用機の名は『アークイラ』、機体のカラーはブラウン。
装備は、先端に小型の近接ブレードが付いた2丁拳銃の『テスタ・ディ・ファルコ』であり、
マニュアル、トリプルショット、フルオートの3段階に打ち分けられ、実弾、エネルギー弾の両方を撃てる点は、
装備の少なさを補って有り余る特徴である。
ビリー「久しぶりだなアルゴス、リニューアルした俺の三節棍の技をとくと見やがれ!!」
アルゴス「リニューアルはお互い様だろ。まあいい、かかって来な。」
こちらではビリーとアルゴスが模擬戦を行っている。模擬戦というよりケンカに近いが。
ビリーの専用機は『ティガーファング』、機体のカラーは黄色だ。
主な仕様武器は、彼が得意な棒術に合わせて作られた三節棍型の武器『デルタライガー』。
形状が状況に応じて様々な変化をし、
近接時での攻撃範囲はピカイチである。
先端からはエネルギー波動を発射でき、構造上、攻防一体の技が多く出せるのだ。
激しい訓練の様子を山田先生と千冬は静かに見ていた。
山田先生「二学期から訓練し始めたのになじむのが早いですね。」
千冬「織斑達にも教えられる程の実力がついてきたとも言えるな。」
その後も、専用機女子とランダムに模擬戦を重ね、その日を終えた。
寮に戻り、男子達は部屋に入る。この間まで3人部屋だったのが、6人部屋となった。
弾「はー、毎日大変だけど、この学園に入れてよかったぜ、可愛い子がたくさんいるしよ!」
レオ「それは俺も賛成だね。」
ビリー「アルゴスとまた勝負ができて嬉しいぜ!」
エクトル「3人ともこれからよろしくね。」
アルゴス「お互い強くなっていこうな!」
一夏「そんじゃ、明日に備えて、お休み!」
ウキウキ気分で6人は眠りについた。