今日は待ちに待った文化祭、朝から学園の校門には大勢の人が押し寄せている。
老若男女問わずかなりの人だかりである。そんな中に、
蘭「お兄、ちゃんとやっていけてるのかな?色々心配よ。
まあ一夏さんが一緒なら問題ないと思うけど。
そういえば今の一夏さんって以前より遥かに恋愛に敏感なんだよね。
一体何人に告られたんだろ、お兄の話じゃ一夏さん相変わらず千冬さんがタイプって事たけど。」
蘭は朝からソワソワしていた。女の子に比較的目が無い弾や、一夏の事が凄く気になっている。
「お待たせしました!!それでは、開場しまーす!」
声とともに校門が開き、すぐさまワッと入っていく。
一方、一夏達は、
一夏「おおー、皆可愛いじゃねえか!!」
箒「そ、そうか、よかった。」テレテレ
ラウラ「ま、まあこういうのも悪くはない。」モジモジ
セシリア「一夏さん達もとても素敵ですわ!(もちろん一夏さんが一番ですけど。)」
アルゴス「ありがとな!」
ビリー「エクトルもメイド服ならウケるけどな!」
エクトル「ビリー、勘弁してくれ!!」
レオ「その時は合わせてシャルロットも男装すればいいじゃん♪」
シャルロット「ちょっとレオ!僕だって女の子だよ!」プーッ
弾「ハハハッ、エクトルとシャルロットはなんか中性的だもんな!」
セシリア「確かにそれも可愛いかもですわねー。」
皆褒めあったり冗談を言い合ったりと、客を呼ぶ緊張感を感じさせないほど余裕である。
谷本「本音、アンタいつもと変わってないじゃん。」
鷹月「メイド喫茶で着ぐるみって。」
のほほん「えへへー。」
のほほんさんはいつもと同じ調子である。
一夏「のほほんさんは何というか、学園のマスコットとして活躍できるよな。」
箒「確かに、客引きにはかなり有効だと思うぞ。」
ビリー「もうそれで定着しちまってるし、無理にメイド服着なくていいだろ。」
鷹月・谷本「マスコットって・・・。」
アルゴス「女子高生にしちゃ珍しいよな。」
のほほん「ありがと〜、学園マスコット布仏本音、がんばるのだ〜!」敬礼
一夏「それじゃ、張り切っていこうぜみんな!!」
一同「おー!!」
文化祭が始まった。予想通り、IS男子のいるメイド喫茶はかなりの並びだった。
あまりの人数に、時間制限を設けざるを得なかった。
セシリア・シャルロット「おかえりなさいませ、ご主人様。」
箒・ラウラ「お、お帰りなさい、ませ、ご、主人様。(恥ずかし過ぎる)!!」
「スッゲー、可愛い子ばっかだなー!!」
「俺絶対あのポニーテールだぜ!」
「俺はイギリスのあの子だ!」
「フランスの子もなかなかだぜ!」
「俺あのドイツの子がいいなー!」
男性客の大半は鼻の下が伸びている。
一夏・弾・エクトル・アルゴス・ビリー・レオ「お帰りなさいませお嬢様。」
「世界有数のIS男子!織斑君イケメンねー!」
「ヤバイ!あのスペインの子凄く可愛い❤︎タイプかも❤︎」
「あたしはイタリアのあの子かなー。」
「あたしは断然ギリシャのあの子よ!」
「赤髪長髪の子もパンクでいいわね。」
「カナダのあの子もワイルドな感じでいいわ〜!」
しょっぱなから大繁盛だ。こうなると鈴の2組を始め他のクラスが気になるところだ。
千冬「フム、さすがは私のクラスだ。(一夏にお願いされて仕方なくメイド服を着たが、どうにも恥ずかし過ぎて困るな。)」
山田先生「あれ、織斑先生、やっぱり可愛い弟君のために着たんですか?
普段と違って凄く可愛いですよ。織斑君きっと喜んでますよ♪」
いつになく千冬をからかう山田先生。しかし、今の言葉に落とし穴が・・・
千冬「そ、そうか。っておい、今『普段と違って』と言ったな真耶。終わったら覚えておけ。」ゴゴゴゴゴ・・・・
山田先生「あわわわ。(しまったー!墓穴掘ったー!!)」ガクガク
暫くして、休憩に入った鈴と蘭がやってきた。
鈴「一夏ー、そっちはどう?あれ、蘭久しぶりじゃない。」
蘭「鈴さん、お久しぶりです。」
一夏「おう、鈴に蘭、よく来たな!」
エクトル「蘭さんこんにちは。」
ビリー「蘭っていうのか。俺はビリー、弾には世話になってるぜ。」
レオ「蘭ちゃんか、俺はレオ、よろしく!君可愛いね。」
箒「はあ、またナンパか、レオ。」
アルゴス「見境なく口説くな、レオ。」
レオ「おっと、こりゃ失礼!」ウィンク
蘭「は、はい。(うわあ、お兄と同時にIS学園に入ったっていうこの方々もかっこいい。って、私は一夏さんが一番なのに何で!?)」ドキドキ
弾「おい蘭、顔に色々出てるぞ、大丈夫かー!?」ケラケラ
蘭「うっさいバカお兄!!お兄こそ女の子のことばっか考えて、ISおろそかになってないでしょうね!?」ギロッ
蘭は、弾が自分より先にIS学園に入ったのが気に食わなかったらしい。
一夏「大丈夫、弾は俺が訓練してるからな。」
シャルロット「そこまで心配しなくても大丈夫だよ蘭ちゃん。」
蘭「ホント申し訳ないです皆さん!」ペコペコ
セシリア「そういえば鈴さんのクラスは何をなさってますの?」
鈴「2組はお化け屋敷ね。よかったらみんなも来ない?」
一夏「そうだな、行ってみるか!」
その後、男子は休憩中に代わる代わる女子とペアを組み、お化け屋敷や他のクラス、学年のところを回って行った。
一方、
オータム「こちらオータム、IS学園に潜入成功。織斑一夏のところに向かう。」
スコール「了解、あとは任せるわオータム。」
オータム「さて、どうやって織斑一夏や他の男子と接触しようか。」
オータムは普段とは全く違う、ごく普通の女性会社員のような格好をしてIS学園に潜入する。
慣れていないせいか、どこかぎこちない。
喫茶店で一夏待っていると、一夏達が帰ってきた。
オータム「こんにちは、織斑先生の弟さんですね。」ニコニコ
一夏「はい、そうですが。」
オータム「私は、インダストリアル社IS技術開発部部長のクレインといいます。もしよろしければ、
我が社の新開発IS製品をご覧いただきたいのですが。」
セシリア「インダストリアル社といえばかなりの大企業ですわね!」
箒「参考までに見るとしよう、もっと勉強したいしな。」
オータム「ありがとうございます。(とりあえず怪しまれてはいないな。手持ちのIDカードが偽造とバレなければ問題ない。)」
ビリー「新製品だったよな。どんなのがあるんだ?」
オータムはタブレットを取り出し小型の立体映像で様々なISの武装を紹介する。
シャルロット「うわー、デュノア社以上に力入れてるね。」
弾「何だ!?さっぱりわからねえぞ?どれがどうなってんだ?」
弾はまだ専門知識が苦手なようである。
ラウラ「ふむふむ、このパーツには興味あるな。」
レオ「しかし、開発部の部長さんがこんな美人とは驚きだね!」
アルゴス「こら、レオ!すいません、コイツ女性に目がないやつで。」
オータム「いえいえ。」
違和感なく話し合う専用機一同、だが、ただ1人彼女の正体に感づいた者がいる。
千冬「(あの女、一見社員に見えるが、あのIDカードは恐らく偽造だろう。少なくとも最近あの会社に顔を出した時点ではあの女はリストになかった。身分を偽ってここに来るにはそれだけの理由があるに違いない。)」
山田先生「織斑先生、どうしました?」
千冬「静かに。山田先生、出入り口付近の生徒に警戒態勢をとるよう伝えてくれ。」
山田先生「わかりました。」
千冬は携帯でこっそり一夏に電話をかける。
一夏「ちょっと失礼、はい、織斑ですが?」
千冬「織斑、小声で話せ。それと、今から言うことをよく聞け。」
一夏「わ、わかりました。」
千冬「今お前達と話してる女は恐らく侵入者だ。警戒しろ。」
一夏「・・・はい。(マジか、すっかり騙されてたぜ。)
オータム「何かお気に召されたものはございますか?もしよろしければ放課後にでも我が社間お越しいただければすぐにご用意致します。」
一夏「あー、折角ですが、それはまたの機会にお願いします。」
一同「?」
一夏がややドギマギしていたのに他の専用機は気付く。
オータム「そうですか、ではまた後ほど。(この様子、誰かが気づきやがったか。)」
オータムは静かに去っていく。
箒「一夏、急にどうしたんだ?」
アルゴス「電話の後何か妙に緊張してたみたいだぞ。」
ラウラ「教官から何か言われたのか?」
一夏「いや、何でもない。」
シャルロット「そう?ならいいけど。」
ビリー「にしても、俺たち相当注目されてるよな。」
セシリア「ええ、名誉なことですわね。」
エクトル「あれ、そういえば蘭さんは?」
弾「他のクラスに知り合いがいるからって会いに行ったんだが。」
「キャーッ‼︎‼︎」
一同「!?」
突然悲鳴が聞こえた。
それからすぐに、鈴が走り込んできた。
何故か甲龍を見に纏っているが。
鈴「た、大変よ皆!!」ハアハア
一夏「鈴、どうしたんだ?」
シャルロット「さっきの悲鳴、何か事件が起きたの!?」
鈴「蘭が、蘭が!!」
弾「蘭に何があったんだ!?」
セシリア「鈴さん、落ち着いてください!」
鈴「蘭が、OLのようなカッコした女に突然誘拐されたのよ!!」
箒「何!?」
エクトル「もしかして、さっき僕らが話してたあの人か!?」
鈴「しかもそいつはISを装着していたわ!!」
ビリー「マジかよ!?」
レオ「急いで蘭ちゃんを追うんだ!!」
アルゴス「見つけ次第叩きのめしてやるぜ!」
ラウラ「皆、ISを起動しろ!!」
専用機一同はすぐさまISを起動する。
千冬「専用機諸君!事件発生!犯人は亡国機業の一員であることがわかった!
直ちに追跡しろ!来客用の入校証には発信機が着いてる!」
全員「はい!!」
文化祭は思わぬ事態となった。