一夏「・・・・。」
一夏はまたしても不思議な夢を見ていた。
目の前には空中都市のような世界が広がっている。空中都市と呼ぶにはあまりにも田園が多いが。
そこでは、人々が賢明に働いている。
そして、その都市の中心には、様々な天使の石像が見られる。
一夏「何だこれは。」
声「人の子よ。」
一夏「ハア、またこの声か。」
声「あなたは神に選ばれし救世主。人々を導くべき者です。」
一夏「俺が、救世主だと?そもそもこの世界は一体・・・。」
声「神の導きからなる慈悲深き秩序がもたらす世界。この世界では、人々は皆、日々大切な事に勤しみ、永遠の安寧に身を置いています。」
一夏「俺がこの世界を見たから、何があると言うんだ?」
声「時期に全てわかります。あなたが神々の聖域へと辿り着く事によって。」
一夏「・・・・・。」
あたりがだんだん白くなり、フェードアウトしていくと、一夏は目を覚ました。
エクトル「おはよう一夏。」
一夏「ああ、おはよう。」
アルゴス「どうした、ボーっとして。」
一夏「いや、なんか妙な夢をまた見てさ。」
エクトル「それって、前に僕ら3人で見た夢のようなもの?」
一夏「ああ、またあの声を聞いた。」
アルゴス「今度は何が起きるんだろうな。」
3人は考え込みながら朝食をとりに食堂へ向かう。
食堂に入ると、何やら騒がしい。
「えーっ!五反田君、本音のお姉さんと付き合ってるの!?」
弾「ま、まあな。」
本音「じゃあ、ごったんは私のお兄ちゃんだね〜。」
弾「ハハハ。(本音が妹、蘭より遥かにいい妹ができたぜ。)」ニヤニヤ
「ステファーノ君、どうやって簪のハートを射止めたの!?」
レオ「そうだなー、どこから話そっかー。」
一夏「何だ何だ!?」
谷本「あっ、織斑君達おはよう!ねえ聞いた聞いた!?五反田君とステファーノ君、彼女できちゃったのよ!」
エクトル「そうなの?あのレオが!?」
アルゴス「マジかよ!?」
箒「つい昨日の事らしい。」
ビリー「だけど、知れ渡るの早くねえか?」
鈴「楯無会長がバラしたのよ。まったくプライベートにまでちょっかい出すんだから。」ハァ
一夏「そっか、そりゃあ副会長として一言言わなきゃな。」
セシリア「ですわね。」
すると、モニターがつく。
楯無「グッドモーニング!朝からみんな盛んに恋バナだねえ!!」
一夏「あなたが引き起こしたんでしょうが。」
シャルロット「どうしてそうすぐ人をからかうんですか。」
簪「もー、お姉ちゃんったら!」
楯無「朝からツッコミキツイねー。」
エクトル「あなた少しは遠慮すべきなのでは?」
ラウラ「同感だ。」
楯無「そういうエクトル君だってー、山田先生と禁断の恋に落ちちゃってるもんねー。」
エクトル「!!」
その途端、爆発が起こった。
一同「えーっ!?」
エクトル「耳が痛い!」
エクトルは一夏と1、2を争うほどの人気があったことから、多くの女子生徒はショックを受けた。
「ベレン君が・・・・。」
「まさか山田先生と!!」
「超ショックー!!うわーん!!」
多くの女子生徒が一斉に泣き出す。
エクトル「ちょっと会長!」
ビリー「エクトルを困らせるんじゃねえよ!」
山田先生「み、皆さん落ち着いて!」
箒「なんとかあの会長を黙らせられないか。」
セシリア「ですが、あの人は学園最強ですし。」
アルゴス「そいつはどうかな?学園最強と言うにはまだ早いぜ、まだ俺達男子との勝負が残ってる。」
エクトル「確かに。」
弾「お、おいおい、少なくとも俺じゃまず勝てねーよ。」
ビリー「勝負したいけどよ、まだ経験が浅いしな。」
レオ「なら、1年最強かつ男子最強の一夏が行くべきだな。」
鈴「ちょっとアンタら、無茶言わないでよ。いくら一夏でも」
一夏「やろう、俺の最大の目標は織斑先生だが、その前に学園最強に挑むぜ!」
いつになく鋭い目つきで楯無を睨む。
千冬「ほう。(いい目をしている、これは楽しみだ。)」
楯無「さすがは生徒会副会長!じゃあ今日の放課後、私とアリーナで対戦よ!」
そして、放課後を迎える。
楯無「やっと来たわね一夏君、待ちくたびれたわ。」
一夏「そいつはどーも。」
両者は専用機を纏い、位置につく。
ギャラリーからは凄い声援が飛ぶ。
ビリー「いけえ一夏!!」
鈴「負けんじゃないわよ!」
ラウラ「真のリーダーの力を見せろ!」
アルゴス「ぶっ潰せ一夏!!」
レオ「一夏、下剋上だぜ!」
簪「頑張れ一夏!」
箒「お前の一太刀を浴びせてやれ!」
セシリア「あなたなら勝てますわ!」
シャルロット「頑張れー!!」
楯無「さすがに人気ね一夏君。ちょっと羨ましいわ。」
一夏「さて、始めますか。」
楯無「その前に一つ賭けをしない?私が勝ったら、私と付き合ってもらうわ!」
箒「何だと!?」
セシリア「理不尽ですわ!」
ラウラ「一夏は渡さん!」
シャルロット「一夏、負けないで!」
一夏「いいでしょう、俺が勝ったら、俺が生徒会長の座に着くぜ!そして、メンバーにアルゴス、エクトル以外の専用機も加える!!」
楯無「フフフ、その賭け乗ったわ。」
千冬「それでは、始め!!」
合図とともにお互い距離を置く。専用機で唯一、一撃必殺のアビリティーを持つ一夏だが、エネルギー消費が激しいので迂闊に飛び込めない。
楯無「冷静な出足ね、じゃあこっちから仕掛けるわよ!」
楯無は蒼流旋で一夏に攻撃を仕掛ける。一夏は雪片弐型で斬り払う。
楯無「やるわね、これならどう?」
蒼流旋のガトリングが放たれる。一夏は盾装備白鋼で弾丸を防ぐ。
楯無「ふふん、今のはほんの小手調べよ。これを受けてみなさい!!」
楯無はミステリアス・レイディのアビリティ、「清き熱情(クリア・パッション)」を発動する。
ナノマシンの水を散布し、気化による水蒸気爆発でダメージを与える。
鈴「あの技、攻撃範囲が広いわよ!」
弾「あんなの強力すぎるぜ!」
箒「これは防ぎきれない。」
皆がそう思った時、
一夏「白影円陣!!(びゃくえいえんじん)」
白影剣を周囲に呼び出し、壁を作る。爆発を受けてもビクともしなかった。
ビリー「おーっ、すげーぜ!」
シャルロット「すごい、シールドエネルギーを消費し易い弱点を補うアビリティだよ!」
ラウラ「一夏がここまで強くなるとは。」
セシリア「一夏さんも攻防一体で対等ですわね!」
楯無は必殺パターンを破られたからか、少し動揺を見せる。
楯無「さすがに簡単にはやられないようね。」
一夏「あなたの技はとりあえず見せてもらった。今度はこっちの番だぜ!」
一夏はすかさず零落白夜光を放つ。それを楯無はナノマシン水で作るアクア・ヴェールで防ぐ。
楯無「残念ね、今の攻撃で白式はかなりのエネルギーを消費したわ。」
一夏「まだ攻撃は終わってないぜ!」
一夏はアクア・ヴェール取り払われた直後に零落白夜を発動した雪片弐型をブーメランのように回転させて投げていた。
だがそれも読んでいたかのように楯無はかわす。
楯無「なかなかの攻撃ね、でもツメが甘いわよ!」
一夏「さて、それはどちらですかね会長?」
楯無「!?」
楯無の足元には、いつの間にか白影剣が飛来し、楯無の動きをガッチリ拘束する。
一夏「後ろを見てください!」
楯無「えっ!?」
見ると、かわしたはずの雪片弐型が帰ってきた。
一夏「今じゃ雪片弐型は、遠隔操作もできるんですよ。」
雪片弐型は楯無の腹部に命中し、シールドエネルギーをゼロにした。
千冬「勝者、織斑!!」
一夏「やったああああ!!」
その瞬間、ギャラリーや校舎から怒涛の雄叫びがあがる。一夏の勝利を誰よりも喜んだのは、一夏の恋人候補達だった。
楯無「参ったわ、じゃあ私は副会長ってことでよろしくね。(一夏君、あなたにはますます興味が湧いてきたわ。)」
楯無は負けを認めるも、どこか含みのある笑いを見せていた。