一夏「・・・ここは。」
あたりを見渡すと、そこは夢で見た広い田園だった。
一夏「間違いない。あの都市だ。」
鈴「都市って言うにはちょっとね。」
ビリー「こんなとこに誰かいるのかよ。」
箒「見渡す限り田園だな。」
シャルロット「それにしても、建物がそんなにないからか、空が広く感じるね。」
あたりを見渡すと、人影が見えた。
弾「おい、あそこに誰かいるぜ。」
セシリア「ここに住まわれてる方でしょうか?」
見ると、そこには老人の男性がいた。
アルゴス「とにかく話を聞いてみるとしよう。」
一行は人影に近づき、尋ねようとする。
エクトル「あのー、すみません。」
村人「・・・っ!?もしやあんたら、天使様のいう『戦人(いくさびと)か!?』」
簪「え?」
レオ「イクサビト?」
簪とレオは揃って首を傾げる。
老人「おおお、恐ろしや!!誰かー!!」
ラウラ「おい、ちょっと待て!」
老人は一目散に逃げていった。
ビリー「何だったんだ?」
箒「私たちを見るなり戦人とは、どういう意味だ?」
一夏「1人目で失敗したな。こりゃ情報収集は困難だぜ。」
それから道行くところ人に会うたび尋ねるも、皆怯えて何も話そうとはしない。
シャルロット「みんな僕らを怖がっちゃってる。」
レオ「やれやれ、どうしたもんかな。」
アルゴス「こりゃあ、奴らのいう『天使様』とやらに会うべきだな。」
すると、シスターのような女性が声をかけてきた。
シスター「戦人達よ、天使様がお待ちかねです。私についてきてください。」
ビリー「おい、あんたら俺たちを戦人っつってるが、どういう事だよ?」
エクトル「ビリー、失礼だぞ。」
鈴「気持ちはわかるけどね。」
シスターの後についていくと、大きな教会のような建物に着いた。
庭には幾つもの石像が置かれている。
箒「この石像、ひょっとして。」
ラウラ「ああ、ISによく似ている。」
弾「ここはISの宗教団体か?」
シスター「天使様、ただいま戦人達を連れて参りました。」
声「ご苦労であった。」
一夏「・・・この声!」
エクトル「間違いない!」
アルゴス「あの夢の中の声だ!」
教会の扉がゆっくりと開く。そこには4人の女性がいた。皆どこか雰囲気が千冬に似ている。
女性A「ついに来ましたね。一夏、エクトル、アルゴス、主の御名のもとに選ばれし人の子よ。」
一夏「あなたが俺たちを。」
アルゴス「こりゃあ驚きだぜ。」
エクトル「あなた方は一体。」
女性A「申し遅れました。私は大天使セラフィム。」
女性B「私はクシエル。」
女性C「私はガブリエル。」
女性D「私はミカエル。」
レオ「こりゃあ凄え美人だな。」
簪「ちょっとレオ!」
レオ「悪い悪い。」
弾「彼女ができても相変わらずだな。」
鈴「アンタも顔が緩んでるわよ。」
ビリー「おいおい、天使様っていうが、どー見たって人間じゃねえか?あんたらのどこが天使なんだよ?」
シャルロット「ちょっとビリー!」
セラフィム「では真の姿を見せましょう。」
天使達は一斉に右手を上げ、ISを展開するように変身した。先程とはあまりにもかけ離れた姿に一同は驚く。
エクトル「こ、これは夢なのか?神話の天使達が、まさか実在していたなんて!!」
セシリア「これが、天使・・・。」
一同は終始見惚れる。
一夏「おっと、そろそろ本題に入ろうか。まずこの世界は一体何だ?」
セラフィム「ここは導きの地、『プロサナトリス』。」
クシエル「主の慈愛のもとに生まれし秩序の世界。」
ミカエル「ここに導かれし者は皆、自身のなすべき営みに勤しむ。」
ガブリエル「今日の平和、安寧は明日も続く。」
エクトル「素晴らしい事だ!皆導きと秩序に従い、平和に生きているとは、まさに理想郷だ!」
エクトルはいつになく興奮している。「秩序・安寧」は彼の信条であるからだ。
アルゴス「ところで、この世界と俺たちの世界が繋がったのは何故だ?」
鈴「そうそう、問題はそこよね。」
セラフィム「それは、我ら天使の同胞の堕天により起こったのです。」
ビリー「あんたら以外にも天使がいるってのか?」
ミカエル「かつて我ら天使は7体いました。しかし、3体の天使による反乱が起きたのです。そのうちの1人であるルシフェルが、この世界のあり方に反意を抱き、この世界を支配するために我らに戦いを挑んだのです。」
ラウラ「何故そのような事が起きたのだ?」
セラフィム「ルシフェルは天使達の中でも最高位の天使で、明星の輝きの象徴とまで言われていました。
その力からくる傲慢さが、支配欲につながり、全ての自由を求めて反乱に至ったのです。」
アルゴス「自由、支配・・・。」
セシリア「その天使達はどうなったのですか?」
クシエル「反逆の罪により、天使としての姿を失い、人の子同然の姿となって人の子らの世界に落ちていきました。
それにより、我らの世界と人の子らの世界は繋がったのです。」
レオ「なるほど、この間新聞にこの世界が載ったのは偶然じゃなく、その堕天使とやらが公にしたってわけか。」
簪「じゃあ、一夏にエクトル、それにアルゴスが選ばれたのは何故?」
セラフィム「ルシフェルは堕天使とはいえ、かつての力をまだ持っています。
再び我らに戦いを挑むため、今度は人の子らを大勢利用するつもりです。」
ガブリエル「あの者達を止めるには、我ら天使だけでなく、人の子の力も必要であるがゆえに、
一夏、エクトル、アルゴスを選んだのです。」
弾「じゃあ、一夏達がはじめからISに乗れるのは・・・。」
ミカエル「彼らの持つISのコアには、それぞれ我らのものと同じ力が備わっているのです。我らに選ばれし人の子は、そのコアに認められているのです。」
一夏・エクトル・アルゴス「・・・・・・。」
3人は各々の専用機を見て考え込む。
箒「しかし、フリーク・コアでこの3人以外にも新たなIS男子ができたが。」
ガブリエル「彼ら選ばれし人の子らのコアに宿りし力は、彼らの意思で分け与える事ができます。」
セシリア「ですが、コアを開発したのは篠ノ之博士ですわ。」
セラフィム「コアは形に過ぎません、その力は魂が与えるもの。」
弾「魂・・・。」
一夏「大体話はわかった。とりあえず俺達はどうすればいい?」
セラフィム「いずれ全てわかる時が来るでしょう。あなた達に神のご加護があらん事を・・・。」
鈴「あっ、ちょっと。」
天使達は姿を消した。
気がつくと、皆ゼノン遺跡に戻っていた。
一夏「とりあえず学園に戻って報告するか。」
一同「ああ。(はい。)(うん。)」
一同は飛行機に乗り、ギリシャを後にした。