千冬「束、私だ。」
一夏達がグリモヴァールへ調査に向かっている間、千冬は束と連絡を取っていた。
束「ヤッホーちーちゃん!!」
千冬「その、お前に頼みたい事があってだな。」
束「何かな!?もしかして夜の」
千冬「またにするとしよう。」
電話を切ろうとすると、
束「ジョーク、ジョーク!!ちゃんと聞くから!!」アセアセ
千冬「フン、いいかよく聞け。ISの創始者であるお前に頼みたいことは、プロサナトリスで天使とされるIS、及び亡国機業の奴らが悪魔として従えるISの解析だ。これは一夏達の命運に関わることだからな。」
束「アイアイサー!!」ビシッ
その頃一夏達は・・・・・・。
ビリー「魔界っつっても、実際どんなトコか想像もつかねえな。」
鈴「それはそうね。」
一夏達は突入後、長い時空トンネルのようなものを通っているところだ。
シャルロット「一般では悪魔が巣食う世界とされてるけど。」
エクトル「・・・・・。」
セシリア「恐らくプロサナトリスとは正反対の世界ですわね。」
アルゴス「だろうな。」
一夏「皆、もうすぐ着くぞ。」
弾「くーっ、長かったぜ!」
レオ「やれやれ、やっと入るのか。」
ラウラ「レオ、少しは緊張感を持て。」
箒「うむ、心の準備をしておかねば。」
レオ「はいはい。」
時空トンネルを抜けると、そこは想像していた世界とは異なっていた。
簪「・・・ここが魔界、グリモヴァール?」
エクトル「何だこれは、魔界なのに人がいそうな都市だ。」
そこにはいくつものビルが建っており、神話に出てくるような世界とは違っている。
まるで夜の都会のようだ。
アルゴス「この雰囲気、どっかで見たことあるような・・・。」
鈴「これって、日本で言えば『東京』みたいなものね。」
箒「ああ、それに近い。」
ビリー「広さはアメリカのニューヨーク並みにあるぜ。」
一夏「とにかく、今は情報収集をしよう。」
地上に降りて都市に入る。
ラウラ「何だか、建物が多くてどこから回ればいいかわからないな。」
アルゴス「とりあえず人が多く集まってそうな場所に行こうぜ。」
街を歩くと、至る所に血の跡が。遠くから眺めるのとはまた違っている。
弾「街の通りのあちこちに血が・・・・。」
弾は顔がやや青ざめる。
簪「だ、大丈夫かな?私達帰れるよね?」
レオ「簪、あまり周囲を見るな。」
簪は嫌な予感に苛まれる。
セシリア「あの建物は、パブでしょうか?」
セシリアが指差す方を見ると、そこにはパブらしき建物が。
ラウラ「パブとは何だ?」
シャルロット「大人の人達がお酒を飲んで話す場所だよ。」
ビリー「そうだとしたら情報収集には最適だぜ。パブにはいろんな奴が通いつめるからな。」
弾「なるほどな。」
鈴「でもあたし達未成年よ。」
箒「雰囲気も何だか怪しいぞ。」
一夏「ここはひとまず行くとしよう。何、俺たちはすでに怪しい空間をさまよっているんだ。」
アルゴス「だよな。」
エクトル「あまり関心しないけど、他に手がかりがない以上行くしかない。」
一行はパブに入った。
一夏「あのー、すいません。」
すると、中にいたヤクザのような客数人が一斉に一夏達の方に向く。
「何だテメエら!?」
「ここはガキの来る場所じゃねえぞ!」
男性客の何人かが一夏達に罵声を浴びせる。
弾「いきなり何だよ!?」
セシリア「何ですかこの方々は!!」
シャルロット「すみません、僕たちはこの街について聞きたいことがあってここに来たんです。」
酔っ払い「ようかわい子ちゃん、だったら俺らに付き合ってもらうぜ、ヒック。」
酔っ払いの1人がシャルロットに言い寄ってくる。
シャルロット「!!」
鈴「ちょっとアンタ、シャルロットに手を出すんじゃないわよ!」
酔っ払い「邪魔すんなよこの貧乳、ぐわっ!!」
『貧乳』と言った瞬間、ものすごい一撃が酔っ払いを跳ね飛ばした。
鈴「何だって、よく聞こえなかったんだけど!?」ギロッ
シャルロット「り、鈴。」
鈴は甲龍の右腕を展開していた。
一夏「鈴、よせ!!」
鈴「はっ、ごめん一夏つい!!」
弾「まあ気持ちはわかるがな。」
ラウラ「うむ、全くだ。」
酔っ払いはかなりの形相で立ち上がる。
酔っ払い「おいおいこのアマ、やってくれるじゃねえか。あん!?」
ビリー「ケッ、自業自得だろうがオッサン。」
酔っ払い「何だとこのガキ!?ぐおっ!?」
ビリー「酒臭えんだよ!!」
ビリーは持っていた三節棍で酔っ払いを叩きのめす。それを見て、仲間らしき男性客もビリーに飛びかかる。
男性客「殺っちまえ!!」
ビリー「ヘッ、喧嘩上等だぜ!!」
ビリーはさらに暴れまくる。
鈴「手伝うわよビリー!!」
アルゴス「俺も加勢するぜ!」
鈴とアルゴスも加わり、大乱闘が始まった。
セシリア「ままままあ皆さん!!」
一夏「おいおい暴れたらまずいだろ!!」
簪「一夏、止めない方がいいと思う。」
レオ「どうせすぐ片がつくからな。」
箒「いや、そういう問題か!?」
数分後、乱闘に参加した男性客は皆ギタギタにされてしまった。
男性客「く、くそう。何て奴らだ。ゲホッ。」
弾「あーあ、全員完全に伸びてやがるぜ。」
一夏「ちょっと暴れすぎだな。」
ラウラ「これじゃ情報収集どころじゃないぞ。」
鈴・アルゴス・ビリー「・・・・面目無い。」
すると、奥から男の声がする。
声「おいあんたら、こいつらを叩きのめすとは中々やるじゃねえか。」
このパブのマスターだろうか、年配の男がこちらを見ている。
エクトル「すみません、騒ぎを起こしてしまって。」
一同「すみませんでした。」
マスター「いやいや気にするな。さっきの光景はここらじゃどこでも見られる。『悪魔』が加わりゃこんなものじゃねえ。」
アルゴス「この街に悪魔がうろついてるのか?」
マスター「ああ。」
一夏「・・・この都市について聞きたいことがあるのですが。」
マスター「いいだろう。」
パブのマスターは色々とこの都市について説明し出した。
この都市はほぼ無秩序な状態で、『支配』をめぐって人間や悪魔が争う事が日常茶飯事だという。
そのグループはあちこちに存在するという。
一夏「そういうことでしたか。」
エクトル「無法地帯である事を放っておくのはどうかと思いますが。」
マスター「なあに、ここで生きるにはそれなりの力が必要なのよ。それに、力と言っても、何も暴力だけじゃねえ。
知識、特技、才能といった力でも人や悪魔を支配できる奴もいる。ちなみに俺は店を出している事で争いを免れている。
何らかの強さを持ってりゃ何しようがOKなのさ。それがこのグリモヴァールのルールなのよ。」
アルゴス「成る程、お手頃でいいルールだな。」
箒「強さを持つ、か。」
簪「ここの悪魔も亡国機業の手駒になってる囚人がISに取り込まれた事で生まれてるの?」
マスター「そういう悪魔もいるが、中には争いに負けた事で悪魔にされた奴もいれば、自ら悪魔となった奴もいるぞ。」
セシリア「となると、囚人ばかりではないという事ですのね。」
エクトル「冗談じゃない、悪魔にされてしまうならともかく、何だって自分から悪魔にならなきゃいけないんだ?」
レオ「その理由は様々なものがあるだろうな。」
簪「人間の強さに対する意識って難しいよね。」
ラウラ「ところで、ルシフェル達はどこにいるのだ?」
マスター「ルシフェル?ああ、スコールさんの事か。彼女ならいつもはこの先にあるセントラルタワーにいる。
『レクトラート』って名前のな。」
一夏「ご協力ありがとうございます、よし、ルシフェル達に会いに行くぞ!」
一夏達はグリモヴァールのセントラルタワー『レクトラート』へと向かった。