一夏「・・・・・・。」
いつものようにIS学園で過ごす一夏だが、グリモヴァール調査から数日経っても浮かない顔をしていた。
千冬「このように、ISはアラスカ条約によって・・・。」
一夏「・・・・・。」
授業中も一夏はどこか上の空だ。
千冬「おい織斑、聞いているのか?」
一夏「あ、いや、すみません!!」
千冬「グラウンドを20周ほどしてこい。(これで少しでも気が紛れればいいが。)」
一夏「・・・・はい。」
一夏は教室を出て行った。
箒「(あの一夏がここまで思い悩むとは。)」
弾「(ありゃあ相当きてるな。)」
セシリア「(けれど私では・・・。)」
レオ「(どうしようもないぜこりゃ。)」
シャルロット「(一夏の悩みは僕達が抱えてきた悩みとは桁が違うしね。)」
ビリー「(一夏・・・、畜生、エクトルもアルゴスもあいつを悩ませやがって。)」
ラウラ「(今度ばかりは教官でも解決は難しいようだな。)」
エクトル・アルゴス「・・・・・・。」
Side2組
「見てみて、織斑君がグラウンド走ってるよ。」
「授業中何かあったのかな?」
「なんか珍しいよね。」
鈴「(・・・一夏、やっぱまだ悩んでるのね。こんな時どうすればいいんだろ。あいつには何度も助けてもらってたってのに。)」
Side4組
「あれ織斑君じゃない?」
「ずっと走ってて大丈夫なのかな?」
「簪、織斑君に何かあったの?」
簪「うん、ちょっとね。でもそっとしておいてあげて。(一夏は私達には想像もできない事で葛藤してるんだから。)」
Side一夏
一夏「・・・・・・。」
一夏はただひたすらグラウンドを全力で走っていた。
何もかもから逃げたいと言わんばかりに。
一夏「(何で、何でだ!?何故こんなにも悩まなきゃならないんだ!!)」
膝が笑うのも構わず走り続ける。
一夏「(人間にとって導きは何かを信じて生きるために必要だ。でも、支配もこの世界ではそれなりに意味をなしてる。
この二つのどちらとも大切にできる選択はないのか?それに、俺はコア研究ををこんな事態を引き起こすために考案したつもりはないんだ!だが、どうやってエクトルとアルゴスを和解させる!?俺はどうすれば!?)」
考えれば考えるほど答えがわからなくなる一夏は目に涙を浮かべながら走った。
一夏「っ!!」ドタッ
走り疲れた一夏はその場に倒れてしまった。
倒れてから一夏は夢を見ていた。
一夏「ここは・・・・。」
一夏は草原の上に立っていた。上には見渡す限り青空が広がっている。
一夏「ここは、グラウンドじゃないよな。」
一夏はひたすら草原を走っていく。しばらくすると、人影が現れた。
その姿は、右に白、左に黒の翼を持つ青年だった。
青年「人の子よ、迫る決断に立ち向かう時が来たようだな。」
一夏「お前は誰だ!?」
少年「汝は今、運命の天秤を目の前に苦悩している、そうだな?」
一夏「・・・・エクトルとアルゴスの事か?ああそうだよ、俺は正直どうすりゃいいかわからねえんだよ!!
2人とも、かけがえのない友達なんだ。そいつらが目の前で互いに対立してるんだよ!!!」
青年「ならば答えは既に得ているではないか。」
一夏「何、どういう意味だ!?」
青年「来るがいい。汝が力の示す先にある所へ・・・・。」
一夏「お、おい、ちょっと待てよ!!」
青年は意味深な言葉を残して消えていった。
気がつくと、一夏は医務室にいた。
一夏「・・・・あれ?何でここに。」
起きてみると、皆が医務室に入ってきた。
シャルロット「一夏、よかった、気がついたんだね。」
一夏「シャル、俺は一体?」
鈴「グラウンド倒れてるのが目に付いたから、みんなで一夏を医務室に運んだのよ。」
セシリア「無事で何よりですわ。」
一夏「そうか、ありがとう。」
ビリー「しかしビックリだよなあ、急に倒れるんだからよ。」
箒「ああ、何事かと思ったぞ。」
ラウラ「倒れてから3日も寝ていたのだからな。」
一夏「悪い悪い。」
千冬「倒れるまで走るとは。真面目過ぎにも程があるぞ。」
山田先生「まあ、そこが織斑君の良さですけどね。」
一夏「す、すみません」
ふと、皆をみると、本来一緒にいるべき2名がいない。
一夏「・・・・エクトルとアルゴスは?」
簪「一夏、すごく言いにくいんだけど。」
簪は悲しそうな表情を浮かべる。
レオ「いいよ簪、俺が言う。一夏、エクトルとアルゴスは、お前が倒れてから次の日から姿をくらましたんだ。」
弾「言ってみりゃ、失踪ってやつだよ。」
一夏「そうか、だが行き先は見当がついている。エクトルはプロサナトリス、アルゴスはグリモヴァールに行ったに違いない。だから、丁度俺も出ようと思ってたんだ。」
山田先生「まさか、織斑君までいなくなるなんてことは。」
山田先生が不安そうな顔をする。恋人のエクトルが失踪したのだから無理もない。
一夏「それはないですよ、実は夢で俺の悩みの答えを知るというやつに会いましてね。」
箒「何、それは本当なのか?」
一夏「俺の力が指し示す方向にある場所へ行けって。」
セシリア「それってもしかしたら。」
ビリー「お前の白式の事じゃねえのか?」
ラウラ「うむ、そう考えるべきだろうな。」
鈴「でも指し示すってどんな風に?」
弾「指し示す場所へ行けって事は、外に出りゃいいんじゃないか?」
一夏「よし、外へ出るか。」
一同は学園の外に出る。すると、待機状態の白式が光り輝き出した。
レオ「おい、白式の光り伸びて行くぞ。」
千冬「よし、更識、光の行方を学園内のロード・ビューで追ってくれ。」
楯無「はい。」
楯無はロード・ビューで光の後を追う。光の終点を発見し、千冬に報告する。
楯無「位置がわかりました。場所は東京の『モデレーション・タワー』の頂上です。」
千冬「わかった。」
一夏「よし、それじゃモデレーションタワーに直行します。行こう皆!」
一同「ああ!(はい!)(うん!)」
千冬「一夏、行くのだな?」
一夏「姉さん、今度ばかりは止めないでくれ。ようやく答えが出そうなんだ。」
千冬「一夏・・・。よし、行ってこい!皆も一夏を頼むぞ!!」
一同「はい!!!」
一夏達はモデレーション・タワーに向かった。