Sideエクトル
エクトル「一夏の決断を待っている時間はない。間違いなくアルゴスはグリモヴァールに行き、冥王復活に協力する。
その前に僕が止めなくては。」
エクトルは1人、プロサナトリスへと向かった。
そんな中、エクトルは恋人山田先生との写真を見る。
エクトル「・・・・真耶さん、僕は行かなければならない。神の慈愛の導きによりあなたを幸せにするためにも、
僕は天使達の理想とする秩序を築かなければ。この戦いが終われば、僕はあなたと永遠の安寧の世界で暮らせる。」
エクトルはもう誰にも止められない勢いである。
しばらくしてゼノン遺跡に到着する。
入り口が閉じているが、エクトルは聖杯の台座に向かって叫ぶ。
エクトル「聞こえるか?天使達よ。僕はあなた達の理想のために協力する事を決意した。
僕をプロサナトリスへと導いてくれ!!」
すると、入り口が開き、エクトルは飛び込む。
プロサナトリスに着くや否や、エクトルは大聖堂へと向かった。
セラフィム「エクトル、誉ある選ばれし人の子よ。」
ミカエル「我らと共に戦いますか?」
エクトル「はい!」
ガブリエル「一夏や他の友がいないようですね。」
エクトル「・・・・・。」
クシエル「エクトルよ、聞くが良い。我らは、グリモヴァールと共に、人間界を消滅させることにしました。」
エクトル「人間界を消滅させる!?」
セラフィム「人間界は我ら導きの世界に収めるには余りにも不完全すぎます。」
エクトル「・・・・・。」
エクトルはどこか心配そうだ。
ガブリエル「案ずるなエクトル、我らは汝が信じる人間はすべて救っていきます。それがあなたの望みでもあるのでしょう?」
エクトル「はい!(よかった、真耶さんに一夏達は助かるのか。)」
セラフィム「アルゴスはグリモヴァールで堕天使達と力を合わせ、冥王をこの世に復活させようとしている。
それを討つには我らもその力を手にしなければなりません。」
クシエル「冥王に対抗できるのは、『神の代行者』の力が必要です。」
エクトル「神の代行者!?」
セラフィム「神の代行者を降臨させるには、我らの魂と、神の代行者を宿らせる選ばれし人の子の肉体が必要です。」
クシエル「つまり、あなたに神の代行者の力を授けるということです。」
エクトル「僕が、神の代行者に!?」
ガブリエル「しかし、私達と一つになり、神の代行者の力を宿したら最後、あなたは二度と人間には戻れません。
それは言わば、あなたに人間としては死を迎えさせるようなもの。」
エクトル「死ぬも同然・・・・。人間を辞める・・・・。」
エクトルはこれから自信に起きようとしてる事の意味を悟り、涙をにじませる。しかし、彼の決意は揺らがなかった。
エクトル「天使達よ、僕は迷いません。多くの民を救うための秩序をこの世にもたらすためなら、この身など惜しくはない。
僕は今日の安寧が明日も続く世界を、愛すべきもの達のために作り上げる!!」
ガブリエル「決まりですね。ではエクトル、力を授けましょう。」
この瞬間・・・・、エクトル・ベレンは・・・・死んだ。
Sideアルゴス
アルゴス「一夏、悪いな。お前はまだ迷っているんだろうが、俺はもう行くぜ!エクトルは間違いなくプロサナトリスで天使達と手を組むに決まってる。」
アルゴスは1人、グリモヴァールへと向かっていった。
インフィエルノ島に着き、グリモヴァールに突入するや否や、レクトラートへと足を踏み入れた。
レクトラート頂上
アルゴス「ルシフェル、お前らに協力する決心が着いたぜ!」
ルシフェル「アルゴス、あなたはきっと来てくれると思ったわ。」
ベリアル「一夏や他の者は来ていないようだな。まあ一夏はまだ迷っているんだろうが。」
アルゴス「・・・・。」
バラキエル「アルゴス、すべての者に自由を与える支配を望む人の子よ。いよいよ支配実現の時を迎えるわ。」
アルゴス「ああ。」
ルシフェル「でもアルゴス、それには少々問題があってね。」
アルゴス「天使やプロサナトリスの存在だろ?」
ルシフェル「それもそうだけど、もう一つ問題があるの。それは人間界よ。」
アルゴス「どういう事だ?」
バラキエル「人間界はすべての者が思うように生きられるほど自由は保証されていないわ。中途半端なルールが少なからず存在しているし。」
アルゴス「それはそうだな。」
ベリアル「そこでだ、私達の手で、プロサナトリスもろとも人間界を抹消する事にした。」
アルゴス「抹消!?」
ルシフェル「心配には及ばないわアルゴス、あなたの意志のままに助ける人間を選ばせるつもりよ。何も気にしなくていいわ。」
アルゴス「よかった、なら一夏達とまた一緒になれるわけだ。」
バラキエル「本題に入るわ。私達の世界の支配を阻止するため、恐らく天使達はエクトルを使って、神の代行者を降臨しようとしてる。それに対抗するためにも、冥王の力は必要なの。」
アルゴス「成る程、で、どうやって冥王を復活させるんだ?」
ルシフェル「神の秩序への反意の象徴である私達の魂と、選ばれし人の子の肉体が合体する事で、冥王との契約が生まれるわ。
そして、契約者となった人の子の肉体に冥王の力が宿る。つまりアルゴス、あなたが冥王となるのよ。」
アルゴス「俺が、冥王になるだと!?」
バラキエル「ただ、契約者となり冥王の力を手にした人の子は、人間ではなくなってしまう。
簡単に言えば、人間としては『死ぬ』って事ね。」
アルゴス「死ぬ・・・・。人間じゃ無なくなる・・・・。」
アルゴスはふと考えた。人間ではなくなった事で、友である一夏達と、自分の支配する世界で暮らせるかどうかという事である。
アルゴス「(でも、一夏には差別も偏見もない。女尊男卑のこの世を良くするべくフリーク・コアを考案したんだもんな。
一夏ならきっとわかってくれる。)」
意を決してアルゴスは叫んだ。
アルゴス「ルシフェルよ!俺はもう迷わない!俺は冥王となり、一夏達と自由な世界を創造していくんだ!!」
ベリアル「決まりだな、じゃあ契約といこうか。」
この瞬間・・・・、アルゴス・イリアディスは・・・・死んだ。
Side一夏
一夏達は白式の光の指す方へと向かい、モデレーション・タワーへとたどり着いた。
そのままエレベーターに乗り込み、頂上に着く。
ラウラ「ここが光の終着点のようだな。」
弾「一体こんなところに何があるってんだ?」
すると、上空から一夏が夢で見た青年が現れる。
ビリー「何だよコイツ!?」
一夏「お前は一体?」
青年「我は、創造主クラスト。」
セシリア「創造主!?」
箒「イエス・キリストの親戚か何かか?」
鈴「そんな訳ないでしょ。」
シャルロット「一夏をここに呼び出した訳を聞かせてくれない?」
クラスト「皆も気づいているだろうが、エクトル、アルゴスはそれぞれプロサナトリスとグリモヴァールに向かい、
世界の行方を左右させるであろう戦いに身を投じようとしている。」
ラウラ「それはつまり、エクトルとアルゴスの戦争って事か?」
クラスト「エクトルは神の代行者、アルゴスは冥王となり、多くの天使や悪魔を従える力を持っている。それらがぶつかり合えば天使と悪魔の戦争が人間界で起こる事になる。」
簪「そんな!それじゃ大勢の人が犠牲になる!!」
レオ「何とかならないのかよ!」
クラストふと、一夏の方に向き直る。
クラスト「一夏よ、選ばれし人の子の一人であるお前は、導き、支配の2つを調和させる事を選んだ。」
一夏「当たり前だろ。エクトルとアルゴスは、何があろうと俺たちの友だ!!」
クラスト「調和は導きや支配よりも過酷で困難なものだ。それでも調和を望むか?」
一夏「二言はない!!」
クラスト「わかった。では、お前の肉体に我が創造の力を宿すとしよう。」
セシリア「一夏さんに創造主の力が宿るとどうなるのですか?」
クラスト「一夏は創造主となり、神の代行者と冥王に対抗できるようになる。」
ビリー「す、すげえぜ!一夏が神様みたいになっちまうってのかよ!?」
クラスト「神の代行者と冥王を倒せば、プロサナトリスとグリモヴァールは再び人間界と調和するであろう。」
鈴「再びって、じゃああの世界は元々人間界の一部だったって事!?」
クラスト「かつて人間界に神と天使、冥王と悪魔の概念が生まれた時、一部の信者達により世界は3分されたのだ。」
レオ「マジかよ、宗教的なやつは恐いよなあ。」
クラスト「神の代行者と冥王を倒す事で、3世界の人の子らが再び手を取り合う日が訪れるであろう。」
箒「何と素晴らしい選択だ!!」
簪「それこそ私達が探してた答えよ!!」
クラスト「一夏よ、我が力を受け取りし時、何時は人の子ではなくなってしまうが、それでも調和を望むか?」
一夏「・・・・。」
一夏はみんなの方を見る。
箒「心配ないぞ一夏。」
セシリア「私達はあなたを信じています。」
シャルロット「人間を超えたって、僕たちが一夏を好きな事に変わりはないよ。」
ラウラ「妻としてどんな時でもお前について行くぞ!」
鈴「一夏、だから迷わないで。」
ビリー「みんなでエクトルとアルゴスを助けるんだ!!」
簪「私達で力を合わせればいけるよ!」
レオ「一夏、だからお前も俺達を信じろ!」
一夏「みんな・・・・。創造主クラスト、俺に力を!!」
クラスト「では行くぞ!!」
クラストは大きな光の塊となり、一夏の肉体に宿った。
一夏「ぐっ、この力は凄すぎる!!」
鈴「一夏、大丈夫!?」
一夏の肉体に次第に変化が出た。背中から雄大な白の右翼と黒の左翼が3枚ずつ生え、右目の虹彩は青く、左目の虹彩は赤くなった。
箒「これが、創造主の力を宿した一夏!!」
弾「何か凄すぎるぜ!」
一夏「凄い力がみなぎってくる。これでISを使えばどうなるか。」
セシリア「夢でも見ているようですわ。」
シャルロット「一夏が人間を超えた存在になるなんて。」
一夏「大丈夫だ、心はいつも通りだぜ!」
ラウラ「一夏・・・強くなったな。」
ビリー「皆、織斑先生から連絡だ!一旦学園に戻るようにだとよ。」
一夏「よし、それじゃ行くか!」
一同はIS学園へと戻っていった。