急遽、セシリアとのクラス代表決定戦が決まり、2週間後に向けて一夏の特訓が始まった。
訓練機「打鉄」に乗り、操作を確認する。
一夏「おっと、こりゃあ気を抜くとイメージから外れた動きになってしまうぜ。」
最初は空を飛ぶのが少し怖くもあったが、操作に慣れてくるにつれ、訓練機との一体感を掴んでいく。
次は武器の使用法。打鉄の装備は刀であり、この間箒と剣道をしたおかげで少しは扱える。しかし、それでもまだ不安要素があるので、箒にさらなる剣技を教えてもらう。
箒「一夏、接近戦ではなるべく振りを小さくしろ!」
一夏「わかった!」
このような調子で箒に鍛えてもらっている。
千冬「(あんなに剣技にこだわる一夏は見たことがないな、機会があれば私も教えよう。)」
操作や戦闘訓練の他にも、操縦に必要不可欠なトレーニングを急ピッチで進め、肉体的にもかなりの負担がかかったが、それでも一夏は執念深くついていった。
千冬「織斑、クラス代表決定戦にそれほどの執念を見せるとはな。」
一夏「…クラス代表になるためというより、さっきセシリアに言ったことを証明するためですね。」
千冬「そうか、まあ理由はどうあれ、いい勝負が出来るよう、武運を祈るぞ。」
一夏「はい‼︎」
訓練を終え、昼食に入る。
食堂はかなり広く、それにすごく綺麗だ。
一夏「さて、ここで食うかな。」
とりあえず中央の丸テーブルに座る。
箒「一夏、隣いいか?」
一夏「ああ、いいぜ。」
箒が隣に座る。すると、一組の生徒が何人か座ってきた。
「ねえねえ、私たちもいいかな?」
「織斑君のこともっと知りたいし!」
「私もおりむーと食べる〜。」
自称、クラス一の情報屋の谷本さん、谷本さんの相棒的な鷹月さん、学園一の癒し系の布仏さん(通称のほほんさんby一夏)が
テーブルに来た。
一夏「もちろん。いいよな箒。」
箒「あ、ああ。(流石に二人きりにはなれないか…。)」
箒が一瞬ヘコんでたが、何だろう?
谷本「それにしても織斑君えらいことになったよね。」
鷹月「代表候補生相手じゃ勝ち目はないと思うけど、日本人として応援してるからね。」
一夏「ああ、勝負の行方はともかく、日本に恥じない戦いをするよ。」
箒「私も精一杯手伝わせてもらう。」
のほほん「おりむー、ファイトだよー。」
一夏「ありがとな、みんな。」
谷本「そういえば織斑君の部屋ってどこかな?」
鷹月「もしよかったら寄らせてもらってもいい?」
一夏「部屋は織斑先生の隣だからやめといたほうがいいぜ。」
のほほん「う〜ん、残念だよ〜。」
箒「まあ当然だな。一夏は織斑先生の弟で、ただ一人の肉親だからな。」
こんな感じで話が盛り上がり、昼食後再び訓練を行っていく。
こうして、2週間が過ぎていった。
そして、クラス代表決定戦当日…
試合用アリーナのギャラリーには、全校生徒が大観衆となっている。史上初の男性IS操縦者と、代表候補生の戦いには、データ取得も含め、かなりの興味を引くようだ。
一夏はプレッシャーの中、アリーナに入る。
そこには燻んだ白の機体が置かれていた。
山田「これが織斑君の専用機、『白式』です。」
千冬「すまないが織斑、これが届いたのは今朝方だったからな。時間がないから試合中でモノにしろ。」
一夏「はい!」
箒「一夏、自分を信じて頑張ってくれ。」
一夏「おう!行ってくるぜ!」
アリーナへと飛行していき、そこで待っていたセシリアと対峙する。
セシリア「あら来ましたの?未経験の専用機まで身につけて、度胸だけは一人前ですわね。」
一夏「自分で言うのも何だが、臆病風とは無縁でな。」
試合開始のブザーが鳴る。
セシリア「私のブルー・ティアーズの前に散りなさい!」
始まりと同時に彼女は距離を開け、ブルー・ティアーズの装備の一つ、スナイパーライフル「スターライトmkⅢ」で攻撃を仕掛ける。かなりの弾数だが、一夏は最小限の動きでかわしていく。装備を確認すると、原作通りブレード一本のみだ。
セシリア「この私にそのような武器だけで勝てるはずがございませんわ!」
一夏「勝負は武器の数で決まるわけじゃないぜ!」
放たれるレーザー光をブレードで掻き分けながら徐々に接近し、連射攻撃の一瞬の隙を狙い、ブレードをセシリアの手元に当てた。
一夏「まずは先制をいただいたぜ。どうやら接近戦は苦手みたいだな。」
セシリア「やりますわね、でもまだ手はございますわ。」
セシリアはまたも距離を開け、今度はミサイルを発射してくる。それに加え、4機のビット兵装により、全方位からの攻撃を仕掛ける。
一夏「(ここまで来るとは、どうやら本気になったようだな。)」
ビットからの攻撃をかわしても、回避先にはミサイルの爆風があり、回避だけではシールドエネルギーを維持し切れない状況となった。
一夏「(ここはダメージ覚悟で行くか。)」
一夏は咄嗟にビット兵装の一つに一直線に向かい、それを破壊する。まだ3つ残っているが、一つ空きができたことで移動範囲が広がり、そこから再びセシリアに踏み込んでいく。間合いを詰められ、焦ったセシリアは必要以上のミサイルを放ち、それを一夏がかわしたことで残りのビット兵装を、自らの手で破壊する展開となった。
モニタールーム
山田先生「お、織斑君にこれ程の力があったなんて。2週間前から機体を操作し始めたとはとても思えません!」
箒「(一夏、凄い。それにかっこいいな、いや待て、あそこにいるのは私の知る一夏ではないんだぞ。何故こうも胸がドキドキする⁉︎)」
千冬「白式はまだフォーマットとフィッティングが完了していない。その時で全てが決まる。」
白式「フォーマットとフィッティングが完了しました。確認ボタンを押してください。」
一夏「(そうか、これで例のアビリティが発動可能になるのか。)」
ボタンを押すと、白式の燻んだ白は光り輝く純白となり、背面からは天使を思わせる翼が生えた。持っているブレードは青白いオーラを纏い、大剣「雪片弐型」となる。
セシリア「ファーストシフト!まさかあなた、今まで初期状態で戦っていたのですか⁉︎」
一夏「ここで決めるぜ!」
セシリア「くっ、インターセプター!」
弾数がほぼ空となったセシリアは、近接武器を出し応戦する。しかし、剣技を鍛え上げてきた一夏の一撃を止めることはできなかった。一夏の雪片弐型の光刃がセシリアの肩を直撃し、アビリティ「零落白夜」により、彼女のシールドエネルギーをゼロにした。
「勝者、織斑一夏‼︎」
一夏「いよっしゃあ!!!」
その瞬間ギャラリーは大興奮する。試合を終えて着地後に白式を解除した途端、急に身体に痛みと重みがくる。
一夏「くっ、やっぱり慣れないことは急にするもんじゃないな。」
片膝を着く一夏、そこに箒と千冬が駆け寄る。
箒「一夏、大丈夫か⁉︎お前の大勝利だぞ‼︎」
千冬「素人ながらよくやったぞ織斑、流石は我が弟だ。」
一夏「…ありがとうございます。」
身体を箒に支えてもらいながら一夏はそのまま医務室へと向かった。