IS Brotherhood   作:magnumheat

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神の代行者

大聖堂の中に入ると、奥にエクトルがケイローンを身に付けて立っていた。

 

エクトル「待っていたよ一夏、それに皆も。」

 

一夏「・・・・エクトル。」

 

エクトル「天使から聞いたよ。その身体、創造主クラストの力を宿したんだろう?」

 

箒「エクトル・・・。」

 

エクトル「一夏、やはり君も己の信念を貫く事を選んだんだね。その力を肉体に宿しここへ来たということは、

僕の慈愛に満ちた秩序・安寧を拒むつもりかい?」

 

セシリア「エクトルさん・・・、何をおっしゃってますの?」

 

山田先生「エクトル君、織斑君はあなたを説得しに来たのよ!!」

 

エクトル「真耶さん、あなたは僕より一夏を信じるのですか!?僕は今神に代わって、あなたや一夏達のために

この世の真の平和をもたらそうとしている!何故それがわからない!?」

 

エクトルは普段見ない表情で声を荒げる。

 

山田先生「っ!?」

 

ビリー「エクトル、てめえ今の事態わかってんのか!?」

 

鈴「アンタとアルゴスのおかげでIS学園どころか、世界中が大変な事になってんのよ!!」

 

エクトル「君達が僕と共にアルゴスと堕天使達を倒せばこんな事にはならなかったと思うが。」

 

弾「・・・・そんな事できるかよ。」

 

レオ「なあ、エクトル、アルゴスは堕天使達の仲間かどうかと言う以前に、俺たちの友達だろ?」

 

簪「エクトル、お願いだから目を覚まして!!」

 

必死に説得するも、エクトルは微動だにしない。

 

エクトル「どうやらここまでのようだな。残念だが一夏、君も所詮は下等な生まれの人間に過ぎなかったようだな。

選ばれし者同士、決着を着けよう!神の意志と、君が抱く信念、どちらが勝るか!」

 

一夏「・・・ああ、そうしようエクトル!!」

 

すると、突然エクトルの体が光り輝き出した。

 

エクトル「見るがいい!!神の代行者の力を宿し我の姿を!我はもう、エクトルなる人の子を超えたのだ!!」

 

みるみるうちにケイローンは形態を変え、そして、エクトル自身の姿も変わっていった。

 

一夏「エクトル、お前。」

 

山田先生「エクトル君!!」

 

エクトルの三つ編みの髪は解け、エメラルド色だった目の虹彩は、

心を射抜くような鋭い金色となり、瞳孔が消えた。

そして、エクトルの背中には6枚の黄金の翼が生えた。

 

「我は、神の裁きの代行者、煌天使(こうてんし)セラフィエル。新たなる世界の秩序・安寧のために、汝ら汚れを我が光の前に消し去ってくれる!」

 

一夏「皆、気をつけろ!!!」

 

セラフィエルの攻撃が始まる。それは瞬く間に一夏達にダメージを与えた。

 

弾「ぐわっ!!絶対防御システムが効かねえぞ!」

 

セシリア「くっ、なんて凄まじい力!!」

 

箒「しかも、この痛みは!!」

 

普段はISの戦闘においては絶対防御のシステムにより、パイロットが命の危機にさらされることは殆どない。

しかし、一夏達の体には、傷が。

 

セラフィエル「無駄だ!!神より出でし我が力は、いかなるものでも阻むことはできぬ!!」

 

レオ「ゲホッ、こりゃいよいよ命懸けだ。」

 

レオは腹部に衝撃を受け、吐血する。

 

簪「レオ、大丈夫!?」

 

レオ「大丈夫だ!」

 

鈴「それなら攻撃あるのみよ!!」

 

鈴はセラフィエルに衝撃砲を放つ。

しかし、セラフィエルは一瞬で衝撃砲を消し去った。

 

鈴「嘘、全然効いてない!?」

 

シャルロット「これならどうかな?」

 

シャルロットがアサルトライフルの攻撃を命中させるも、機体には傷一つ付かない。

 

セラフィエル「そのようなものでは、神に授かりし我が肉体を貫くことなどできぬ!!」

 

ビリー「冗談じゃねえよ!!」

 

ビリーはなり振り構わずデルタライガーでガンガン叩きまくるが、

 

ビリー「ゲッ!?武器がイカれた!」

 

デルタライガーが一部破損する。

 

箒「馬鹿な!?元は同じISなのに、なぜ武器が効かない!?」

 

赤椿の雨月、空裂も刃こぼれが生じる。

 

セラフィエル「今度はこちらの番だ!裁きの光を受けよ!!」

 

セラフィエルの翼からエネルギー波動が発せられる。

 

セシリア「ミサイルで止めます!!」

 

ブルーティアーズのミサイルが当たるも、全く消えなかった。

 

一夏「皆、俺の後ろに来い!!」

 

一夏は白鋼で波動を受け止め、波動を消し去る。

 

ラウラ「一夏、大丈夫か!?」

 

一夏「心配ない!!」

 

一夏には殆ど傷がない。白式の肉体治癒の効果に加え、今の一夏には神に対抗できる創造主の力が備わっているからだ。

 

弾「どうにかして奴の弱点を見つけねえと!!」

 

レオ「でもよ、攻撃が全く効かないんだぜ!」

 

山田先生「とにかく色々やってみましょう!!」

 

一夏「ああ、煌天使とはいえ、ISに過ぎない!これでも食らえ!!」

 

一夏はセラフィエルに白影剣や零落白夜光を放つ。

すると、ほんの僅かだがセラフィエルにダメージが見られた。

 

セラフィエル「ぐっ、流石は創造主の力!!」

 

簪「ここは一夏を中心に攻めるべきね。」

 

一夏「箒、絢爛舞踏を頼む!」

 

箒「ああ、任せろ!!」

 

箒は絢爛舞踏で白式のエネルギーを増幅する。

 

シャルロット「僕らは箒にセラフィエルの攻撃が及ばないよう足止めだね!」

 

ラウラ「ああ、皆、一夏と箒を守れ!!」

 

一同「おう!(はい!)(うん!)」

 

一夏と箒を中心に、セラフィエルとの攻防は続く。

 

セラフィエル「・・・まだ倒れぬか。流石は創造主の力を宿し人の子。汝らに問う、神の絶対なる秩序に背き、且つ冥王の支配にも抗う。あまりに過酷なこの戦いを、誰がために、何のために行うのか?」

 

一夏「確かに、いつの時代でも人間は不完全で愚かで弱い者だ。でも、だからこそ人はどこまでも変わっていける!!

どこまでも強くなれる!!この戦いを行うのも、その信念を貫き、己の大切な人々を守りたいがためだ!!」

 

箒「女尊男卑の今の世でも、一夏は人を信じている!」

 

セシリア「私が殿方に対する考えを変えられたのも、一夏さんのお陰です!!」

 

鈴「だからあたし達も頑張れるのよ!!」

 

シャルロット「一夏はどんな人もありのままに受け入れる心を持ってる!!」

 

ラウラ「一夏の強さは力だけではない!!」

 

弾「どこまでも仲間を信じる心が、俺たちも強くしてくれるんだぜ!!」

 

ビリー「だからこそ、セラフィエル、エクトルをてめえから救うんだよ!!」

 

山田先生「あなたにとってエクトル君は神に相応しい人でも、私にとってはかけがえのない、愛すべき人よ!」

 

レオ「秩序とか安寧とか導きとか、偉そうな事は、誰か一人でも幸せにできてから言うもんだぜ!!」

 

簪「エクトル、今助けるからね!私達はあなたを信じてる!!」

 

セラフィエル「汝らは汚れし人の子の希望の光にでもなったと言うのか?

ならばその決意、我に示せ!!」

 

セラフィエルはアルテミスから無数の矢を放つ。

一夏は白影剣を飛ばし、矢を撃ち落とす。

 

一夏「食らええええぇぇぇーっ!!」

 

一夏は白式のほぼ全エネルギーを雪片弐型に込め、零落白夜を叩き込んだ。

 

切り裂かれた部分からは、ケイローンの一部が露出する。

 

セラフィエル「馬鹿な!?」

 

一夏「皆、あの部分を攻撃しろ!!恐らくセラフィエルはエクトルとケイローンを宿主にしている筈だ!!」

 

ラウラ「わかった!!皆、総攻撃だ!!」

 

一夏以外の皆はありったけの攻撃をその部分に命中させる。

 

破壊した部分からエクトルの姿が見えた。

 

一夏「弾、ラウラ、セラフィエルの動きを封じてくれ!!」

 

弾・ラウラ「任せろ!」

 

弾の魔葬鎖刃、ラウラのワイヤーブレードがセラフィエルをがんじがらめにする。

 

一夏「待ってろよエクトル、今出してやる!!」

 

一夏はエクトルの身体を抱え、引きちぎるようにセラフィエルから救出し、山田先生に預ける。

 

山田先生「エクトル君!!」

 

山田先生はエクトルに必死に声をかける。

 

エクトル「・・・・ま、や、さん。」

 

エクトルは元の表情に戻っていた。

 

セラフィエル「何故だ!?我は、神の代行者なるぞ!何故、人の子らに敗れた!?」

 

エクトルとケイローンを失ったことで、セラフィエルの全身が消滅し始める。

 

一夏「ISは神のものでも、悪魔のものでもない、人間のものだ!!貴様らにはわからないだろうがな。」

 

セラフィエル「ぐぬぬ、だが忘れるな!!人は過ちを繰り返す、その時こそ再び我は蘇る!!」

 

一同「・・・・・。」

 

セラフィエルは炎が燃え尽きるかの如く、消滅していった・・・・・。

 

 

 

 

 

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