一夏とジルの対戦はすぐに学園中の話題になり、
放課後の食堂には新聞部が集まっていた。
他の専用機持ちも食事の手を止めて一夏の取材に注目する。
黛「はいはーい新聞部でーす!織斑一夏君の取材に来ました!」
一夏「ど、どうも。(何か久しぶりだな。)」
ビリー「校内で取材って何か珍しいな。」
レベッカ「だよねー。」
鈴「エクトルとアルゴスが来た時も凄かったわよ。」
エクトル「まあ、予想外の歓迎ぶりには驚いたよ。」
黛「では、モンドグロッソカナダ代表のジル先生と戦った感想を一言!!」
一夏「正直これまでにない悔しさだった。でも、差を見せられた事でまた新たな目標に繋がったから、凄く有意義だったと思う。」
エクトル「一夏、既に代表入りした選手みたいな雰囲気があるね。」
箒「うむ、流石は織斑先生の弟だ。(カッコいい❤︎)」
セシリア「持ってるものがありますわね。(素敵ですわ❤︎)」
シャルロット「日に日に強くなっているもんね。(カッコいいなあ❤︎)」
ラウラ「うむ、流石は嫁だ。(カッコいいぞ❤︎)」
簪「みんな、一夏がカッコいいのはわかるけど、置いて行かれないようにね。」
レオ「そうだな、やっぱ男としても負けてられねえし。」
弾「だよな。」
しかし、この後のレベッカの一言が場を騒がせる事に繋がるとは誰も予想だにしなかった。
レベッカ「そういえば一夏って、どんな女の子がタイプなのかな?」
箒・セシリア・シャルロット・ラウラ「!!」
ビリー「お、おいレベッカ。」
鈴「アンタ唐突に何言い出すのよ。」
すると、その言葉を聞いた新聞部や周りの女子生徒も一夏に視線を集中させる。
黛「そういえばそうですね。ズバリ、織斑君の理想の女性のタイプは!?」
一同「!!!!!」注目
一夏「あまり具体的には答えられないんだが、絶対条件的なものはあるな。」
黛「ふむふむ、それは?」
一夏「女尊男卑に固執しない事、それが一番だな。俺はISに元から乗れる事で、普通の男子じゃ考えられない幸せを感じている分、女尊男卑に傷つく男子のためにISのコアを研究させてもらっているからな。」
黛「なるほどね、でももし今付き合うとしたらどんな女の子がいいかな?」
一夏「うーん、こう言ったらアレだけど、やっぱり同い年が一番かな。」
同級生一同「(これはチャンス!!)」
黛「ふむふむ、じゃあ年上年下は駄目って事?」
一夏「駄目じゃないけど、俺からすれば年上はよくて『姉的な存在』、年下はよくて『妹的な存在』ってところで終わりそうだな。」
黛「うーむ、これは年に差がある女性はがっかりでしょうねー。」
千冬「(なるほど、だからジルも姉同然に思っているわけか。ほっとしたが、どこか複雑だな。あいつの姉は私だけなのに・・・。)」
千冬は一夏がジルのような年上女性も恋愛の理想にしている可能性を危惧していたが、そうではない事にホッとしてる一方で、
自分以外の年上女性も姉同然に接する事に少しヤキモチをやいていた。
そんな中・・・・
アルゴス「・・・・。」
鈴「アルゴス、アンタさっきから全然喋ってないけど、どうかしたの。」
アルゴス「あ、いや、何でもない。じゃあ俺先に出るぜ。」
シャルロット「お疲れ。」
アルゴスはそのまま部屋には戻らず、バルコニーの方に出てから一人たそがれていた。
アルゴスはここの所、一夏に対して少しコンプレックスを抱いていた。
ルシフェウスの件で一夏に助けてもらい、一夏のおかげでその力を使えるようになったのだが、
それでも自分が目指すところに既に一夏がいるように思えてならないのだ。
アルゴス「不思議だなあいつは。誰とでもすぐに馴染めるし、どんな力も血肉にしていく。
何だろ、俺は・・・どうしたらもっと強くなれる?」
その時、
楯無「アルゴス君♪」耳フー
アルゴス「どああっ!!」
不意の刺激にアルゴスは驚いた。
楯無「いいリアクション!」
アルゴス「な、何だ副会長か!?脅かさないでくださいよ。」
楯無「楯無さんでいいわよ❤︎」
アルゴス「何か用すか?」
楯無「いやー、何一人でたそがれてるのかなーって。」
アルゴス「・・・・別に何でもないっすよ。」
楯無「一夏君の事でしょ?」
アルゴス「っ!?何でわかるんすか?」
楯無「アルゴス君、女の勘を甘く見ちゃダメよ。」
アルゴスは面倒くさいと思いつつも話す事にした。
楯無「ふーん、コンプレックスねぇ。」
アルゴス「あの事件以来俺、あんまり強くなれてない気がするんですよ。」
楯無「アルゴス君、人生にコンプレックスは付き物よ。」
アルゴス「でも一夏からはそれが感じられなくて。」
楯無「私見たんだけど、一夏君マイヤーズ先生との対戦後、陰で歯を食いしばって暗い顔してたわよ。」
アルゴス「あいつがですか!?」
楯無「そりゃそうよ、普段表に出さないだけで、みんなそれぞれ他人にはわからないコンプレックス持ってるんだから。
でもアルゴス君、あなただって一夏君に負けないくらいいい所あるのよ。」
アルゴス「気休めならやめてください。」
楯無「少なくともアルゴス君は、その、何てっったっけ、ルシなんとかに」
アルゴス「ルシフェウスです。」
楯無「そ、そう、それそれ。そいつに使われてた頃よりずっと強くなってるしカッコよくもなってるわ。」
アルゴスは普段おちゃらけな楯無がまともに人を褒めるのを見て意外に思った。
楯無「むっ、アルゴス君その顔、意外だとでも言いたそうね。」ジトー
アルゴス「いや、なんつーか、楯無さんでもまともな事言うんだなーって思って。」
楯無「アルゴス君、失礼だぞー、副会長に向かって〜。」
アルゴス「プッ、ハハハハッ!!」
楯無「もう、笑わないでよ!」
アルゴスと楯無はしばらくバルコニーで二人きりで盛り上がった。
アルゴス「でも、楯無さんのおかげで気持ち晴れました。明日も頑張ります!」
楯無「ふう、ようやく元気になったわね。じゃあもう行くね。」
楯無はバルコニーを後にした。
アルゴス「(楯無さん、最初はちょっと変わってると思ったけど、話してるとすげー励まされるな。
からかう所はアレだが、悪くねえな、ってあれ、なんで俺こんな事考えるんだろう?)」
今度は己の内に目覚めた気持ちに悩むアルゴスだった。
翌朝・・・
アルゴス「ふああ。」
アルゴスは大きなあくびをした。昨夜は楯無の事で頭が一杯になってしまっていたのだから無理もない。
一夏「何か、眠そうだな。」
箒「アルゴス、寝不足は体に毒だぞ。」
アルゴス「心配ありがとな、でも大丈夫だ。」
弾「そう言ってるけどそのコーヒー何杯目だよ?」
鈴「アンタ昨日から変よ。」
セシリア「何かお悩みですの?」
アルゴス「いや、大丈夫、気にすんな。」
アルゴスは心を落ち着かせようとする。しかし、
楯無「おはよーアルゴス君♪」耳フー
アルゴス「だああっ!」
アルゴスは今の刺激で一気に目が覚めた。
ビリー「すげー反応だな。」
レオ「つーか副会長いつからいたんだよ。」
楯無「アルゴス君、目覚めた?」
アルゴス「え、ええ、まあ。」しどろもどろ
ラウラ「ん?」
ラウラはアルゴスの反応に違和感を覚える。
楯無「そう、よかった。今日も頑張ってね❤︎」
アルゴス「あっ、あのっ、楯無さん!」
楯無「?」
アルゴス「き、今日の放課後、空いてますか?」
楯無「放課後?うん、空いてるよ。」
簪「・・・・?」
簪も楯無に違和感を覚える。
一夏「アルゴス、珍しいな。お前が個人的に人を誘うなんて。」
箒「しかも副会長を。」
アルゴス「え、そ、そうか?それより早く朝飯終わらせようぜ!」アセアセ
慌てふためくアルゴス。
その様子を見て、一同は確信した。
一同「(これってまさか・・・・。)」
放課後・・・
アルゴス「(楯無さんまだか?)」ソワソワ
楯無「アルゴス君、お待たせ!」
アルゴス「突然呼び出してすいません。」
屋上にアルゴスと楯無が二人きりになる。
ちなみに一夏達他の専用機持ち一同は密かに先回りして物陰に隠れていた。
楯無「何何?こんなとこに呼び出したりして、愛の告白でもするのかな?」
アルゴス「(ウッ、いきなりそこ突かれるか!?)」
一夏「た、楯無さん!?」
簪「ちょっとお姉ちゃん馬鹿なの!?」
箒「あれでは言いにくいではないか!」
ビリー「あちゃー、いつもの悪い癖だな。」
楯無「ウフフ、冗談よ、アルゴス君がそんな話するわけ」
アルゴス「ありますよ!!」
楯無「!?」
レオ「アルゴス、そうだ、勇気を見せろ。」
アルゴス「お、俺は、楯無さんが、す、好きなんですよ!!」
楯無「!!!!」
ラウラ「アルゴス、もう一息だ。」
アルゴス「俺、最初は、楯無さんの事、変わってるなとか、苦手だなとか思ってたけど、次第に気になり始めて、
しかも、昨日励まされた時はドキドキしてて。」
楯無「・・・・。」
弾「アルゴス、最後にビシッと決めろ!!」
アルゴス「更識楯無さん!お、俺と、付き合ってください!!(よし、言い切った!)」
セシリア「アルゴスさん、やりましたわね!」
楯無「え、えーと、どうしよっかなぁー。」
一同「え、そんな言い方!?」コケッ
アルゴス「っ!!」
楯無「冗談よ、アルゴス君、これからもあなたのそばにいてあげる❤︎」
アルゴス「楯無さん!」
アルゴスと楯無はキスを交わした。その瞬間、
一同「おめでとう(ございます)アルゴス(アルゴスさん)!」
楯無「!?」
アルゴス「い、いつの間に!?」
一夏「いやー悪い悪い。」
箒「つい気になったものだからな。」
セシリア「アルゴスさん、おめでとうございます。」
ビリー「よう、まさに青春だな!」
レオ「なかなかお似合いだぜアルゴス!」
簪「よかったねアルゴス、じゃなくって、『お兄ちゃん』!」
アルゴス「お、お兄ちゃん?」
エクトル「そうだね、将来結婚したらレオと簪はアルゴスと楯無さんの義理の弟・妹になるよね。」
シャルロット「簪、いいお兄ちゃんができたね。」
ラウラ「ふむ、家族が増えて何よりだ。」
鈴「お幸せに!」
レベッカ「あたしも負けないからね!」
アルゴス「・・・てめえら、何も隠れて聞くこたあねえだろ!!」
アルゴスは顔を真っ赤にする。
一同「アハハハ(ウフフフ)!!」
ちなみにこの事は、楯無を経由して新聞部に流れ、アルゴスは一日中質問責めにあい、精神的に疲れる日となった。