大阪での襲撃は、瞬く間に世界中のニュースとなった。
クローンがいつどこでどうやって生み出されているのか、
それらを阻止する方法はないものかと騒がれてはいるが、
アスタロトの行方は未だ掴めていない。
食堂では専用機持ちが皆集まっているが、修学旅行の思い出よりも、この事が話題になっている。
シャルロット「それにしても、アスタロトはあんなにクローンパイロットを生み出して、何をしようとしているんだろう?」
レオ「特に気になるのは、俺たちのDNAを使っている事だな。」
簪「クローンって、確か遺伝子をコピーしてるわけだから、つまり・・・。」
レベッカ「要するにあたし達のような敵も出る可能性があるってわけね。」
ビリー「考えてみりゃあ、自分(てめえ)の分身を殺さなきゃならねえって事か。」
鈴「想像しただけでぞっとするわね。」
弾「腕の立つパイロットの分身が来たらなおやばい気がするな。」
皆それなりに経験は積んできたが、今度来るであろう戦いは想像や人知を遥かに超えた
戦いとなる事を思うと不安になる。
余談だが、学内の公式戦では一夏が唯一の無敗である。
一夏「大きな力ほど、邪悪なものが手にすれば危険ってわけだ。」
箒「うむ、その通りだな。」
エクトル「僕らがISに乗れる事も、決して軽い事ではないな。」
セシリア「ええ、責任が問われますもの。」
アルゴス「まあ、事実現代最強の兵器と豪語されてるしな。」
ラウラ「いつ戦争が起こっても不思議ではない。」
千冬「専用機持ち共、気持ちはわかるが、授業に遅れぬよう食事を済ませておくように。」
専用機持ち一同「はいっ!!」
Sideアスタロト
アスタロトは自分の息子としているクローンISパイロット少年の実験に最後の仕上げを施している。
カイム、エキドナはその少年の専用機の作成を仕上げているところだ。
アスタロト「さあ、目覚めるのよ!私の息子『ネロ』!!」
ネロと名付けられた少年が、培養槽の中でゆっくりと目を覚ます。
カイム「間も無く、完了です!」
エキドナ「ネロ様、ここに誕生です!!」
培養槽から液が引き、扉がゆっくりと開かれる。
ネロ「・・・・・・。」
ネロは無言のまま辺りを見渡し、ゆっくりとアスタロトの方に向き直る。
アスタロト「ネロ、私があなたの母、アスタロトよ!」
ネロ「・・・母様、俺は・・・ネロ。」
生まれたばかりでまだ意識は安定していないようだ。
その後のネロの能力の拡張は眼を見張るものがあった。
数日でISの主要国の言語をマスターし、人間としての基本的な習慣も完璧に覚え、身体能力も常人を超えるほどに仕上がる。
程なくして、彼の専用機が仕上がった。
ネロ「カイム、俺の専用機が仕上がった様だな。」
カイム「はいネロ様、これがあなた様の専用機『サタナキア』でございます。」
ネロの専用機サタナキア。ダークな紫色の機体で、基本的なフォルム、性能は一夏の白式によく似ている。
ネロは早速装着し、試操縦をする。
ネロ「ふむ、いい使い心地だな。これがかつては女にしか使えなかったとはな。」
エキドナ「ネロ様、よくお似合いです!」
ネロ「母様、織斑一夏は何故か元からISを操縦できる様ですが、奴は一体?」
アスタロト「一夏はブリュンヒルデを姉に持つ男、そして、創造主クラストに選ばれし者よ。
彼は天使と悪魔で最強とされたセラフィエルとルシフェウスを制し、その力を宿すエクトル・ベレンとアルゴス・イリアディスを味方にしているわ。」
ネロ「奴にそれ程の力があるとは・・・。」
アスタロト「あなたが恐れる必要はないわ。あなたは織斑一夏に匹敵する潜在能力が備わっている。
試しにその力を一夏に振るってみるといいわ。」
ネロ「仰せのままに。」
ネロは研究所を出発し、IS学園へと向かう。
そんな中、ネロは独り言をつぶやく。
ネロ「・・・・それにしても、織斑一夏は何故自分以外の男にもISを使える様にしたのだろう。
母様達は奴を倒す事をお考えの様だが、正直殺すには惜しい。お手並み拝見といかせてもらおうか。」