アスタロト「ネロ、織斑一夏と戦った感想は?」
ネロ「・・・正直奴の潜在能力は計り知れません。人間でありながら創造主と肉体を共有する程ですから。」
アスタロト「そうね、でもネロ、あなたがアスモデウスと肉体を共有できるのも、言って見れば奇跡なのよ。」
ネロ「・・・どういう意味です?」
アスタロト「カイム、ネロに説明を。」
カイム「はっ。」
カイムの説明によると、この研究所を立てて間もない頃は、ISと共にアスモデウスが適合する肉体を持つ人間を作る事が最優先であった。かつてルシフェルらが拉致した死刑囚の残りを実験に使ったが、束同様に作ったトランスリミッターをもってしても、みんなアスモデウスのコントロールに失敗し、肉体が滅んだという。
ただの人間にコントロールは不可能と見限り、思いついたのが、クローン技術である。
ISのコアに適合し、高い潜在能力を秘めた肉体ならば、アスモデウスをコントロールできると踏んだアスタロトは、
ISに選ばれし者である一夏に目をつけた。早い段階でISを代表候補生以上に使いこなす彼らの潜在能力を期待し、遺伝子操作を伴うクローン技術によって、彼の細胞を、アスタロト自身の卵細胞に融合させたことで、
クローンでありながらオリジナルの人格を持ったネロが生まれたのだ。
その結果、ネロはISのコア、トランスリミッター、そして、アスモデウスにも認められたのであった。
アスタロト「ネロ、あなたは彼らの力だけでなく、私の力も受け継いでいるの。だから、一夏を恐れる必要はないわ。」
ネロ「・・・・はい。」
Side一夏
日曜日の朝、一夏はいつも通り専用機持ちのみんなと朝食をとっていた。
一夏「そういえば、箒達の専用機が治ったんだってな。」
箒「ああ、お陰様でな。」
弾「とりあえず前線に復帰だな。」
アルゴス「とりあえず、模擬戦で軽く肩慣らしするか。」
セシリア「ええ、お願いしますわ。」
朝食後、一同はアリーナへ行き、模擬戦を行っていった。
鈴「行くわよビリー!」
ビリー「来やがれ、鈴!」
鈴とビリーはじっとできない性格が根本的に似ているからか、妙に張り切っている。
途中からレベッカも乱入し、模擬戦というより乱闘に近くなったが。
一夏「一人対複数か。それもいいな、箒、セシリア、シャルロット、ラウラ。四人同時に俺と模擬戦をしないか?」
箒「すごい事を思いつくな。」
セシリア「この間の戦闘でお疲れなのでは?」
一夏「だからこそだ。ネロは恐ろしく対応力がある。だから俺も様々な状況に対応する力を付けたいんだ。」
ラウラ「いいだろう。嫁の頼みとあらば。」
シャルロット「遠慮はしないよ一夏!」
一夏は四人の専用機を相手に模擬戦を行う。
四人の攻撃が同時に襲うが、持ち前のスピードと機動力で難なく全てをかわしていく。
アルゴス「すげえな、俺もやってみよう!」
エクトル「じゃあアルゴスの相手は僕が。」
レオ「じゃあ俺も。」
弾「俺も。」
簪「私も。」
アルゴスはアビリティ「テロス・フラス」以外は基本的に飛び道具がないので、条件的には不利に思われたが、
徒手空拳に慣れているため、武器がもともと籠手・具足である分、スピードは一夏に並ぶため、射撃系は的を絞りづらい。
山田先生「みんな、休みなのに頑張りますね。」
千冬「皆一夏についていこうとしているのだろう。それに、一夏にとってネロは現時点で最大のライバルらしいからな。」
Sideのほほん
のほほん「ふんふふ〜ん♪」スキップ
専用機が自主訓練をする一方で、のほほんさんは普通に休日をまったり過ごしている。
今日は一人で個人的な買い物をする事になっているのだ。
新しい着ぐるみを作るべく、学園から歩いて30分程のホームセンターに向かう。
のほほん「新しい着ぐるみを作るのだ〜。」エイエイオー
ホームセンターに着き、早速生地を探す。
のほほん「う〜む、どれにしよっか〜。」
あれこれ色々な生地をあさっては考える。
色々買った結果、かなりの荷物になっていた。
のほほん「うー、重いけどなんとか頑張ろう。うんしょ、うんしょ。」
両手に重い買い物袋を持って学園へと戻るその道中には、彼女を付け狙う奴らが・・・。
「おい、あの子IS学園の女の子じゃねえか?」
「マジかよ、すげえ可愛い!!」
「ナンパしてみようぜ!」
3人の男子高校生が。しかも全員不良のようだ。
不良1「よお、そこのかわいこちゃん!」
のほほん「ほぇ?」
いきなり声をかけられビックリする。
不良2「荷物重そうだな、俺らが持ってやるよ!だから、ちょっと付き合ってくんね?」
のほほん「い、いえ、大丈夫です。学校にはすぐ戻るんで〜。」
不良3「そうつれねえ事言うなよ。」
そう言うと不良はのほほんさんを通せんぼする。
のほほん「(ほえぇ、どうしよう。)」
声「おい貴様ら、何をしている?」
不良1「あ?」
振り向いた先には、なんとネロが立っていた。
ネロはたまたま気晴らしに出歩いていただけなのだが。
不良2「なんだよてめえ、邪魔すんなよ。」
ネロ「彼女の邪魔をしているのは貴様らだろう。女性1人相手に男3人とは呆れたものだ。」
不良3「んだとコラ!!」
不良の1人がネロに向かって拳を振る。その瞬間、
ネロ「遅い!」
不良3「ぐわっ!!」
ネロは素早くその腕を掴み、そのまま投げて近くのブロック塀に思い切り叩きつけた。叩きつけられた不良は完全に伸びてしまっている。
不良2「やってくれるじゃねえか。」
ネロ「いや、それほどでも。」
不良「褒めてねえよっ!!」
残りの2人が同時にかかるも、ネロは片方の不良の脇腹に肋を砕く勢いで蹴りを入れ、もう片方の不良には顔面に拳をたたき込み、鼻と前歯をへし折った。
不良2「いててて、くそう。」
不良1「ゲフッ、お、覚えてやがれっ!!」
不良どもはすたこらさっさと逃げた。
のほほん「(ほ、ほえぇ〜、凄〜い!)」
ネロ「危ないところだったな。」
のほほん「ありがとだよ〜!!」
ネロ「君、IS学園の生徒だろ。その荷物学校まで持ってやるよ。」
のほほん「え、でも。」
ネロ「いいから。」
ネロは買い物袋を二つとも片手で持つ。
のほほん「あ、ありがと〜。(何だかかっこいー。)」
ネロとのほほんさんはIS学園まで歩く。
ネロ「さて、着いたな。」
のほほん「ありがとだよ〜。」
ネロ「じゃあ、失礼するぜ。」
ネロは足早にその場を去っていった。
のほほん「あっ、そう言えば名前聞いてなかった。また会えるかな・・・。」キュン
その日の夕食では・・・
のほほん「ぽ〜。」上の空
のほほんさんはあれからずっと、ネロの事が頭から離れなかった。
谷本「ねえ、本音さっきからぼーっとしてるけど何かあったの?」
のほほん「え、えっと、何でも。」
鷹月「ははーん、さては恋ね。」
のほほん「ほえ、何でわかるの〜?」
レオ「顔に思い切り出てたぞ。」
簪「本音嘘つけない方だもんね。」
のほほん「えっとねー、今日買い物の帰りに変な人に絡まれたところを、その人が助けてくれたんだよー。それに、荷物も途中まで持っててくれたし。」
ビリー「それだけで見ず知らずのやつ好きになんのかよ。」
レベッカ「ビリー、一目惚れも恋のうちなのよ。」
鈴「本当アンタわかってないわね。」
ラウラ「そいつはどんな容姿だったのだ?」
ラウラは意外にも他人の恋話に興味を持つ方だ。
のほほん「背はおりむーくらいで、長い薄紫の髪の毛だったよ〜。」
一夏「ふむふむ、ん?長い薄紫の髪?」
専用機一同「!?」
ネロの存在が専用機持ちの頭をよぎる。
エクトル「本音、その人はその髪を後ろに2本束ねていなかったかい?」
のほほん「うん。変わった結び方だよね。」
セシリア「そのお方ってまさか。」
一夏「本音、もしかしてそいつの腕には、紫色のこれがあったか?」
一夏は待機状態の白式を見せる。
本音「うん、そんな感じ。その人何だかおりむーと同じ匂いがしたよ。」
シャルロット「これは・・・間違いないよ!」
アルゴス「ああ、ネロだ。」
弾「本音、そいつはこないだ一夏と戦ったやつだぞ!」
それを聞いてのほほんさんは、
のほほん「ほえー、その人ネロって言うんだ。」
一同「驚くところそこ(ですか)!?」ツッコミ
鈴「本音、そいつとは関わらない方がいいわ!」
ビリー「鈴の言う通りだぜ、こないだ襲ってきたやつを信用できねえ。」
のほほん「・・・でも、悪い人じゃない気がするよ。」
アルゴス「本音、そういうのが一番危険なんだぞ!」
ラウラ「私も同感だ。」
箒「それは一夏が一番知っているはずだ。」
一夏「いや、本音の言うことにも一理ある。」
一同「一夏(さん)!?」
一同は一夏のネロに対する考えに驚いた。
一夏「確かにやつはこの間俺に勝負を持ち込んだ。だがやつはウィルスで戦闘不能になったみんなに手を下そうとはしなかった。もしやつが危険なら、今頃本音を人質に取っているだろう?」
セシリア「確かに、それはそうですが。」
レベッカ「考えすぎじゃないの?」
一夏「奴は他のクローンのような人形とは違って、目に輝きがあった。アスタロト側の人間である以上確かに簡単には信じられないが、奴は完全に悪に染まっていないように思える。」
一夏は確信を持って言い放った。
箒「一夏は昔から人の心の機微に鋭いからな、こういう勘はほぼ当たっている。」
弾「・・・確かにそうだな。」
一夏をよく知っている箒と弾は納得しているようだ。
セシリア「もしかして一夏さんは、彼を仲間に入れようとお考えですの?」
一夏「可能性があるならそうしたい。」
ビリー「何でだよ?」
一夏「奴も、俺と同じ理想を抱いているからだ。」
ラウラ「だが、そんな事ができるのか?」
シャルロット「まあ、一度は敵対したエクトルとアルゴスとの絆を取り戻したくらいだし。」
レオ「ま、ここは一夏に任せておこうぜ。」
簪「・・・私もそう思う。」
ネロを味方に引き入れるか否かで論争になるところだったが、一夏に任せるという事で話は丸く収まった。
それにしても、人の出会いとは不思議なものである。
Sideネロ
ネロ「・・・母様は、一夏達だけでなく、あのような純真無垢な少女の存在も消し去るつもりなのだろうか・・・。」
自室に戻ってから、暫くネロはおもわずのほほんさんを助けたことや、アスタロトの理想について頭を悩ませていた。