アスタロトは昼間はデュノア社の社員として働く一方、社内に誰もいない夜間を狙い、カイムのシステムハッキングでセキュリティにかかることなく社内に侵入し、パソコン内の重要なデータを複製し、研究所へと送り込んだ。
セキュリティを一時的に停止させているため、情報漏洩があっても痕跡が残らないようになっている。
アスタロト「さすがは世界有数のIS企業ね、これらを全て手に入れれば・・・。」
かつての開発データから最新技術の開発過程のデータに至るまで盗み出していった。
Sideネロ
ネロ「カイム、母様は今どこにおられる?」
カイム「はっ、今はフランスのデュノア社の方に向かっておられます。」
ネロ「デュノア社といえば有数のIS企業だと聞くが。」
カイム「はい、アスタロト様はエキドナと共に社員として潜入されて、デュノア社内のデータを集めているところです。」
リリス「そんな所からデータを盗んで大丈夫なの?」
カイム「いえ、盗むのではなく、複製を持ち帰ります。アスタロト様がお帰りになられた頃に、社内に仕掛けたガーゴイルを暴走させる予定ですので。」
ネロ「まあその方が無難だな。事件が起きても、誰がやったかわからなければそれまでという事か。」
リリス「万が一疑われても証拠がなければ大丈夫って事ね。」
ネロ「IS学園の専用機連中、少なくとも織斑一夏は気づくだろうがな。」
ネロは再び一夏に会う気がしてならなかった。そして、全てのデータが集まった日、事件は起きた・・・。
Side一夏
一夏達は急遽、シャルロットの実家であるデュノア社に向かっている。
一夏「ネロを利用して学園を襲撃した事を考えると、デュノア社も危ないぞ!」
簪「うん、急ごう!」
グリモヴァールを後にし、スペインから飛行機でフランスに向かう。
デュノア社はフランスの空港からバスで2時間ほどの所だ。
そして、デュノア社に一行は到着したのだが・・・・
Side IS学園
のほほん「おりむー達大変だよね〜。」
鷹月「私達も専用機を持てたら行けるのに。」
谷本「皆命がけで敵と戦う事が多いし。」
楯無「(ここの所事件が多かったせいか、皆ちょっと不安そうね。)」
学園の食堂では食事のひと時が流れている。しかし、
TV「臨時ニュースです!フランスのIS企業のデュノア社が、先程何者かによる襲撃を受けたとの報告がございました!!
社員の多くに死傷者が出ており、社内は緊迫した模様です!」
楯無「!!」
鷹月「デュノア社が襲撃された!?」
谷本「ちょっと待って、確かデュノア社って・・・。」
のほほん「シャルシャルのお家だよー!!」
千冬「何という事だ・・・。」
Side一夏
一夏「こっ、これは!?」
デュノア社の今の光景を見て、皆愕然としている。
建物はかなり破壊されており、周辺にはおびただしい数の死体が転がっていた。
シャルロット「そ、そんな・・・何で・・・?」
アルゴス「ひでえ・・・。」
エクトル「これは、間違いなくアスタロトの仕業だ!!」
すると、建物から血まみれで瀕死の社員らしき人物が見える。
セシリア「大丈夫ですか?」
社員「ハァ、ハァ、何とか。」
鈴「一体何が!?」
社員「突然、社内から大量の・・・む、無人機、が。」
レオ「社内に無人機だと!?」
ビリー「何だってそんなもんが!?」
社員「わからない・・・、あれは、見た事もない姿だった。いや、それより・・・問題が起きた。社内のIS関連のデータが、全て抹消されている。」
ラウラ「データが抹消!?」
弾「おいおい、それってまずいんじゃねえの!?」
レベッカ「生存者は他にはいるの!?」
シャルロット「父さん、社長は!?」
社員「社長は・・・、無事・・・だ。ゴフッ」
箒「しっかりして下さい!!」
だが、この社員も致命傷を負っており、シャルロットの父の無事を告げて、絶命した。
一夏「・・・ともかく、今は社長に会おう。」
シャルロット「・・・うん。」
一行は社長の元に向かった。
Side アスタロト
カイム「アスタロト様、デュノア社のデータの複製のバックアップが完了しました。」
アスタロト「ご苦労様。」
エキドナ「社員データも全て破壊しておきましたから、アスタロト様がデュノア社にいた証拠は何一つ残っておりません。」
リリス「これでかなりのISの主要なデータを握れたわね。」
アスタロト「ええ、そうよリリス。(これでデュノア社への復讐は終わったわ。あとは邪魔者を全て消すだけ。)」
ネロ「しかし、これで織斑一夏達ISとの全面的な戦闘になるのでは?(母様がデュノア社を攻撃した理由は、他にあるのでは?)」
ネロはデュノア社について話すアスタロトの表情から違和感を覚えた。
アスタロト「それはネロ、あなたにかかっているわ。彼らと戦う時、あなたは彼らと戦う理由を知ることになる。」
ネロ「・・・・・。」
一夏達との決戦に直面し、自身の戦う理由を告げられた時、ネロはどんな選択をするのだろうか・・・・。
Side一夏
一同「・・・・。」
一夏達はデュノア社で事件の一部始終を聞き終え、IS学園に戻る途中まではほとんど話せなかった。
特にシャルロットに関しては、数年前のデュノア社の他社買収の裏側を聞き、複雑な気持ちに。
アスタロトの夫ダニエルの勤めていたIS技術開発社は、先進的に各国のISの開発に取り組んでおり、
世界中の一流パイロットを陰ながら支えてきた。しかし、そんな中ダニエルの会社は経営難に陥り、
その弱みに付け込むが如く、デュノア社は半ば脅しの形でダニエルの会社を買収したのだった。
デュノア社はダニエルの高い技術力を評価していたが、彼が周囲から冷遇されていたことにまでは気を回さなかったらしい。
IS学園に戻り、千冬に調査結果と事件の一部始終を伝えた。
千冬「・・・ご苦労だったな。今日はもう休んでおけ。」
一同「・・・はい。」
千冬「デュノア。」
シャルロット「はい?」
千冬はシャルロットの肩に手を置く。
千冬「今回の事件、お前にはあまりにも過酷な現実だが、気を落とさず織斑達と行動するように。」
シャルロット「・・・はい。」
自身の実家の裏事情は、十代半ばの少女にはあまりにも残酷なものだった。