箒「一夏、あの中国代表候補生とは知り合いなのか⁉︎」
セシリア「説明してくれませんこと⁉︎」
一夏「落ち着いてくれ、よく考えたら俺の小学校時代の幼なじみの箒が知らないって事は、恐らく中学時代からの知り合いだと思う。箒には話したが、俺は記憶喪失になったからあの娘の事は覚えてないんだか。」
箒「確かに中学はお前とは別だったな。」
セシリア「そうだったんですか。」
谷本「記憶喪失か、何か色々大変だよね。」
一夏「ああ。(たまに聞こえる声の主も気になるしな。)」
鷹月「織斑君、記憶喪失のこと、あの子には…。」
一夏「心苦しいけど、いつかは知ることになるしな。昼休みにでも話に行くよ。」
箒「それなら私もついて行こう。(二人きりはまずいしな。)」
セシリア「私もついて行きますわ。(二人きりはまずいですわ。)」
一夏「そっか、助かるよ。」
そして昼休み、一夏は意を決して鈴を屋上に呼ぶ。
鈴「…一夏、その二人誰?」
鈴は一夏の左右にいる箒とセシリアを見るなり不機嫌になる。
一夏「その、クラスメイトで俺のISの訓練相手でな。」
鈴「ふうん、ま、いいわ。話って何?」
一夏「鳳さん、実は俺、入学前に事件に巻き込まれたせいで、記憶喪失になったんだ。」
鈴「は⁉︎マジ⁉︎」
一夏「ああ、残念だがこの学園に入る以前の記憶は全く残ってない。だから君の事も全く覚えてないんだ。」
鈴「じゃ、じゃあ、あたしとの約束も綺麗さっぱり忘れたって事⁉︎」
一夏「すまない。」
鈴「…そう、いいわ!この憂さはクラス代表対抗戦で晴らさせてもらうわ!当日は覚悟しなさいよね一夏‼︎」
鈴は怒りに震えながらその場を離れた。
一夏「(わかってはいたが、心が痛むな。)」
箒「一夏、気持ちはわかるが、今はクラス代表対抗戦に集中しよう。」
セシリア「箒さんの言う通りですわ。」
一夏「そうだな、見る限り鳳さんもプライドが高いと見える。全力でのぞまなきゃな。」
その場を影から千冬が見ている。
千冬「(…一夏、とりあえず最善の選択をしたな。気まずいかもしれないが頑張れよ。)」
そして、クラス代表対抗戦の日がやってきた。アリーナのギャラリーはいつも以上に盛り上がっており、特に1組は激しい声援を一夏に送る。
箒「一夏、戦いに集中するんだぞ!」
セシリア「私達がついていますわ!」
一夏「おう、そんじゃ行ってくるぜ!」
白式を纏い、ビットから飛び出して鈴と対峙する。鈴は専用機甲龍を纏っている。
鈴「随分と余裕ね一夏。」
一夏「一応こういうの経験済みだからな。」
鈴「あたしはあのイギリス代表候補生のようにはいかないわよ!」
アナウンス「それでは、両者ともに位置について、始め!」
ブザーと共にお互い動き出す。
鈴「行くわよ!」
鈴は甲龍の近接装備「双天牙月」を繰り出して襲いかかる。だが、少々大振りなので一夏は雪片弍型で難なく受け流し、持ち前のスピーディーな動きで翻弄する。
鈴「逃げ足だけは速いわね。」
一夏「そりゃどうも、行くぜ!」
一夏は変則的な軌道により、空振りの隙を狙い鈴の肩に雪片弍型の一太刀をくらわす。
一夏「刀剣類なら俺の方が上手だな。」
鈴「やるわね、ならこの武器を使うわ!」
鈴は一気に距離を開ける。その瞬間、見えない衝撃に襲われる。
一夏「くっ、射撃の弾道が見えない!」
鈴「今度はこっちの番よ!」
鈴は甲龍の射撃装備の「龍砲」を一夏に浴びせる。一夏はフルスピードで広範囲を動き、かわせない時は雪片弍型の刀身でガードする。
箒「まずいぞ、白式は近接格闘のみだから不利だ。」
セシリア「一夏さん!何とか接近して下さい!」
ギャラリーから二人は応援する。
鈴「ほらほら、近づかなきゃ一方的よ!」
一夏「くっ、こうなったら賭けに出るか。」
一夏は覚悟を決め、その場に止まる。
鈴「これで決まりよ!」
一夏は龍砲のタイミングを見計らい、雪片弍型を構える。
一夏「これでどうだー‼︎」
一夏は力の限り雪片弍型を振り、龍砲の衝撃を鈴に弾き返した。
鈴「嘘⁉︎なんて力!きゃあ‼︎」
不意を突かれ、反応が遅れた鈴に、跳ね返ってきた衝撃が命中した。
その瞬間、一夏はすぐさま間合いを詰め、零落白夜でとどめを刺した。
アナウンス「勝者、織斑一夏‼︎」
アナウンスが流れる、すると、どこからか爆発音が聞こえた。